インスタグラムを2016年から始めるようになり、
苦手意識の強かった写真撮影が、すっかり日常化しました。
イベントの記録、鑑賞映画のパンフレット、
カレーやパフェ、訪れた酒場などなど、
日々何かを撮影してはインスタにアップ。
一日3回ぐらいのペースで更新するため、
カメラロールは過去の記録でいっぱいです。
そして最近は、作品撮りをしたい!なんて欲まで出てきていて、
自分自身でも驚いています。
何かを始めると何かが変わる、って本当なんだな。
スマホの気軽さとは対極にある、フィルムならではの"渾身の一枚"。
撮れる枚数に限りもあるので、考えて撮らないといけないうえに、
それは、自分の心を見つめる作業でもあるわけです。
そんな"時"が止まったような撮影プロセスにも興味あり!
おまけに、映画『I Love ペッカー』のことまで思い出したら、
いてもたってもいられなくなりました!
だってこの映画は、ただの写真好きが、
突如、天才写真家にまつりあげられてしまうという、
最高のストーリーだから。
そんな個性的なコメディ映画は、こんなストーリーとなっています。
***
ボルチモアに住む写真好きの青年ペッカーは、
日々 "ちょっとおかしなショット"を撮影することがささやかな幸せ。
ところがある日、彼が撮影したピンボケで露出過多の写真が
突如ニューヨークのアート界で脚光を浴びてしまう!
彼の写真についた値段はなんと1枚1,300ドルと高騰し、
ペッカーの名声もたちまち高まるかに思われた。
しかし、その写真がボルチモア中にとんでもない大騒動を引き起こしてしまう。
困り果てたペッカーだったが、妙案を思いつき…
***
どうです、夢があるお話でしょ 笑
ただただ"好きだから"カメラを肌身離さず持ち歩き、
心の赴くままに撮影する。
おかげでペッカーの日常はカラフルになり、エンターテイメント化され、
名声まで得てしまうわけです(それだけでは終わらないのですが…)
そんなペッカーが、最も愛した被写体は身近にいる人たちでした。
万引きの天才で親友のマットや、
コインランドリーを経営するガールフレンドのシェリー、
常連客はホームレスという古着屋で働くお母さん、
お砂糖中毒+癇癪持ちの幼い妹、
ゲイの男が大好きな奔放な姉、
向かいのレズビアン専用のストリップ小屋に客を取られてしまうバーの店主、
そしてマリア像と会話するおばあちゃん…
一癖も二癖もある変人ばかり。
でもペッカーは、彼らに囲まれることが何より幸せで、
そこがホームグラウンドだという自覚もあるわけです。
だからこそ、みんなに愛される。
個展を開く会場が、バイト先のハンバーガーショップなのもGood!
ローカルとクリエイティブが混ぜ合わさった感じが、
何とも今っぽいフィーリングで、
幅広く好感の持てる内容となっております。
とはいえ監督は、カルト映画の帝王ジョン・ウォーターズ。
伝説の映画『ピンク・フラミンゴ』を筆頭に、
"悪趣味"系の映画を量産する彼らしく、
権威を皮肉った爆笑シーンなども用意されているので、
ファンのみなさま、どうお楽しみに。
さて。
どんなフィルムカメラを買おっかな。
みなさん、何かオススメのものってありますか?
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『I love ペッカー』
DVD 1,572円(税込)
発売元:ワーナー・ブラザース ホームエンターテイメント
販売元:NBC ユニバーサル・エンターテイメント
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映画選定・執筆
キノ・イグルー
有坂塁
東京を拠点に全国のカフェ、パン屋、酒蔵、美術館、 無人島などで、世界各国の映画を上映している。
さらに「あなたのために映画をえらびます」という映画カウンセリングや、
目覚めた瞬間に思いついた映画を毎朝インスタグラムに投稿する「ねおきシネマ」など、
大胆かつ自由な発想で映画の楽しさを伝えている。
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