緊急事態宣言が、全面解除されましたね!
皆さん、本当によくがんばりました!僕もがんばった!
もちろんこれで全てが終わったわけではありませんし、
withコロナをどのように生きていくかを
それぞれが考えないといけないわけですけども、
まずは、大きな拍手を!そして乾杯を!
お願いレベルの自粛にこれだけみんなで真面目に協力をし、
ステイホームが実践できた。
SNSでは、著名人・一般人の垣根を超え、
「楽しもう!」というマインドを、みんなで共有することができた。
おそらく歴史に残るような1ヶ月半だったのだと思います。
あらためて、大きな拍手を!そして乾杯を!
世界的な危機を体験すると、人々の価値観は変容し、
新しい幸せの定義が生まれると言われています。
今回のパンデミック(世界的大流行)では?
ぼくは人々のライフスタイルが、
よりクリエイティブになると考えています。
実際すでに、自らマスクを縫ってみたり、
新しい料理の創作に励んだり、
SNSでライブ配信をしたりと、
そこかしこに、新しい動きが見受けられました。
誰の中にもクリエイティブのタネはある。
そしていまこそ、爆発のチャンスです!
そのタイミングで、ぜひ観てもらいたい作品が『YARN 人生を彩る糸』。
ものづくりが世界を平和にするのでは?と感じずにはいられない、
アイスランド発のクラフト・アート・ドキュメンタリーです。
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「編むことは言葉であり、コミュニケーション」と全身ニット集団と街を闊歩するオレク。
白い糸を人生のメタファーとして超絶パフォーマンスを見せるサーカス・シルクール。
ゲリラ的に街をニットで彩るヤーン・グラフィティで、アイスランドから世界を旅するティナ。
子供たちの想像力を刺激するカラフルなネットの遊具を世界中で作り続ける堀内紀子。
アーティストたちの美しい手しごとやパフォーマンスは見るものを楽しませるだけでなく、
編み物を手芸から「人とつながる」アートに昇華させようとする彼らの情熱と、
信念を持って生きていく姿そのものが世界を彩り、私たちに生きる力を与えてくれる。
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人は糸を編み、糸は人をつなぐ。
何もないたった一本の糸から、人々の心を動かして、
想いの輪を広げるアーティストたち。
本作を観ると、編み物の凝り固まったイメージが、
きっと変わると思います。
そして、僕がいま観てもらいたいと言った理由もそこにあって、
この映画に登場する4人は、すでに存在している"糸"を使って
世界を変えようとしています。
ゼロから新しいものを生み出したわけじゃないんですね。
すでに素晴らしいモノやコトは、たくさん存在してるのだから、
"違う角度から見てみる"
"遊び心をもって眺めてみる"
この意識を持つだけで、世界はもっとカラフルに彩られると思うのです。
街でヤーン・グラフィティを仕掛けるティナは、こう言います。
「まちの直線的な男性的な景色を、
毛糸の曲線しかないモコモコの女性的な世界で包んだら面白いと思わない?」
素敵でしょ?このイメージだと思うんです。
平和的にゲリラを実践する、というスローガンもそうですけど、
とにかく楽しそう!そしてわかりやすい。
この映画は、編み物の無限な可能性を教えてくれると同時に、
みんなの中に眠るクリエイティブスイッチを発動してくれます。
これからは楽しく生きたい!と考えるすべての人、
手仕事を愛するすべてのみなさん必見です。
元どおりの世界のような。そうでもないような。
そんな不思議なパラレルワールドを、
ぜひ、愛とよろこびにあふれた世界にしていきましょう。
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『YARN 人生を彩る糸』
DVD 3,800円+税
発売元:ミッドシップ
販売元:TCエンタテインメント
©Compass Films Production 2016
映画選定・執筆
キノ・イグルー
有坂塁
東京を拠点に全国のカフェ、パン屋、酒蔵、美術館、 無人島などで、世界各国の映画を上映している。
さらに「あなたのために映画をえらびます」という映画カウンセリングや、
目覚めた瞬間に思いついた映画を毎朝インスタグラムに投稿する「ねおきシネマ」など、
大胆かつ自由な発想で映画の楽しさを伝えている。
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