名物店主のお買い物日記 no.86
持ち主の個性がみえる。奥深きトートバッグの話 ―park 町田紀美子さのカバー画像

持ち主の個性がみえる。奥深きトートバッグの話 ―park 町田紀美子さん

キナリノモールに集うストアの個性的な店主たちが、自腹を切って買ったものや愛用品をひたすら語る、徒然お買い物リレー。今回は、parkの5周年を記念して作られたオリジナルトートバッグのお話。開店してから今までの、たくさんの人の顔を思い浮かべながら、店主の町田さんが思いを語ります。

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2022年12月05日作成
持ち主の個性がみえる。奥深きトートバッグの話 ―park 町田紀美子さん
持ち主の個性がみえる。奥深きトートバッグの話 ―park 町田紀美子さん
私的なことになりますが、今年の11月3日文化の日に、parkは開店して丸5年を迎えました。
この日は「パークの文化祭」と題して、ご縁のある方々やparkの子どもたちも巻き込んでお祭りを開催。
自分たちも楽しんで、のんびりやろう〜と呑気に構えていたのですが、蓋を開けてみれば開店前から長蛇の列ができ、大変多くの方々にお越しいただいた大盛況の1日となりました。

オープン当初を振り返ってみると、5年間暮らした京都から生まれ育った東京に戻るというタイミングで、引っ越しと長男の転入と次男の小学校入学と完成した建物での開店準備と、初めての開業といった、目まぐるしいスタートでした。

取り返しのつかない失敗もしたし、好きなことを始めたつもりが幾度となく「なんでこんな大変なこと始めちゃったんだろう?」と泣きたくなったことも。何かあるごとに立ち位置を確認するように、暮らしと仕事の境目なき生活を心地よい方へ軌道修正しながら、こうして今を迎えています。

それもこれも、変わらない明るさで支えてくれる家族とスタッフのみんながいたから。信頼関係という基盤があるから、安心してお客さまをお迎えし、心から安らいでいただける場を作っていこうと思うことができる。みんなの笑顔とたくさんのお客様に囲まれた先日のパークの文化祭は、6年目のスタートを「また頑張ろう!」と奮い立たせるような1日となりました。
持ち主の個性がみえる。奥深きトートバッグの話 ―park 町田紀美子さん
前置きが長くなってしまいましたが、5周年を記念して作ったのが、こちらのトートバッグ。カラーは「シルバーグレー」と「サンドベージュ」の2種類で、着こなしや性別を問わずに使いやすいデザインを意識しました。持ち手は長め。冬のコートなど腕周りがたっぷりのデザインでも、肩に掛けながら中のものを取り出しやすいのがポイントです。ちなみにこのとき着ていたコートはholkのもの。

そもそもトートバッグが大好きな私。
コーディネートよりもその人が持っているトートバッグに目がいってしまうのです。好きなお店やブランドのもの、敬愛するアーティストのもの、訪れた美術館のもの……数多のトートバッグが世の中には存在しますが、メッセージ性のないものなんてほとんどなくて。あえてそれを選んだその人のアイデンティティや趣味嗜好をオープンに知ることができて、とても面白いものだなと思っています。

余談ですが、夫はクローゼットを全てバンドTシャツで埋め尽くすタイプ。
「トートバッグとバンドTって似てるね」と言っていて「なるほどまさに」と思ってしまいました。

このトートバッグを作る際に、私たち夫婦が大好きな海外アーティストIDAの『Coupons』という曲を思い出しました。その曲の一節を自分なりに解釈し、考えたことがあります。
「ほんとうに手にしたいのは、困難をも柔軟に受け止めるしなやかさ。時に難しさもあるけれど、それを追い求めることはできる」。
5周年記念のこのバッグにも、そんな気持ちを込めています。

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