キノ・イグルーの週末シネマ​ no.245
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ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語|焦ることもあるけれど私は私のままでいい

文:キノ・イグルー 有坂塁

ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語|監督・脚本:グレタ・ガーウィグ(2020年・アメリカ)

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2022年02月25日作成



世の中すべてのオトナが、個人事業主になったら?

そんなことを、昨年から悶々と考えています。


政治や事件、ニュースを見ていると、

その多くが"組織の弊害"としか思えない出来事がたーくさんあって。


自己責任だったら絶対にしないでしょ?

ということも、「上に言われたから、しょうがない」という論理でまかり通ってしまう。

とても狭い世界の中で。

結果押しつぶされてしまう、大事な大事な個性。


そもそも、

"私が私のままでいてはいけない"なんてあってはならないし、言語道断。

どう考えたっておかしいわけです。

学校、会社、チーム、どんな環境にいようとも、

まずは"私のまま"でいることが大前提。


組織に個を合わせるのでなく、

"多様な個の集合体"としての組織じゃないといけないと思うんです。

世の中すべてのオトナが個人事業主になったら…

僕は、そんな妄想から始めてみることにしましたが、

同じように、ひとりひとりが安心して自分でいられる社会を願う人に、

ぜひ観ていただきたいのが、

『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』です。


合言葉は、「私は私のままでいい」。

ストーリーはこのようになっています。


***


しっかり者の長女メグ、活発で信念を曲げない次女ジョー、

内気で繊細な三女ベス、人懐っこく頑固な末っ子エイミー。

女性が表現者として成功することが難しい時代に、

ジョーは作家になる夢を一途に追い続けていた。

性別によって決められてしまう人生を乗り越えようと、

思いを寄せる隣家の青年ローリーからのプロポーズにも応じず、

自分が信じる道を突き進むジョーだったが…


***


本作は副題にもあるように、

ルイーザ・メイ・オルコットの自叙伝的小説で、

今や世界中で知らない人はいないほどの名作文学「若草物語」を映画化したものです。


サイレント時代から数えると、今回で7度目の映画化になりますが、

そうした古典作品だからこそ際立ったのが、

監督を務めたグレタ・ガーウィグの作家性。


初の単独監督作『レディ・バード』が半自伝的なストーリーだったように、

自立した女性像を持っている彼女は、

主人公ジョーの中に「現代性」というエッセンスを混在させました。


時代に合った価値観を押し付ける編集者には平然と反発するし、

「女性の幸せが結婚だけなんておかしい」とメグの選択にも異を唱える。

そんな彼女の主張は、現代の僕たちの感覚に合致します。


そして、最も彼女らしさが表れたのが、

原作とは異なる"あの"ラストシーンです。

「今さら若草物語?」と批判していたうるさ型への強烈なアンサー。

グレタは、最高に素敵な答えをラストに用意してくれています。


きっと、「私は私のままでいいんだ」と心から勇気づけられはず。


どうぞお楽しみに。


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『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』
ブルーレイ&DVDセット 5,217円(税込)
発売元:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント

映画選定・執筆

有坂塁
キノ・イグルー 
有坂塁
キノ・イグルーは、2003年に有坂塁が渡辺順也とともに設立した移動映画館。
東京を拠点に全国のカフェ、パン屋、酒蔵、美術館、 無人島などで、世界各国の映画を上映している。
さらに「あなたのために映画をえらびます」という映画カウンセリングや、
目覚めた瞬間に思いついた映画を毎朝インスタグラムに投稿する「ねおきシネマ」など、
大胆かつ自由な発想で映画の楽しさを伝えている。
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