「そろそろ、家での生活にも飽きてきたなぁ」
という声をよく聞きます。
タブレットで映画を観ることにも、毎日ごはんを三食作ることにも、
再放送ばかりのテレビにも。
ほんとほんと、確かにそう。
いつの間にか、生活がルーティーン化してる。
感情のアップダウンもないし、時間感覚もおかしくなってる。
一週間って、こんなに早かったっけ?
そんなときは、次のフェーズに進むためにも、
流れる時間に一度くさびを打ち込んでください。
楽しいアイデアを用いて、生活に変化を加えてみてください。
例えば、映画を観るとき。
動画配信リストから「どれ観よう?」と
"ただ"選ぶのではなく、先にテーマを決めてみてください。
トム・クルーズ週間、3夜連続ウディ・アレン、
苦手な映画・克復ウィークなど、何でもいいです。
「ひとり映画祭」のようにして映画を楽しむ。
テーマを決めることから新鮮ですし、
見比べてみないとわからない新たな発見だってあるはずです。
または、"暮らし"そのものを見つめ直したい!
ここからの1ヶ月をフレッシュな気持ちで過ごしたい!
そう思っている方は、
ズバリ、こちらの映画からヒントをもらってください!
『ターシャ・テューダー 静かな水の物語』。
アメリカを代表する絵本作家のライフスタイルに迫ったこのドキュメンタリーは、
美しいコテージやお庭などの映像から、ありがたきターシャのお言葉まで、
生活を楽しむためのヒントがたくさん!
ため息が出るほど素敵な暮らし、とはまさにこのことでしょう。
内容はこんな感じになっています。
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アメリカ、バーモント州。
雪深い山奥にある、18世紀風の農家コーギコテージがあった。
まるで絵本の世界に迷い込んだようなコテージには、
コーギ犬と一緒に暖炉に温まり、絵を描く1人の女性がいた。
アメリカを代表する絵本作家、ターシャ・テューダー。
70年もの間、現役で活躍、
離婚を経験し女手ひとつで4人の子供を育てあげた後は
一人暮らしを謳歌した。
「思う通りに生きてきた」と語るその人生は、決して平坦な道のりではなかった。
そんな彼女の知られざるライフストーリーと、
多くの人々を魅了する喜びにあふれた暮らしを映し出す。
***
映像の中のターシャは、すでに91歳!
四季でいえば、長い充実した人生の、冬にさしかかっている年齢です。
しかしゆっくり休むどころか、
彼女の創造力や探究心、好奇心、遊び心は、ますます盛んに。
花が枯れたら摘み、雑草を抜く。
常に手を動かして、目の前に広がる美しい世界を、
彼女は心ゆくまで謳歌しています。
バーモント州に家を建てたのは60歳のときなので、
そこから30年もの時間をかけて、こつこつと庭造りを続けているのです。
ターシャの絵本の世界というのは、彼女にとっての夢の世界でした。
ずっと昔から持っていた夢を絵本に描き続け、
それを後から自分の力で実現したのです。
ロウソク、人形、おもちゃも、ぜんぶ手作り。
誕生日のディナーには、庭で採ったミモザやバラを飾ったり、
テーブルコーディネートも、とにかく素敵。
そんな生活に取り入れたくなるアイデアだけでなく、
喜びを分かち合うためのヒントまでたっぷり観られるわけですから、
本当にありがたい作品となっています。
美しい生き方を貫いてくれた、ターシャ・テューダーにただただ感謝です。
ここまで長期にわたる外出自粛は、今後、二度と起こらないはず。
それならば、この不思議な時間を、
ターシャのように楽しんでおかないともったいないと思うのです。
「人生は短いから不幸になっている暇なんてない」のですから。
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『ターシャ・テューダー 静かな水の物語』
Blu-ray 5,700円(税抜)
発売・販売元:KADOKAWA
映画選定・執筆
キノ・イグルー
有坂塁
東京を拠点に全国のカフェ、パン屋、酒蔵、美術館、 無人島などで、世界各国の映画を上映している。
さらに「あなたのために映画をえらびます」という映画カウンセリングや、
目覚めた瞬間に思いついた映画を毎朝インスタグラムに投稿する「ねおきシネマ」など、
大胆かつ自由な発想で映画の楽しさを伝えている。
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