「ごめんね、映画観てた。」
って魔法の言葉かも、です。
LINEや電話で連絡のつかない相手から、
「気づかなかった」と言われるとムムーとなりますが、
「映画を観てた」だと、なぜだかほっこりした気持ちになり、
イライラが冷める。
ああ、その間、いい時間を過ごせてたんだなあ、と思えるからでしょうか。
だって。
僕がひとりセカセカしていたときに、
相手は『ショーシャンクの空に』から生きる希望をもらい、
『ザ・マジックアワー』で笑い転げ、
『タレンタイム』で人生観が変わっちゃったかもしれないわけです。
それに比べれば、モヤモヤなんて、小さなもの。
気にしない、気にしない、でいい。
だから。
もっとたくさん映画を観て、
みんな堂々と電源を切ってしまえばいいと思います。
人と繋がっていることが前提の時代で、
無意識のストレスも相当あるはず。
心のバランスを保つためにも、オフラインの時間を増やすこと。
そのために映画を使い、心に潤いを与える。
日々、育児をされている方も、旦那さんに子どもを預け、
2時間ばかり外出してもらう。そして、電源を切る。
誰のためでもない自分だけの時間を確保して、映画を楽しみましょう。
そこで観る作品は、ぜひ『パディントン』で!
かわいさにほっと出来るだけでなく、ワクワク感まで味わえるので、
とってもオススメなんです。
長年世界中で愛されている、
マイケル・ボンドの児童文学「くまのパディントン」の実写映画化。
ストーリーは、こんな感じです。
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真っ赤な帽子をかぶった小さな熊が、
ペルーのジャングルの奥地からはるばるイギリスのロンドンへやってきた。
家を探し求める彼は、親切なブラウンさん一家に出会い、
「パディントン」と名付けられる。
ブラウンさんの家の屋根裏に泊めてもらうことになったパディントンは、
早速家を探し始めるが、初めての都会暮らしは毎日がドタバタの連続で…
***
英国紳士なパディントン。
その設定からしてほっこりしますが、物語の展開はちょっと意外です。
一瞬たりとも退屈させないスピード感と、
声を出して笑える小ネタのオンパレード!
じつはこう見えて、極上のエンタメ作品のような仕上がりとなっているのです。
「とにかく観客を喜ばせたい!」という作り手の真っ直ぐな思いは、
どこか『ホームアローン』にも通じる好感度の高さ。
と同時に、
ポートベローマーケットや自然史博物館といったロンドンの名所や、
真っ赤なバス、機関車で運ばれてくるアフタヌーンティーなど、
イギリス好きの人がうれしくなる要素もたくさんあって。
さらに、隠し味として『インディ・ジョーンズ』や
『ミッション・インポッシブル』のパロディまで盛り込まれているという、
楽しい要素のてんこ盛り。
伏線だって、しっかり回収されます。
そしてこの作品を観ておけば、
3年後に作られた『パディントン2』のラストにも、
ものすごーく感動できると思うので、合わせてぜひ。
95分+105分。
2作合わせて3時間20分と、ちょっと長め。
でも、もし何か言われたら、
「ごめんね、映画観てた。」って言えばいいです。
ぜひ。
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『パディントン』
【期間限定価格版】ブルーレイ&DVD発売中
ブルーレイ:¥2,750 (税込)
DVD:¥1,980 (税込)
発売元:株式会社キノフィルムズ/木下グループ
販売元:ポニーキャニオン
A STUDIOCANAL RELEASE (C)2014 STUDIOCANAL S.A. TF1 FILMS PRODUCTION S.A.S. PADDINGTON BEARTM, PADDINGTONTM
AND PBTM ARE TRADEMARKS OF PADDINGTON AND COMPANY LIMITED
映画選定・執筆
キノ・イグルー
有坂塁
東京を拠点に全国のカフェ、パン屋、酒蔵、美術館、 無人島などで、世界各国の映画を上映している。
さらに「あなたのために映画をえらびます」という映画カウンセリングや、
目覚めた瞬間に思いついた映画を毎朝インスタグラムに投稿する「ねおきシネマ」など、
大胆かつ自由な発想で映画の楽しさを伝えている。
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