キノ・イグルーの週末シネマ​ no.233
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最強のふたり|自分に1番大切なものってなんだろう自分自身を取り戻す映画

文:キノ・イグルー 有坂塁

最強のふたり|監督:エリック・トレダノ、オリヴィエ・ナカシュ(2011年・フランス)

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2021年12月03日作成



早いもので、もう12月。

師走です。

みなさん、いかがお過ごしでしょうか?

すでにクリスマスやお正月の準備など始められているのでしょうか。


僕はというと、年内にいくつかイベントが控えていることに加え、

来年に向けた未知のプロジェクトが始動したため、

その準備などに明け暮れた日々を過ごしております。

(もちろん、映画館に通いながら)


来年以降、いろいろと動き始めそう!

そんな嬉しい予感に満ちた年末となっております。


さて。


"一年の計は元旦にあり"という言葉があるように、

年始を清々しく迎えるためにも、

12月は思いをめぐらせ、振り返る時期かと思います。


もし「2022年こそは、一度きりの人生、自分らしく生きてみたい!」

そうお考えの方がいらっしゃったら、

どうぞ、今すぐにこの映画をご覧ください。


大富豪とスラムの黒人青年との友情を描いたヒューマンコメディ『最強のふたり』。

きっと物語を通して、自らの"本質"と向き合えるはずです。


ストーリーは、このような感じとなっています。


***


パリの豪邸に住む大富豪フィリップは、事故で首から下が麻痺状態に。

他人の同情にウンザリしていた彼は、フザケた理由で介護者選びの面接に訪れた、

スラム街出身の黒人青年ドリスを採用する。

その日から正反対のふたりの衝突が始まるが、

偽善を憎み本音で生きる姿勢は同じだった。

互いを受け入れ始めたふたりの毎日は、

ワクワクする冒険に変わり、ユーモアに富んだ最強の友情が生まれていく…


***


決して同情をしない。

魂でぶつかり、響き合うふたり。


いくつであろうと、どんな立場であろうと、

人間は他者と関わることで人生に色が増えていきます。


優しさとは何なのか

障がい者とは何なのか


人生には、さまざま生き方があって、

それぞれでしかわからない楽しみ方がある。


そんな人生の"本質"的なことを、

この映画は、楽しく教えてくれます。


そう、ここがとっても大事。

「楽しく」。


まさかのカーアクションから始まるオープニング。

ここで流れる曲が、みんな大好きな

アース・ウィンド・アンド・ファイアーの「September」なんです。

最高でしょ?笑

もし別の曲だったら、映画のトーンはまるっきり違ったものになったでしょう。


そんな身分も性格も、何もかもが違うふたりが織りなす友情物語は、

なんと!実話がベースとなっています。

実在の人物であるフィリップ・ポゾ・ディ・ボルゴが、

自身や介護人とのことを綴った本

「Le Second Souffle(第二の呼吸)」(2001) が話題となり、

のちにドキュメンタリーが製作され、それを受けて本作が作られたのだとか。


結果的に本作は、大ヒット!

フランスでは歴代観客動員数で第3位、

フランス映画のみに限ると歴代2位という

大記録を打ち立てることになったのです。


コミカルで、あったかくなれて、きれいな涙を流せる。

そんな"最強"な1本を通して、

自分自身を取り戻してみてはいかがでしょうか?


************************************************
『最強のふたり』
DVD 1,257円(税込)
Blu-ray 2,200円(税込)
発売・販売元:ギャガ
©2011 SPLENDIDO/GAUMONT/TF1 FILMS PRODUCTION/TEN FILMS/CHAOCORP

映画選定・執筆

有坂塁
キノ・イグルー 
有坂塁
キノ・イグルーは、2003年に有坂塁が渡辺順也とともに設立した移動映画館。
東京を拠点に全国のカフェ、パン屋、酒蔵、美術館、 無人島などで、世界各国の映画を上映している。
さらに「あなたのために映画をえらびます」という映画カウンセリングや、
目覚めた瞬間に思いついた映画を毎朝インスタグラムに投稿する「ねおきシネマ」など、
大胆かつ自由な発想で映画の楽しさを伝えている。
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