ティム・バートンが『チャーリーとチョコレート工場』をまだ作っていない、
10年ほど前のバレンタイン。
ぼくは都内のチョコレート屋さんで、
ホットチョコレートと、チョコクロワッサンと、チョコレート映画が楽しめる、
夢のようなイベントを開催しました。
10種類あるチョコレート。
そこから各自がホットチョコレート用の一枚を選び、
そのうちのどのぐらいをホットチョコレートとして使用するかまでを、
それぞれで選ぶことができる。
残った分は、もちろん板チョコとして食べることもできます。
チョコレートの新しい楽しみ方の提案。
この時点で、ぼくは何回"チョコレート"と言ったのでしょう。
まあ、それほどチョコレート尽くしのイベントだったわけです。
(トークでもバレンタインチョコについて話をしました)
上映作品は、『夢のチョコレート工場』。
本作は作られた時代が1970年代ということもあり、
『チャーリー〜』に比べると、突っ込みどころが満載です。
セット、乗り物、動物など、すべて実写&合成。
空中を浮くチャーリーにワイヤーが見えるのもご愛敬。
そのハンドメイド感に、愛おしささえ感じるはずです。
さらに、大きな違いはふたつ。
まずは、ウンパルンパ。
『チャーリー〜』ではディープ・ロイという俳優のコピペなのですが、
『夢の〜』では何人かの実際に"小さい人たち"が演じています。
彼らが要所要所で歌って踊るのですが、これが楽しい!
ウンパ、ルンパ、ドゥンパディドゥ!
そして、もうひとつの違いは、ウィリー・ワンカの描き方。
『夢の〜』には、幼少時代のエピソードがないんですね。
秘密や不思議いっぱいの工場の持ち主は、謎のまま。
その方が、観ている人の想像力を掻き立ててくれるし、
映画のあとも、心の中でワンカが生き続けてくれるんです。
説明のしすぎは、やっぱり良くない。
という、説明しすぎな映画紹介は以上となります。
ぜひ今週末は、お気に入りのチョコレートをたっぷり買い込んで、
サイケデリックで、おどろおどろしい『夢のチョコレート工場』を
どうぞ楽しみください!
************************************************
『夢のチョコレート工場』
Blu-ray 2,381円+税
DVD 1,429円+税
ワーナー・ブラザース ホームエンターテイメント
映画選定・執筆
キノ・イグルー
有坂塁
東京を拠点に全国のカフェ、パン屋、酒蔵、美術館、 無人島などで、世界各国の映画を上映している。
さらに「あなたのために映画をえらびます」という映画カウンセリングや、
目覚めた瞬間に思いついた映画を毎朝インスタグラムに投稿する「ねおきシネマ」など、
大胆かつ自由な発想で映画の楽しさを伝えている。
Instagram Web Site