メリークリスマス!
と声を大にして言えないのは、本投稿のアップが12月25日だから。
当日にチェックしていただいたみなさま、誠にありがとうございます。
あらためて、メリークリスマス!!
26日以降のみなさんも、もちろん!ありがとうございます。
楽しいクリスマスをお過ごしになれたでしょうか?
ということで今回のテーマは、担当編集Kさんのお心遣いにより、
アフタークリスマスでも楽しめる内容となっております。
"あのライブ"を追体験できる音楽映画。
ぼくが選んだのは、2002年のアメリカ映画『永遠のモータウン』です。
数々のトップ・アーティストを輩出し続ける
ソウル・ミュージックの金字塔「モータウン・レコーズ」に密着した音楽ドキュメンタリー。
と言っても、よくあるような有名アーティストや
レーベルオーナーにフォーカスを当てた内容ではなく、
専属のレコーディングバンドという"裏方さん"に日の目を当てたところに、
本作のオリジナリティーとBIG LOVEを感じる渾身の一作となっています。
内容はこんな感じ。
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マーヴィン・ゲイやスティーヴィー・ワンダーをはじめ、
錚々たる有名アーティストを輩出し、
数え切れないほどの名曲をヒットチャートに送り込んだモータウン・レーベル。
その黄金期を支え、"モータウン・サウンド"を確立したのが
レコーディング・バンド「ファンク・ブラザース」だった。
しかしレコードに演奏者をクレジットする習慣のなかった60年代当時、
彼らの名前が一般に知られることはなく、
彼らの偉業が顧みられることはなかった。
本作は、そんな彼らの偉大な足跡を、
貴重な当時のインタビューや演奏シーンなどを基に振り返る。
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まずは、ひと言。
この映画は、モータウン・サウンドの特別なファンだったり、
歴史に詳しくなくても楽しめる内容になっているのでご安心ください、ということ。
ぼくもそうだったのですが、"モータウン"という言葉さえ知らない人でも、
ガッツリと魂を揺さぶられてしまうのが『永遠のモータウン』という作品なのです。
全体の構成としては、
ファンク・ブラザースの再結成ライブを随所にはさみながら、
当時のメンバーたちのインタビュー&再現映像を交錯させていく内容となっています。
会社の栄光とは裏腹な、ミュージシャンたちのその後の人生の影の部分。
名門レーベルに所属しながらも"無名"であり続けた彼らが、
いかに困難な時代を過ごしたか。
本作は、その痛みや哀しみのすべてを音楽へと昇華してくれる。
その潔いアプローチに心打たれるのです。
愛に溢れたサウンドと、圧倒的なグルーヴ感。
年齢を超越した最高にファンクなミュージシャンたちは、
色褪せることないソウルの名曲を次々と披露してくれます。
個人的には、ジョーン・オズボーンの「Heat Wave」、
ジェラルド・レヴァート「Shotgun」、チャカ・カーン「What's Going On」が
ベストパフォーマンスかなと思ってます。
あなたはどの曲がお気に入りになるのでしょう。
ファンク・ブラザースのじいちゃんたちがついに報われた!という感動。
彼らのソウルフルな人間としての生きざまに胸が熱くなる、
極上の逸品となっております。
ちなみにモータウンレーベルは、クリスマスソングも多数リリース。
スティーヴィー・ワンダー、ジャクソン5、
マーヴィン・ゲイ、ザ・テンプテーションズなど、
一流の曲をまとめたクリスマスアルバムも発売されていますので、
併せてチェックしてみてください。
年の瀬に、気分がアガるホンモノの音楽をお楽しみあれ!存分に!
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『永遠のモータウン コレクターズ・エディション』
DVD 3,800円+税
Blu-ray 4,800円+税
発売元:ジェットリンク
販売元:ポニーキャニオン
©2002 Elliot Scott Productions LLC ALL RIGHTS RESERVED
映画選定・執筆
キノ・イグルー
有坂塁
東京を拠点に全国のカフェ、パン屋、酒蔵、美術館、 無人島などで、世界各国の映画を上映している。
さらに「あなたのために映画をえらびます」という映画カウンセリングや、
目覚めた瞬間に思いついた映画を毎朝インスタグラムに投稿する「ねおきシネマ」など、
大胆かつ自由な発想で映画の楽しさを伝えている。
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