すべてはここから始まった。
なんて、つい大げさに書きたくなりますが、
映画『グーニーズ』は、何を隠そう僕の記念すべき人生1本目!
初鑑賞作品となります。
それは小学校2年生、7歳のとき。
場所は、銀座の映画館でした。
仲のいい四家族が集まり、10人以上でワイワイと。
まるで遠足気分。
"豊か"という言葉でしか表現できないその時間は、
40年近くたった今でも脳裏に焼き付いているほど、充実したものでした。
近所の待ち合わせ場所の雰囲気から、電車での移動時間、
劇場の扉を開けて「席、どこにするー!」なんて叫んだことまでもが、
(当時はまだ自由席だったのです)
昨日ことのように思い出せます。
何と幸せな映画館デビューだったんだろう。
そんな最高の雰囲気の中、僕は『グーニーズ』を鑑賞することとなったのです。
監督は、『スーパーマン』のリチャード・ドナー。
脚本は、『ホーム・アローン』の監督でもあるクリス・コロンバス。
スティーヴン・スピルバーグが設立したアンブリン・エンターテインメントによる
キッズ・アドベンチャーの傑作になります。
まずは、内容からご確認ください。
***
アメリカ・オレゴン州の港町アストリア。
マイキーと兄のブランド、スペイン語が出来るマウス、
ドジなチャンク、発明家のデータ。
自らを「グーニーズ」と呼ぶ少年たちは、ある日、屋根裏で古い地図を発見。
そこには17世紀の海賊「片目のウィリー」の財宝のありかが記されているらしい。
彼らは早速、宝探しの冒険に挑む!
***
あぁ。この短い紹介文だけでも心が躍る!
そしてシンディ・ローパーの曲が頭の中を駆け巡ったのは、
きっと僕だけではないはずです。
(ちなみに彼女は大の親日家。御忍びで1人で来日しては
新幹線に乗って缶ビール片手に日本の景色を眺めるのが好きなのだとか)
あらためて。
この映画がうまいなぁーと感じたのは、
子供心をくすぐるキーワードが各所に散りばめられているところ。
やっぱりここが大きなポイントだなと思います。
たとえば、こんなワード。
・親友同士で、グループ「グーニーズ」を結成する。
・伝説の大海賊「片目のウィリー」。
・屋根裏部屋で、宝の地図を発見。
・ギャング「フラッテリー一家」の隠れアジト。
・地下への秘密の入り口を発見、その先に広がる大きな洞窟。
・曲がりくねったトンネルや、罠だらけの地底空間。
どうです?
この言葉だけでも、冒険心をくすぐられませんか?
さすがは、『ハリー・ポッター』『ナイト・ミュージアム』も手がけたクリス・コロンバス。
わかってらっしゃる!
それに加えて、名場面もたくさん!
中でも"チャンクの腹おどり"は、
一度観たら忘れることのできない本作屈指の名シーン。
必死な顔と、ゆれるお腹。
当時の映画館は大爆笑でした。
そして『グーニーズ』が、長年にわたってここまで愛されている秘密も、
やはりこの"笑い"の要素にあると思うのです。
悪役であるフラッテリー一家さえも、
凶悪一辺倒ではなく、ドジで、コミカルで。
めくるめく大冒険にハラハラドキドキしながらも、
映画全体が"笑い"に包み込まれている安心感のおかげで、
子供たちは冒険の旅に身を委ねられるのかもしれません。
ワクワクと冒険と勇気と友情。
子供ががんばる映画って、どうしてこうも胸をつかむのでしょうね。
ぜひ機会があれば、ご家族みんなでご覧になってみてください。
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『グーニーズ』
Blu-ray 2,619円(税込)
特別版DVD 1,572円(税込)
デジタル配信中
発売元:ワーナー・ブラザース ホームエンターテイメント
販売元:NBCユニバーサル・エンターテイメント
©1985 Warner Bros. Entertainment Inc. All rights reserved.
映画選定・執筆
キノ・イグルー
有坂塁
東京を拠点に全国のカフェ、パン屋、酒蔵、美術館、 無人島などで、世界各国の映画を上映している。
さらに「あなたのために映画をえらびます」という映画カウンセリングや、
目覚めた瞬間に思いついた映画を毎朝インスタグラムに投稿する「ねおきシネマ」など、
大胆かつ自由な発想で映画の楽しさを伝えている。
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