キノ・イグルーの週末シネマ​ no.6
ビフォア・サンライズ 恋人までの距離 <ディスタンス>|どこか遠くにいきたいな。旅心が目覚める映のカバー画像

ビフォア・サンライズ 恋人までの距離 <ディスタンス>|どこか遠くにいきたいな。旅心が目覚める映画

文:キノ・イグルー 有坂塁

ビフォア・サンライズ 恋人までの距離 <ディスタンス>|監督:リチャード・リンクレイター (1995年・アメリカ)

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2017年07月28日作成


もしかしたら。


この作品を観たあなたは、いてもたってもいられず、
今すぐ、ウィーンへ旅立ってしまうのかもしれません。


『ビフォア・サンライズ』という作品は、
それほどまでに、観ている人の旅心を目覚めさせてくれる、
特別な力をもった1本なのです。


「セリーヌはソルボンヌ大学で文学を専攻するパリジェンヌ。
祖母の見舞いの帰り、ブダペストからパリに向かうユーロトレインの中で若いアメリカ人の新聞記者ジェシーに出会う。

列車のレストランでふたりは、自分のこと、仕事のこと、
幼い日の思い出のことなど、果てしない会話が続いた。
ジェシーの降りるウィーンの駅に着いても、2人の会話はまだ終わらなかった。別れたくない。もっと話していたい。

そんな気持ちをジェシーは素直に言う。
"明日の朝まで14時間。一緒にウィーンの街を歩かないか?"」


こんなロマンティックな物語、あるでしょうか。
でも、このふわふわしたエアポケットのような時間が、
のちにふたりの人生に大きな影響を及ぼすことになるのです。


そして途中下車したウィーンの風景は、何から何までもがキラキラと輝いています。


教会近くの小さなカフェや街中を走るトラム、公園の大観覧車、
レコード店、水上レストラン、レトロなバー。


リチャード・リンクレイターが、ウィーンに惚れ込んでいるその気持ちが、その喜びが、その愛情が観ているこちらにも伝わってきます。


そしてこの美しい物語は、ウィーンの夜明けでは終わらず、夕暮れのパリ、ギリシャの美しい港町へと、さらに続いていくのです。


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『ビフォア・サンライズ 恋人までの距離 <ディスタンス>』
DVD 1,429円+税
販売元:ワーナー・ブラザース ホームエンターテイメント

映画選定・執筆

有坂塁
キノ・イグルー 
有坂塁
キノ・イグルーは、2003年に有坂塁が渡辺順也とともに設立した移動映画館。
東京を拠点に全国のカフェ、パン屋、酒蔵、美術館、 無人島などで、世界各国の映画を上映している。
さらに「あなたのために映画をえらびます」という映画カウンセリングや、
目覚めた瞬間に思いついた映画を毎朝インスタグラムに投稿する「ねおきシネマ」など、
大胆かつ自由な発想で映画の楽しさを伝えている。
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