キノ・イグルーの週末シネマ​ no.107
プーと大人になった僕|頑張った1日のシメはこちらほどよく甘い“デザート”ムービのカバー画像

プーと大人になった僕|頑張った1日のシメはこちらほどよく甘い“デザート”ムービー

文:キノ・イグルー 有坂塁

プーと大人になった僕|監督:マーク・フォースター(2018年・アメリカ)

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2019年07月05日作成



「仕事だからしょうがない」と話す人がいますが、

個人的にこの言葉、とても苦手です。

なくなってくれないかなぁとさえ、願っていたりします。


"心"に理屈で蓋をすることへの違和感。

心が叫んでいるのに「大丈夫」と言い聞かせるなんて、

やっぱり不自然すぎます。

しかもそのワードを言ってしまうことで、

自らの可能性さえも摘んでしまっているように見えてくる。


心はコウノトリと同じで、幸せを運んで来てくれる存在です

(直感やセレンディピティのように)

せっかく来てくれたのなら、よしよしと可愛がり、

なにかおいしいものでも与えてあげましょう。

大いに甘やかすことで、心はさらに育ちます。


今回はそんな時に観てもらいたい甘~い映画ということで、

『プーと大人になった僕』を選んだのですが、

たったいま、あることに気づきました。

かわいいだけで選んだのに、その癒し系としての魅力だけでなく、

内容までもがドンピシャだったな、と。

だって、こんな物語になっているのですから。


***


親友のくまのプーや仲間たちと別れてから長い年月が経ち、

大人になったクリストファー・ロビンは、 日々仕事に追われ、

会社から託された難題と一緒に

時間を過ごせない家族との問題に悩んでいた。

そんなクリストファーの前に突然現れたプー。

久々の再会に、喜びと懐かしい日々を感じながらも、

また仕事に戻らなければならないクリストファーに、

「仕事って、ぼくの赤い風船より大事なの?」とプーは問いかける。

彼が忘れてしまった本当に「大切なモノ」を届けるために、

プーと仲間たちは100エーカーの森を飛び出し、

彼が家族と住むロンドンに向うのだが…


***


そう、冒頭に記した「仕事だからしょうがない」を地でいく男こそが、

ユアン・マクレガー演じるクリストファー・ロビン。

彼は仕事しごとの毎日を言い訳に、

家族との時間を疎かにしてしまっているのですが、

それを見兼ねたプーさんはゆるキャラとは思えない、

深イイ話をしていきます。


「行ったことのないところへ進まなきゃ」

「君と過ごす日は、どんな日でも僕の大好きな日だよ。
 
 だから今日は僕のあたらしいお気に入り」


なかでも心に響いたのは、

「"なにもしない" は最高の何かにつながるよ」

そして、

「みんなはなにもしないのは不可能だっていうけど、

 僕は毎日やってる"なにもしない"を」と。


そう、『プーと大人になった僕』は、

ただのかわいい童話というだけではなく、

仕事に疲れた大人を癒してくれるファンタジーでもあるのです。


最近お疲れ気味のあなた、

がんばった1日のシメに、プーさんなんていかがでしょう?

そのときは、はちみつトーストのご用意もお忘れなく。


************************************************
『プーと大人になった僕』
MovieNEX 4,200円+税
発売中、デジタル配信中
(C) 2019 Disney
http://disney.jp/pooh-boku

映画選定・執筆

有坂塁
キノ・イグルー 
有坂塁
キノ・イグルーは、2003年に有坂塁が渡辺順也とともに設立した移動映画館。
東京を拠点に全国のカフェ、パン屋、酒蔵、美術館、 無人島などで、世界各国の映画を上映している。
さらに「あなたのために映画をえらびます」という映画カウンセリングや、
目覚めた瞬間に思いついた映画を毎朝インスタグラムに投稿する「ねおきシネマ」など、
大胆かつ自由な発想で映画の楽しさを伝えている。
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