名物店主のお買い物日記 no.42
「やっぱりいいな」と思えるロングセラーの話 ―graf 服部滋樹さのカバー画像

「やっぱりいいな」と思えるロングセラーの話 ―graf 服部滋樹さん

キナリノモールに集うストアの個性的な店主たちが、自腹を切って買ったものや愛用品をひたすら語る、徒然お買い物リレー。今回は、大阪発のクリエイティブユニット「graf(グラフ)」代表の服部滋樹さんが初登場!ものづくりの垣根を越えて幅広く活躍する服部さんが、こだわり抜いて作ったカトラリーについて熱く語ってくれました。

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2022年07月04日作成
服部滋樹
graf代表
服部滋樹
クリエイティブディレクター、デザイナー、京都芸術大学教授を務める。建築、インテリア、プロダクトに関わるデザインや、ブランディングなどを手掛け、リサーチからコンセプトワーク、デザイン、設計、プログラムなど持続可能な形態を生み出す。地域や社会基盤もその領域として捉え、仕組みの再構成と豊かな関係性を生み出すコミュニケーションを物づくりからデザインを行う。
「やっぱりいいな」と思えるロングセラーの話 ―graf 服部滋樹さん
「やっぱりいいな」と思えるロングセラーの話 ―graf 服部滋樹さん
こんにちは。キナリノへお越しの皆さんはじめまして!graf服部滋樹です。
初回のベストバイに、20年も前から使っているカトラリーを挙げるのもどうかと思うのですが……(笑)。僕の生活に欠かせないので、こちらをご紹介!grafでデザインしたロングランな製品ですが、最近好きなレストランや良いと思うお店でカトラリーを目にし、改めて意識するようになったのです。やはり「SUNAO」のカトラリー以上に心地良いものはないのかも?と思っている、自画自賛な商品です!燕振興工業さんありがとう。

デザインを志す上でカトラリーをデザインできるのは、大変光栄なお仕事なんです。北欧系メーカーなど、数々の名作があふれる中、以前から先輩方のカトラリーを色々試しては、「ここのシェイプが気になるな」「口当たりの部分や、前歯に引っかかるな」とか、気になるところがありました。感覚的に記憶にあった「気持ち悪い部分」を排除できたらどれだけ良いものが出来るのか?そんな挑戦でもあったようにも思います。身体記憶の奥底で体が喜ぶイメージをしながら開発を進めました。
「やっぱりいいな」と思えるロングセラーの話 ―graf 服部滋樹さん
「そよ風に稲穂がなびく姿のように」「水滴が静かな湖面に波紋を作るような」これ何だと思います?実はフォークとスプーンのイメージです。ブランドを作るときには色々なケースがありますが、プロダクトの場合は根本的な課題を見いだすために素材や制作工程のリサーチからスタートします。歴史が古ければ古いほど、産地として根付いた理由や、そもそもの技術など「受け継がれているのは何か?」を調査し深く潜るのです。作業工程上、実現できなかったことに行き着いたとき、それをクリアしカタチへと落とし込むのです。

やばいやばい、だんだん話が逸れてしまいそうなので戻ると、先ほどの「そよ風」「水滴」のように自然の世界にある心地良い現象をひとつのイメージにして「SUNAO」は産まれました。日本の風土風習は食卓を彩り、様々な料理方法が混在し毎日を作っています。お箸とそろいで並ぶカトラリーはまるでテーブル上を小さなジオラマのように感じさせてくれるのではないか。そんな願いを込めた道具たちでした。

今回紹介したアイテム

次回の“名物店主”は7/7更新予定。お楽しみに!

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