名物店主のお買い物日記 no.132
食堂で見かける“あのコップ”の話 ―東北スタンダードマーケット 岩井巽さのカバー画像

食堂で見かける“あのコップ”の話 ―東北スタンダードマーケット 岩井巽さん

キナリノモールに集うストアの個性的な店主たちが、自腹を切って買ったものや愛用品をひたすら語る、徒然お買い物リレー。今回は、中華店や食堂でよく見かける“コップ”のお話。本連載初登場となる東北スタンダードマーケットの岩井巽(たつみ)さんが特に愛用している品は……?

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2023年09月24日作成
岩井巽
東北スタンダードマーケット ディレクター
岩井巽
「伝統工芸品だけではなく、新たに生まれた東北のモノもいつか伝統になるように」という想いを原動力に、商品開発・デザイン・取材執筆・WEB制作など、百姓のように幅広く東北のものづくりに携わっています。ひっそりした喫茶店や古道具店が好きです。
食堂で見かける“あのコップ”の話 ―東北スタンダードマーケット 岩井巽さん
食堂で見かける“あのコップ”の話 ―東北スタンダードマーケット 岩井巽さん
手頃なサイズのコップはよく働く。
12時のチャイムとともにランチ休憩のサラリーマンが溢れる、中華店に必ずあるコップ。水はセルフでお願いしますと書いてある、ウォーターサーバーの隣に積まれているあのコップ。僕が食堂コップを自宅で使うようになったのは、10年ほど前からだ。シリンダーを2つ繋げたような潔い形は、自宅に持ち込むと案外スタイリッシュにも見えたりする。業務用の重ねられるコップをスタッキンググラスと呼ぶそうで、日本の昭和の型違い品やフランス製のものなど、とにかくこの手のグラスを見つけては集めている。
食堂で見かける“あのコップ”の話 ―東北スタンダードマーケット 岩井巽さん
盛岡の家具店<Holz>が企画した<kasane kop>は、スタッキンググラスを木地師の技術で再現したコップだ。ぴったりと重なる機能性があるだけではなく、木製にすることで飲み物の温度が柔和になるメリットもある。たとえば、熱いお茶を入れても素手で持てるし、キンキンのビールを入れてもびしょびしょに結露しない。
食堂で見かける“あのコップ”の話 ―東北スタンダードマーケット 岩井巽さん
個人的には、ビール缶やティーポットから小さなグラスにちびちび汲み出して飲み物を飲むのが好みなので、このサイズ感もちょうど良い。
食堂で見かける“あのコップ”の話 ―東北スタンダードマーケット 岩井巽さん
実はこの<kasane kop>は、数年前に引っ越しをした際に店舗のスタッフさんからプレゼントしていただいた。「新居でも良い日々を重ねてください」との洒落たメッセージ付きで。

このコップも引っ越してからしばらく働いてくれたので、そろそろ買い足して、新たにもう一個重ねてみようと思う。

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