暖冬と言われる今年の冬。
年が明けても15℃近い日があったりでしたが、この原稿を書いている1月下旬になって、
雪もちらつき始めました!
いよいよ待ちに待ってた"おこもりシネマ"の季節が、今年も始まります。
休日の午後、外に出ることなく映画三昧。
もちろん、おいしいものを食べながら!
これ以上の贅沢って、果たしてあるのでしょうか?
ぼくは吉祥寺在住なので、こんなフードを用意します。
まずは、言わずと知れたパン屋の名店「ダンディゾン」にて
クロワッサンとカンパーニュを購入。人気のアップルパイがあれば、そちらも一緒に。
もしその日が、水曜日か日曜日ならば、
マルイ横にキッチンカーで出店している「フツウニフルウツ」で
フルーツサンドも追加しちゃいます。全部おいしいですが、ベストはいちご。
そのまま、ぶらっと井の頭公園を散歩して、
コーヒーは「SIDEWALK STAND INOKASHIRA」でダブルのカフェラテ。
さあ、これだけ揃えば、十分です。
上映する作品は、
アカデミー賞で長編アニメ映画賞にも輝いた『カールじいさんの空飛ぶ家』。
季節に合わせたセレクトもいいのだけれど、
小さな部屋にこもりながらも世界中を大冒険!
というギャップを楽しんでもらいたい!ということで選んでみました。
こんな内容になっています。
***
78歳のカールじいさんは、最愛の妻エリーに先立たれ、
彼女との思い出が詰まった家でひとり暮らしをしていた。
幼なじみだったふたりは、冒険家チャールズ・マンツに憧れて、
彼が幻の鳥を追って消息を絶った南米の"パラダイスの滝"に、
いつか一緒に行こうと約束していた。
ある日、カールじいさんはエリーとの約束を果たすため、人生最大の決心をする。
住み慣れた家に無数の風船を結びつけ、"パラダイスの滝"を目指して大空へ!
偶然空飛ぶ家に乗り合わせた少年ラッセル、
南米で出会う不思議な犬ダグと共に、冒険の旅が始まる。
思いもよらない運命が待ち受けるとも知らずに…
***
色とりどりの風船で"家"が空を飛び立つ瞬間の光景は、
あまりに感動的で、グワーッと細胞が沸き立つような感覚を覚えます。
あるいは、「夢が叶った」と思ってしまうほど、ロマンに溢れている。
このシーンだけでも幸せなイメージとして、心に焼き付けられること間違いなしです。
さらに素晴らしいのが、カールじいさんと妻エリーの思い出を
たたみかけるようなモンタージュで描いた冒頭5分。
ここは大げさではなく、映画史に残る名場面と言ってもいいでしょう。
1本のショートムービーとして成立するほどのハイ・クオリティー。
見せ方も素敵で、のっけからから泣かされてしまうのです。
そして、カールじいさんが目指す"パラダイスの滝"にはモデルがあります。
「世界最後の秘境」と言われる、南米ベネズエラのギアナ高地にあるエンジェルフォール。
この滝は、ほぼ垂直に切り立っていて、高さはなんと、東京タワー3つ分!
もちろん、世界最大級であります。
あまりの落差から、流れでた水は途中で霧となって消えてしまうため滝壺がないのだか。
この映画には、そんな旅心を刺激してくれるようなワクワクする風景がたくさん登場します。
ちいさな部屋で、大冒険。
本作を自分の"家"で鑑賞していると、
まるでカールじいさんのように、空飛ぶ家のなかで観ているかのような臨場感が味わえます。
愛する人も住む家なら、なおのこと。
ぜひあなたもこの週末に、
「おこもりシネマ」を開催してみてはいかがでしょうか。
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『カールじいさんの空飛ぶ家』
MovieNEX 4,000円+税
発売中、デジタル配信中
(C) 2020 Disney/Pixar
https://www.disney.co.jp/studio/animation/1015.html
映画選定・執筆
キノ・イグルー
有坂塁
東京を拠点に全国のカフェ、パン屋、酒蔵、美術館、 無人島などで、世界各国の映画を上映している。
さらに「あなたのために映画をえらびます」という映画カウンセリングや、
目覚めた瞬間に思いついた映画を毎朝インスタグラムに投稿する「ねおきシネマ」など、
大胆かつ自由な発想で映画の楽しさを伝えている。
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