「わたしもイベントをやってみたいんです」
そんな話をされることが、よくあります。
とくに最近。
音楽、雑貨、スイーツ。映画も上映したい!
彼女たちは目をキラキラさせながら、その小さな夢を語ってくれます。
そしてつづけて
「でも、やり方がわからないんです。まあいつかやれたら」
と口を揃えて言うのです。
それはモッタイナイ。
すでに心のスイッチが入っているというのに。
とにかく大事なのは、ノウハウなどではなく"心の鮮度"です。
花に水をあげるように、ワクワクした瞬間、行動で答えてあげる。
その繰り返しさえあれば、何歳になったって、
心はすくすく育っていくのですから。
ということで、
ぼくはことあるごとに、プライベートイベントを推奨しています。
何はともあれ、まずは始めてみる。
誰かの家を使ったイベントごっこで、いいんです。
その"ごっこ"をどれだけ本気で「イベント化」できるか。
ぼくはかつて、
こんなプライベートイベントをやったことがあります。
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◆トム・クルーズの夜
映画:トム2本立て『卒業白書』(1983)、『ザ・エージェント』(1996)
食事:トム丼(ベジタリアンのトムが好きそうな妄想どんぶり)
音楽:トムのサントラ(『トップガン』と『ミッション:インポッシブル』を無限ループ!)
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企画内容がいまと変わらず、何ともお恥ずかしい限りですが、
友人しか呼ばないイベントなのに
チラシまで作るという熱の入れようでした。
でも、楽しそうでしょ?
今回ご紹介する『ジェイン・オースティンの読書会』は、
そんなプライベートイベントそのものを映画にした
世にもめずらしいタイプの作品です。
こんな内容になっています。
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離婚歴6回の女性バーナデットは、
愛犬を失った友人のジョスリンを励まそうと、
オースティンの読書会を企画する。
彼女は「オースティンは、人生の最高の解毒剤だ」と
常々、考えていたからだ。
ジョスリンの親友シルヴィアも、
ちょうど夫から「他に好きな人ができた」と告げられ
窮地に陥っていたので声をかける。
ジェイン・オースティンの長編小説は6冊。
読書会では1冊ごとにリーダーが必要となるので、あと3人。
まずは、趣味の合わない夫より教え子にときめいているフランス語教師のプルーディー。
そして恋多きシルヴィアの娘、アレグラ。
最後は唯一の男性にしてオースティン初体験の青年、グリッグ。
メンバーも揃い、ようやく読書会が始まるが、
それぞれの想いが絡み合い、思わぬ結末にたどり着いていく…
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どうです?
やっぱり設定自体が魅力的ですよね。
共通の話題で盛り上がれることはもちろん、
同じ作品でも、読む人の性格や見方で捉え方が変わるため、
さまざまな気付きを得ることもできる。
知的満足度が高いんです。
さらに参加者と親しくなっていくほどに、近況報告をしたり、
日常の悩みなども聞いてもらえる
コミュニティスペース的な役割まで出てくる。
もう、いいことづくしなのです。
彼らは行き詰まったときでさえ、
"ジェインだったらどうするだろう?"と考えるほどの熱狂的なファン。
もしあなたがジェイン好きだったら、
自分も読書会に参加している錯覚に陥れるほど、
たくさんの小ネタで楽しませてもらえますので、ご期待ください。
気の合うメンバーでご飯を食べるのもいいですが、
ときには、企画性のある内容で集まるのも乙なものです。
あなただったら、どんな企画をたてるでしょうか。
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『ジェイン・オースティンの読書会 コレクターズ・エディション』
DVD 1,410円(税抜)
発売中
発売・販売元:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
映画選定・執筆
キノ・イグルー
有坂塁
東京を拠点に全国のカフェ、パン屋、酒蔵、美術館、 無人島などで、世界各国の映画を上映している。
さらに「あなたのために映画をえらびます」という映画カウンセリングや、
目覚めた瞬間に思いついた映画を毎朝インスタグラムに投稿する「ねおきシネマ」など、
大胆かつ自由な発想で映画の楽しさを伝えている。
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