キノ・イグルーの週末シネマ​ no.16
旅するジーンズと16歳の夏|映画に学ぶ可愛いデニムの履きこなのカバー画像

旅するジーンズと16歳の夏|映画に学ぶ可愛いデニムの履きこなし

文:キノ・イグルー 有坂塁

旅するジーンズと16歳の夏|監督:ケン・クワピス(2005年・アメリカ)

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2017年10月06日作成



こんな難しいお題って、あるでしょうか。

いままでで一番の難題です。


ぼくはファッションの人でもないし、

洋服の着こなしというのは、

それぞれの個性を生かしているからこそ面白い、

と思っているタイプ。

でもそんなことをぐるぐる考えていたとき、

ふと、

不思議なジーンズのお話があったことを思い出しました。


『旅するジーンズと16歳の夏』。


もしかしたら今回の問いに対して、

これは"ベストの1本"かもしれません。


こんなお話です。


***


アメリカのメリーランド州で暮らす4人は

16年来の大親友。

母親同士がマタニティ教室で知り合ったのがきっかけで、

生まれた時から一緒の4人は、

幼い頃から喜びも悲しみも分かち合ってきた。

そんな4人も16歳という思春期を迎え、

今年の夏休みは初めて離れて過ごすことになる。


旅立ちの前。

古着屋に入った4人は、そこで体型の違う彼女たちに

なぜかフィットする不思議なジーンズを見つける。

4人はこのジーンズに奇跡を感じ、

これを一週間交代で使用するジーンズ同盟を結成して、

細かい規則を決めるのです…


***


そう、本作は体型もキャラクターも違う4人に

フィットするジーンズが登場し、

それぞれの個性を豊かに表現しています。


そしてここがポイントだと思うのですが、

この魔法のジーンズを、

彼女たち4人のストーリーをつなぐ小道具として、

友情のメタファーとして、

さりげなく使っているところが、

とても良いのです。

ファンタジーではなく、日常に寄り添っている。


"ベストの1本かもしれない"と書いたのも、

履きこなしの参考になるだけでなく、大きな意味で、

ジーンズそのものを肯定しているような作品だから。


本作を鑑賞する際はぜひ、

お気に入りのジーンズを履きながらどうぞ。

これもある種の「4D上映」。


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『旅するジーンズと16歳の夏/トラベリング・パンツ 特別版』
DVD 1,429円+税
ワーナー・ブラザース ホームエンターテイメント

映画選定・執筆

有坂塁
キノ・イグルー 
有坂塁
キノ・イグルーは、2003年に有坂塁が渡辺順也とともに設立した移動映画館。
東京を拠点に全国のカフェ、パン屋、酒蔵、美術館、 無人島などで、世界各国の映画を上映している。
さらに「あなたのために映画をえらびます」という映画カウンセリングや、
目覚めた瞬間に思いついた映画を毎朝インスタグラムに投稿する「ねおきシネマ」など、
大胆かつ自由な発想で映画の楽しさを伝えている。
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