キノ・イグルーの週末シネマ​ no.100
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マイ・インターン|仕事の視点が変わるかも?もっと楽しく働こう

文:キノ・イグルー 有坂塁

マイ・インターン|監督:ナンシー・マイヤーズ(2015年・アメリカ)

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2019年05月17日作成



上司、親、先輩。

社会の中で相応の立場にいる人たちが、

「経験に縛られ過ぎているのでは?」と感じることがよくあります。


過去の成功に囚われているとか、

「あなたには無理」なんて平気で言う人がいたりと、

本来ありがたいはずの立場の人が、

下の人の成長を妨げている気がしてなりません。


経験が邪魔をすることだって"普通"にあるんだ、

ということをそろそろ共通認識に変えていかないと、

社会を覆う閉塞感は変わっていかないんじゃないかという気さえしています。


今回は、その問いを解決するためのロールモデルとして、

『マイ・インターン』に出てくる70歳のベンを観ていただきたいと思います。

演じるは、名優ロバート・デ・ニーロ。

しかし彼の立場は、上司ではなく、まさかのインターン。

でも経験豊富な彼がこの立場だからこそ、

おのずと解決策がくっきり浮き彫りになる、そんな構図になっています。

こんなお話です。


***


華やかなファッション業界で成功し、結婚してプライベートも充実、

現代女性の理想の人生を送るジュールズ。

そんな彼女の部下にシニア・インターンのベンが雇われる。

最初は40歳も年上のベンに何かとイラつくジュールズだが、

いつしか彼の的確な助言に頼るように。

彼の"豊かな人生経験"が彼女のどんな難問にもアドバイスを用意し、

彼の"シンプルな生き方"はジュールズを変えていく。

そんな時、ジュールズは思わぬ危機を迎え、大きな選択を迫られることに!


***


このベンが素晴らしいのは、

「70歳なのにインターン」という自分を卑下しないところ。

いつも穏やかで、気遣いが細やかで、頼りがいがある。

そしてここが重要なのですが、彼は自身のキャリアを偉そうに語ったりしません。

これは簡単なようで、なかなか出来ることではありません。


きっと彼も、最初からそうだったわけではなく、

"なりたい自分"を目指した結果、

自然と人望を集める人格者になったのではないかと思います。

そう思えば、誰にだって変われるチャンスはある。


上から目線で語らない。経験を押し付けない。相手を尊重する。

30歳、40歳から、自分をもう一回作り直すぐらいの気持ちで、

過ごしてみるのはいかがでしょうか?


経験のある人は言葉にせずとも、

オーラとしてにじみ出ているのだからドンと構えていれば大丈夫。

そういう大らかな大人がもっと増えることが、

平和への第一歩のような気もするのです。

大げさかもしれませんが。


惚れ惚れするようなベンの言葉や行動から、

ぜひ、あなたの成長の種を見つけてみてください。


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『マイ・インターン』
Blu-ray 2,381円+税
DVD特別版 1,429円+税
発売・販売元:ワーナー・ブラザース ホームエンターテイメント
(C) 2015 Warner Bros Entertainment Inc. All Rights Reserved.

映画選定・執筆

有坂塁
キノ・イグルー 
有坂塁
キノ・イグルーは、2003年に有坂塁が渡辺順也とともに設立した移動映画館。
東京を拠点に全国のカフェ、パン屋、酒蔵、美術館、 無人島などで、世界各国の映画を上映している。
さらに「あなたのために映画をえらびます」という映画カウンセリングや、
目覚めた瞬間に思いついた映画を毎朝インスタグラムに投稿する「ねおきシネマ」など、
大胆かつ自由な発想で映画の楽しさを伝えている。
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