いろいろありすぎた2020年も終わり、
心機一転、新しい1年のスタートです。
2021。
新年あけましておめでとうございます。
キノ・イグルーの有坂です。
みなさん、お正月はゆっくり過ごされているでしょうか?
おせちは食べましたか?お雑煮は?年越しそばは?
おいしいものを食べながら、のんびりできる時間が何とこうも愛おしいのか。
そう感じている方、今年は特に多いのではないでしょうか。
ここで、2021年の映画界を考えてみたいと思います。
昨年公開延期になった『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』や
『トップガン マーヴェリック』などが公開されることもあり、
作品が充実するように思われがちなのですが、
じつは、コロナの影響が出るのは今年だと言われています。
それは、海外の映画製作が軒並みストップしているから。
そして、そのしわ寄せは映画館へと来るわけです。
特にハリウッド大作などを扱う大型のシネコンに。
空白になってしまったスケジュールを、どのように埋めるのか?
旧作映画のリバイバルや特集上映でしのぐ?
それとも『カメラを止めるな!』のような若手にチャンスを与える?
はたまた、新しい映画上映の形を探ってみる?
配給会社からの作品供給が途絶えた"映画館側"からの自発的なアクション。
この動きこそが、2021年映画界の注目ポイントになると思われます。
ぜひ、みなさんご注目を。
そんな中、世界に先駆けて、稼働を始めた日本の映画界。
もしかしたら、今年は例年以上の数の日本映画が観られるかもしれません。
個人的に注目しているのは、2月26日に公開予定の『あのこは貴族』。
門脇麦と水原希子が共演する人間ドラマで、原作は山内マリコ。
ぼくもまだ観られていませんが、情報を集めただけでも期待が持てます。
ということで、今回はちょっと趣向を変えて、
2021年期待の1本『あのこは貴族』をご紹介したいと思います。
まずは、ストーリーからどうぞ。
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東京に生まれ、箱入り娘として何不自由なく成長し、
「結婚=幸せ」と信じて疑わない華子。
20代後半になり、結婚を考えていた恋人に振られ、
初めて人生の岐路に立たされる。
あらゆる手立てを使い、お相手探しに奔走した結果、
ハンサムで良家の生まれである弁護士・幸一郎と出会う。
幸一郎との結婚が決まり、順風満帆に思えたのだが…。
一方、東京で働く美紀は富山生まれ。
猛勉強の末に名門大学に入学し上京したが、
学費が続かず、夜の世界で働くも中退。
仕事にやりがいを感じているわけでもなく、
都会にしがみつく意味を見いだせずにいた。
幸一郎との大学の同期生であったことで、
同じ東京で暮らしながら、別世界に生きる華子と出会うことになる。
2人の人生が交錯した時、それぞれに思いもよらない世界が拓けていく―
***
本作の注目ポイントは3つあります。
①監督、②ジャンル、③ビジュアル。
ひとつずつ紹介しますね。
まずは監督が、岨手由貴子であるということ。
彼女のデビュー作『グッド・ストライプス』は、
当時、飛ぶ鳥を落とす勢いだった菊池亜希子を主演に迎え、
さらに"オリジナル脚本"で商業映画デビューという驚きがありました。
音楽は宮内優里が担当し、劇中のバンドヴォーカルはSugar Me、
主題歌は大橋トリオというキャスティングだけとっても、
そのセンスが気になる存在です。
ふたつ目のポイントは、
新しい時代の女性像として注目を集める"シスターフッドムービー"であること。
このジャンルに関しては、『ハスラーズ』や
『ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー』など、
現在ハリウッドで最も花形ジャンルのひとつです。
日本人で作ると、どうなるのでしょうか
最後3つ目は、ビジュアルです。
ここで使用しているもの以外に、イラストメインのビジュアルがありまして、
これが部屋に飾りたくなるほど素敵なのです。
担当したのは、イラストレーターの塩川いづみ。
こればっかりはモノを見てもらわないとわからないので、検索してみてください。
映画館で見つけて、ハッとしました。
以上となります。
ぼくはこの3つのポイントから、
『あのこは貴族』の公開が、いまから待ち遠しくて仕方がないのです。
未来に楽しみがあるって、いいですね。
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『あのこは貴族』
配給:東京テアトル/バンダイナムコアーツ
2021年2月26日(金)より全国公開
公式サイト:anokohakizoku-movie.com
公式Twitter:@aristocrats0226
公式Instagram:aristocrats0226
©山内マリコ/集英社・『あのこは貴族』製作委員会
映画選定・執筆
キノ・イグルー
有坂塁
東京を拠点に全国のカフェ、パン屋、酒蔵、美術館、 無人島などで、世界各国の映画を上映している。
さらに「あなたのために映画をえらびます」という映画カウンセリングや、
目覚めた瞬間に思いついた映画を毎朝インスタグラムに投稿する「ねおきシネマ」など、
大胆かつ自由な発想で映画の楽しさを伝えている。
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