キノ・イグルーの週末シネマ​ no.28
サーカス|本物を楽しむ一本一年の最初に見たい映のカバー画像

サーカス|本物を楽しむ一本一年の最初に見たい映画

文:キノ・イグルー 有坂塁

サーカス|監督: チャールズ・チャップリン(1928年・アメリカ)

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2017年12月29日作成



新年には、名作映画を!

人類史上最高と言っても大袈裟ではない"本物の芸"を、

映画初めとして楽しむなんていかがでしょうか?


「喜劇王」と名高いチャーリー・チャップリン。

当然名前は知っているけど、作品を観たことがないという方、

多いと思います。

ヒューマニズム映画の最高峰『街の灯』、

資本主義を風刺した『モダン・タイムス』、

ヒトラーの独裁専制を痛烈に批判した『独裁者』…

いずれも喜劇と悲劇を融合させた、

チャップリンにしか作れない本物の名作ばかり。


ただ新年の晴れやかな気持ちで観るには、

これらは少々メッセージ性が強いかなと。


そこで『サーカス』です。

じつは本作、チャップリン作品のなかで

最もエンターテイメントに徹した作品で、

初めから終わりまで存分に彼の名人芸が堪能できる、

笑いに特化した1本となっています。


サーカスの回転台の上での警官との追いかけっこや、

鏡の部屋でのドタバタアクション、

さらに動物の檻に閉じ込められたと思ったら、

なんとそこにいたのは本物のライオン(!)だったり。


しかもクライマックスの綱渡りでは、

4匹のサルにしがみつかれながらもスタントを一切使わず

命綱なしの超絶アクションまで見せてくれるのです。

まさに、チャップリンのオンステージ!

かつて本作をキノ・イグルーで上映した際は、

たくさんいた子どもたちも大喜びしていましたので、

ご家族で観るのにもオススメです。


年始に"本物の芸"を楽しむ。

2018年の映画初めは『サーカス』で決まり!ですね。



◆余談

本作は、1929年の第1回アカデミー賞授賞式で、

製作、監督、脚本、主演を務めたチャップリンに、

特別賞が贈られました。


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『サーカス』
DVD 3,500円+税
発売・販売元:KADOKAWA

映画選定・執筆

有坂塁
キノ・イグルー 
有坂塁
キノ・イグルーは、2003年に有坂塁が渡辺順也とともに設立した移動映画館。
東京を拠点に全国のカフェ、パン屋、酒蔵、美術館、 無人島などで、世界各国の映画を上映している。
さらに「あなたのために映画をえらびます」という映画カウンセリングや、
目覚めた瞬間に思いついた映画を毎朝インスタグラムに投稿する「ねおきシネマ」など、
大胆かつ自由な発想で映画の楽しさを伝えている。
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