「仕事だからしょうがない」と話す人がいますが、
個人的にこの言葉、とても苦手です。
なくなってくれないかなぁとさえ、願っていたりします。
"心"に理屈で蓋をすることへの違和感。
心が叫んでいるのに「大丈夫」と言い聞かせるなんて、
やっぱり不自然すぎます。
しかもそのワードを言ってしまうことで、
自らの可能性さえも摘んでしまっているように見えてくる。
心はコウノトリと同じで、幸せを運んで来てくれる存在です
(直感やセレンディピティのように)
せっかく来てくれたのなら、よしよしと可愛がり、
なにかおいしいものでも与えてあげましょう。
大いに甘やかすことで、心はさらに育ちます。
今回はそんな時に観てもらいたい甘~い映画ということで、
『プーと大人になった僕』を選んだのですが、
たったいま、あることに気づきました。
かわいいだけで選んだのに、その癒し系としての魅力だけでなく、
内容までもがドンピシャだったな、と。
だって、こんな物語になっているのですから。
***
親友のくまのプーや仲間たちと別れてから長い年月が経ち、
大人になったクリストファー・ロビンは、 日々仕事に追われ、
会社から託された難題と一緒に
時間を過ごせない家族との問題に悩んでいた。
そんなクリストファーの前に突然現れたプー。
久々の再会に、喜びと懐かしい日々を感じながらも、
また仕事に戻らなければならないクリストファーに、
「仕事って、ぼくの赤い風船より大事なの?」とプーは問いかける。
彼が忘れてしまった本当に「大切なモノ」を届けるために、
プーと仲間たちは100エーカーの森を飛び出し、
彼が家族と住むロンドンに向うのだが…
***
そう、冒頭に記した「仕事だからしょうがない」を地でいく男こそが、
ユアン・マクレガー演じるクリストファー・ロビン。
彼は仕事しごとの毎日を言い訳に、
家族との時間を疎かにしてしまっているのですが、
それを見兼ねたプーさんはゆるキャラとは思えない、
深イイ話をしていきます。
「行ったことのないところへ進まなきゃ」
「君と過ごす日は、どんな日でも僕の大好きな日だよ。
だから今日は僕のあたらしいお気に入り」
なかでも心に響いたのは、
「"なにもしない" は最高の何かにつながるよ」
そして、
「みんなはなにもしないのは不可能だっていうけど、
僕は毎日やってる"なにもしない"を」と。
そう、『プーと大人になった僕』は、
ただのかわいい童話というだけではなく、
仕事に疲れた大人を癒してくれるファンタジーでもあるのです。
最近お疲れ気味のあなた、
がんばった1日のシメに、プーさんなんていかがでしょう?
そのときは、はちみつトーストのご用意もお忘れなく。
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『プーと大人になった僕』
MovieNEX 4,200円+税
発売中、デジタル配信中
(C) 2019 Disney
http://disney.jp/pooh-boku
映画選定・執筆
キノ・イグルー
有坂塁
東京を拠点に全国のカフェ、パン屋、酒蔵、美術館、 無人島などで、世界各国の映画を上映している。
さらに「あなたのために映画をえらびます」という映画カウンセリングや、
目覚めた瞬間に思いついた映画を毎朝インスタグラムに投稿する「ねおきシネマ」など、
大胆かつ自由な発想で映画の楽しさを伝えている。
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