ハッピーな人が作る作品というのは、やはりハッピーなもので。
1961年、ジャン=リュック・ゴダールは、アンナ・カリーナとの結婚直前に、フランス史上最高のミュージカルコメディ『女は女である』を作ります。とにかくアンナのことが好きで好きでたまらないゴダールは、彼女のふとした仕草や表情などを見事に切り取り、彼女の魅力を映像化していきます。
髪型やファッションなどのビジュアルイメージも徹底的に作り込み、特に色彩は"赤・白・青"というトリコロールを基調にスタイリングするというこだわりよう(これはデンマーク出身の彼女をフランス女優として印象付けるための戦略だと思われます)。
フェイクファーの付いた青いドレス、白いステンカラーコート、原色のカラータイツなど、おしゃれな洋服がファッションショーを見ているかのごとく次々登場します。中でも、丸首の赤いカーディガン+ペンシル・スカート+赤いタイツというコーディネートは最強。ぼくが女子なら絶対真似してます。
そしてこれらの服はすべて、ブランド品ではなくモノプリという安いスーパーで調達したのだそう。しかもスタイリストを入れず、監督自らが選んでいるというから驚きです。やはりゴダールのセンスは素晴らしい。いや、愛のなせるわざなのでしょうか。
配色や小物使いなど、ぜひファッションの参考にしてみてくださいね。
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『女は女である』
DVD 4,800円+税
発売元:シネマクガフィン
販売元:紀伊國屋書店
©1961 STUDIOCANAL - Euro International Films S.p.A.
映画選定・執筆
キノ・イグルー
有坂塁
東京を拠点に全国のカフェ、パン屋、酒蔵、美術館、 無人島などで、世界各国の映画を上映している。
さらに「あなたのために映画をえらびます」という映画カウンセリングや、
目覚めた瞬間に思いついた映画を毎朝インスタグラムに投稿する「ねおきシネマ」など、
大胆かつ自由な発想で映画の楽しさを伝えている。
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