今年もありがとうございました なのか、
あけましておめでとうございます なのか。
年末年始をまたぐことになった、今回の週末シネマ。
まあいずれにせよ、新年を迎えるにあたって
幸せな気持ちで過ごしたいことに変わりはないということで、
お題はHappyに浸れるショートムービーとなっております。
当初、ジャック・タチやウディ・アレンといった
ユーモアのあるおしゃれな短編映画とも考えていたのですが、
これを書いている12月26日は、
クリスマスも終わって完全にお正月モード。
これを読んでいるみなさんも、
おせちを食べ、初詣に行き、お正月特番を見ているんだろうなぁと考えると、
もっとピッタリな作品があるんじゃないかと。
いつもであればすんなり思いつくものが、
今回に限って、思い浮かんだ映画も何だかしっくりこなかったので、
サブテーマを"古き良き日本"に設定してみた瞬間、思いつきました!
それはもはや映画作品ですらなかったのですが……
どうぞお許しください 笑
『甦る名調子!淀川長治クラシック名作映画解説全集Ⅰ』。
そう、あの懐かしの映画評論家・淀川さんの解説だけを集めたという、
超マニアックな作品集になります。
「え、面白いの?」と思ったそこのあなた!
めちゃくちゃ面白いので大丈夫です!
彼の解説は、往年の映画ファンから、
淀川長治を知らないジェネレーションまで、
幅広い人たちの心を掴んで離さない、
もはや落語に近い名人芸のようなものです。
実際、10代や20代の子にオススメしたら、
その巧みな話術にみんな大喜びでした。
まあ、騙されたと思ってぜひ。
本DVDの収録内容は、このようになっています。
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"映画の伝道師"淀川長治の名解説の数々を収めたシリーズ第1巻。
独特の名調子による解説で人々に愛された映画評論家・淀川長治が、
サスペンス・スリラー、SF・ホラー、西部劇、ミュージカルなど
多岐にわたるジャンルの全39作品を語り尽くす。
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多くの人にとって、淀川さんといえば「日曜洋画劇場」でしょう。
「ハイ皆さん、こんばんは」から始まって、
エンディングの名フレーズ
「それでは次週をお楽しみ下さい。サヨナラ、サヨナラ、サヨナラ」。
彼はこのルーティーンを約32年もの間、行ってきました。
名作でもB級映画でも分け隔てなく、
視聴者を惹きつける口調で、熱く映画を語る淀川さん。
しかも映画の悪口を絶対に言わず、いいところばかりを紹介してくれます。
ここが、とっても大事。
誰よりも博学だった映画評論家が、悪口を言わないばかりか、
映画そのものを全肯定してくれる。
独特のやさしい語り口で。チャーミングに。
彼の表情や声からは"映画への愛"が溢れ出ています。
映画の見方や、作品の意図を、分かりやすく温かく説明してくれる。
そんな人、いま存在しているでしょうか?
かの黒澤明もこんなコメントを残しています。
「淀川さんが一番いいね。純粋に映画を楽しんでいる。
映画は理屈じゃないんだよね」
そんな"映画愛"に溢れまくった映像が、
毎週、しかも地上波で流れていたのだから驚くばかりです。
これ以上の説明は不要でしょう。
とにかく一度、ご覧になっていただければ、
一瞬にして、全てご理解いただけると思います。
ハイ、もう時間が来ました。
それでは次週をお楽しみ下さい。
サヨナラ、サヨナラ、サヨナラ。
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『甦る名調子!淀川長治クラシック名作映画解説全集Ⅰ』
DVD 3,080円(税込)
発売元:アイ・ヴィー・シー
映画選定・執筆
キノ・イグルー
有坂塁
東京を拠点に全国のカフェ、パン屋、酒蔵、美術館、 無人島などで、世界各国の映画を上映している。
さらに「あなたのために映画をえらびます」という映画カウンセリングや、
目覚めた瞬間に思いついた映画を毎朝インスタグラムに投稿する「ねおきシネマ」など、
大胆かつ自由な発想で映画の楽しさを伝えている。
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