カメオ出演の意味からいきましょう。


ウィキペディアを調べると、

「俳優や歌手、監督、漫画や小説などの原作者、

時には政治家やスポーツ選手などがゲストとしてほんの短い時間、

映画やドラマ、アニメ、舞台に出演すること」とあります。


そのほとんどは「お客さんを楽しませたい！」というサービス精神から来ているもので、

遊び心やサプライズを大切にするマインドは、とても好感が持てます。


映画界で言うと、アルフレッド・ヒッチコック監督でしょうか。

彼は、自身の映画にちょこっとだけ顔を出すことで有名です。

特徴的なシルエットを活かして、群衆の中に紛れ込んだり、

影だけで出演したり、時には新聞広告に登場してみたり。

そんなカメオ出演だけをまとめた動画もYouTubeに上がっているので、

よかったらチェックしてみてください。


今回ご紹介する『トロピック・サンダー/史上最低の作戦』は、

近年のカメオ出演の中では、他に追随するものがないほど、

ケタ違いの衝撃を与えてくれます。


いったい、誰のカメオ出演か。

その前に、まずは物語からご確認をお願いします。


＊＊＊


1969年、ベトナム戦争最前線で英雄的な活躍をした一人の男がいた。

その名は、ジョン・“フォーリーフ”・テイバック。

そして、彼の書いた回顧録「トロピック・サンダー」の映画化が決定し、

アクションスターのタグ・スピードマン、

トップコメディアンのジェフ・ポートノイ、

役作り命の演技派俳優カーク・ラザラスら大物俳優が、

それぞれの役者人生をかけて参加することになった。

しかし撮影は、5日目にして早くも予算オーバーとなり、撮影中止の危機に直面。

なんとしても映画を成功させたい監督は、リアルな撮影を強行するため、

俳優たちをジャングルの奥地へと連れ出す。

ところがそこは、凶悪な麻薬組織が支配する本物の戦場だった！

なにも知らない彼らは、どうなってしまうのか！？

そして、映画『トロピック・サンダー』の行方は―！？


＊＊＊


監督・主演を担当したのは、ベン・スティラー。

『ナイト・ミュージアム』『ミート・ザ・ペアレンツ』などで

コメディ俳優のイメージが強い彼ですが、

じつは『リアリティ・バイツ』や『LIFE!』などでは

監督も務めている才人です。


両親ともにコメディアンだったという環境と、人望の厚さから、

業界内に幅広い人脈を持っているのですが、

そんな彼の大親友が、今回のカメオ出演の張本人です。

前置きが長くなりましたが、その男とは、Mr.トム・クルーズ！

公開時のポスターには名前がクレジットされていなかったので、

それはそれは、みんなビックリでした。


というのも、お金に汚い映画プロデューサーを演じているのですが、

そのビジュアルが＂ハゲあがった頭＆中年太り＂だったのです。

スターオーラ皆無。仰天のビジュアル。

しかもこのメタボ姿で、一心不乱に激しいダンスまで踊るのです！

この役で、トムはまさかのゴールデン・グローブ賞助演男優賞にノミネート！

カメオ出演で映画賞ノミネートなんて聞いたことありません。

さすがはトム・クルーズ。役者が違うとは、まさにこのことですね。


ちなみにアメリカのローリング・ストーン誌でも、

＂映画をより一層面白い作品に飛躍させたカメオ出演ベスト11＂の

第1位に本作は選出されました。


スターオーラ漂うトムが苦手な人でも大丈夫。

むしろこの映画がきっかけでファンになってしまうことでしょう。


他にも、ジェニファー・ラブ・ヒューイット、トビー・マグワイア、

アリシア・シルヴァーストーン、ジョン・ヴォイトなど、

総勢18名もの俳優がカメオ出演している、

サービス精神旺盛なアクション・コメディをお楽しみあれ。


あなたは何人の俳優に気づくことができるでしょうか。


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『トロピック・サンダー/史上最低の作戦』
Blu-ray　2,619円（税込）
Blu-ray＆DVD 発売中
発売元：NBCユニバーサル・エンターテイメント
※2021年6月の情報です。