名物店主のお買い物日記 no.33
木目マニアが惚れ込んだ、美しい包丁の話 ―park 町田紀美子さのカバー画像

木目マニアが惚れ込んだ、美しい包丁の話 ―park 町田紀美子さん

キナリノモールに集うストアの個性的な店主たちが、自腹を切って買ったものや愛用品をひたすら語る、徒然お買い物リレー。今回は、木目マニアの町田さんが心底惚れ込んだ、美しいナイフのお話です。

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2022年05月26日作成
町田紀美子
park
町田紀美子
かねてよりの道具好きが高じて東京都調布市深大寺に生活道具とカフェの店「park」を始める。作り手のスピリットや背景に心動かされ、実感を持ってお勧めできるもののみ店内に並ぶ。道具なら使い勝手、身につけるものなら肌触りや着心地、潔いシンプルさと遊び心が共存するメンズライクなものが好み。音楽、映画、アート、読書、山登りが好物。好きな居場所は自宅、陽だまりのpark、平日朝イチの映画館。冬が始まる前の早朝登山路は、空気もまるごと天国だと思っている。
木目マニアが惚れ込んだ、美しい包丁の話 ―park 町田紀美子さん
木目マニアが惚れ込んだ、美しい包丁の話 ―park 町田紀美子さん
美しい木目に目のない私。parkもそうですが、自宅にいたっては家具も小物も木づくし。あらゆる木目に囲まれた暮らしをしています。

かの有名な風車のナイフに出合ったのは20代のとき。私が注目したのは、肝心な刃先ではなく、丸みがある持ち手のデザインと木目でした。刃材と木柄を留めてある部分が不自然に凹んだりしておらず、なんとも滑らかな持ち心地。樹木の生命を感じるような表情が印象的で、「クールすぎる!」と胸が高鳴ったのを覚えています。飾っておくだけでも充分、と購入しましたが、今の私から見れば、なんとも浅はかな動機でした。

「ドイツ製ということでまず間違いはないだろうけど、失敗しちゃってもいいや」
そんなことを一瞬でも思った私は、やっぱり浅はかでした。だって、想像を超える切れ味だったのですから!ハードでもソフトでも、なんでもござれ。「パンくず?それってなんだっけ?」と思えるくらい、キリッと気持ちの良い断面が生まれるのでした。

当時は今ほどネットで情報が拾えるわけではなかったのですが、一体どんな素晴らしい人たちが作っているのだろう、とすぐに調査開始。そして、知ることになるのです。すべての工程を一流の職人たちが手作業で仕上げていることを。

「あぁ、やっぱりなぁ。美しいデザインにはちゃんと裏付けがある」
持ち手ばかりに注目していた私は、刃先の薄さやナイフ全体が醸すトータルのバランスが秀逸なデザインを作り上げていることにようやく気がついたのでした。
木目マニアが惚れ込んだ、美しい包丁の話 ―park 町田紀美子さん
すっかり風車のナイフに魅了された私は、パン切りナイフを買った数年後にオールドジャーマンも購入。そのさらに何年も後にオープンしたparkでもしっかり取り揃えて、ヘビーユースしています。「使うたびに好きになる道具」といってしまえば簡単ですが、この言葉はこのナイフのためにあっても良さそう。

購入してくださったお客さまからも100%うれしい声をいただいています。「もっと早く出会いたかった!」なんて声も頻繁に耳にしますが、どのタイミングでもそれがあなたの良きタイミング。ぜひカットした瞬間の感動を噛み締めてみてくださいね。

今回紹介したアイテム

次回の“名物店主”は5/30更新予定。お楽しみに!

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