焼き菓子が大好きな私。小学生のころはバターが手に入らず、サラダ油を代用してカップケーキを山ほど作って食べていました（レシピは小林カツ代さん）。もちろんオーブンではなくオーブントースターで、アップルケーキもフライパンで作って……ああ懐かしい。

大人になってからもお菓子作りは継続中。25年前に「すこし高いなあ」と思いつつ、良い調理道具を揃えたくて購入したのがこの「パンチングストレーナー/ステンレスボール」でした。以来、ちょっとずつサイズ違いを揃えて愛用してきましたが、最近、一番使いやすい23cmを会社のキッチン用に新調しました。

ステンレスボールというと、お料理好きの方は「ハイハイ」とうなずいて柳宗理の名前を出すくらい、有名なアイテムですね。みなさんご承知の通り（？）、軽い、シンプル、収納しやすい、使い勝手がよいところが魅力。私も長年愛用してきて、その使いやすさとパンチングストレーナーとの相性のよさには脱帽してしまいます。裏ごし、ふるい、水切りなど、仲の良い夫婦のように息のあったアイテムです。

ロングセラーの理由はもうひとつあるように感じます。それはデザイン。大量生産、大量消費の販売を目的とするのではなく、人間工学や製品の美的な質、社会的・文化的な豊かさに貢献できる工業デザイン。生活の中に未来を見据えた、筋の通った道具があるというのはとても気持ちの良いことだと思いませんか？柳さん、さすがです！

次回の“名物店主”は2/14更新予定です。お楽しみに！