ここ数年、よく耳にする「GAFA」(ガーファ)という言葉、
みなさんご存知でしょうか?
アメリカの大手IT企業、
グーグル、アマゾン、フェイスブック、アップルの
4社の頭文字を並べたものですが、
最近のニュースなどでは解説も加えられず使用されているので、
定着したということなのでしょうか。
先月28日、フェイスブック社は社名を変更すると発表。
その名は、「Meta」。
AR(拡張現実)やVR(仮想現実)の端末を使って、
人々とつながれるデジタル空間「メタバース」を
事業の柱に据えるための変更だそうです。
(ではGAFAではなく、GAMAに??)
一大帝国を築いてなお、
成長を諦めないようとしないマーク・ザッカーバーグCEO。
その野心には頭が下がるばかりですが、
そもそも彼自身、どのようなステップを踏み、現在の地位をつかんだのか。
そこを紐解くのにもってこいな1本が『ソーシャル・ネットワーク』です。
世界最大のソーシャルネットワーキングサイト(現在も!)の創設者の半生を、
『セブン』『ファイト・クラブ』の鬼才デビッド・フィンチャーが映画化!
ということでも、当時話題をさらった1作。
まずは、内容からご確認ください。
***
2003年。
ハーバード大学に通う19歳の学生マーク・ザッカーバーグは、
親友のエドゥアルドとともにある計画を立てる。
それは友達を増やすため、大学内の出来事を自由に語りあえるサイトを作ろうというもの。
閉ざされた"ハーバード"というエリート階級社会で
「自分をみくびった女子学生を振り向かせたい」―
そんな若者らしい動機から始まった小さな計画は、
いつしか彼らを時代の寵児へと押し上げてゆく。
若き億万長者は何を手に入れ、そして何を失うのだろうか―?
***
いまだに日本では大学は必ず卒業するもの、という意識が根強いですが、
海外ではビル・ゲイツやスティーブ・ジョブズを始め、
能力の高い人ほど在学中に起業をし、
両立が困難であれば中退やむなし、
といった空気が当たり前のように流れています。
彼らに習ったかどうかはわかりませんが、
ザッカーバーグも湧き上がったアイデアを瞬時にかたちにするため、
学生時代に起業しました。
鉄は熱いうちに打て。
好機逸すべからず。
食べ物に旬があるように、気持ちやアイデアにも鮮度があります。
リスクを軽減してから起業したくなる気持ちもわかりますが、
それによって120%の可能性があったチャンスを
半減させてしまうようでは本末転倒です。
ある種の大胆さを持ち合わせることが、
起業を成功させるための大きなポイントだということを、
映画『ソーシャル・ネットワーク』は教えてくれます。
そして自尊心を傷つけられたことが、
彼の果てしないモチベーションにつながったという事実も。
僕は本作を2011年・外国映画ベスト1に選出しました。
見終えた直後に決定。即決でした。
その魅力は、何といっても圧倒的なスピード感。
タイムラインの如く、早口でまくしたてるように喋るザッカーバーグの姿は
高速早回しのようですが、でもこのスピード感こそが
まさに『ソーシャル・ネットワーク』を取り巻く世界であり、
それを体感出来る本作は、まさに今という時代を切り取った名作なのだろうと思います。
スタートアップ界隈の人たちのバイブル。
起業のヒントとして、ぜひご覧になってみてはいかがでしょうか。
************************************************
『ソーシャル・ネットワーク』
DVD 1,551円(税込)
発売・販売元:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
映画選定・執筆
キノ・イグルー
有坂塁
東京を拠点に全国のカフェ、パン屋、酒蔵、美術館、 無人島などで、世界各国の映画を上映している。
さらに「あなたのために映画をえらびます」という映画カウンセリングや、
目覚めた瞬間に思いついた映画を毎朝インスタグラムに投稿する「ねおきシネマ」など、
大胆かつ自由な発想で映画の楽しさを伝えている。
Instagram Web Site