ラボラトリオ 店主
井藤万紀子
2009年、長野県松本市に移住後、衣食住で好きなものを集めたショップ&カフェ「ラボラトリオ」を、2018年には松本の信毎メディアガーデン内に「MARKT(マルクト)」をオープンする。「食のクラフト」をテーマに、小さな生産者さんの作るおいしいもの、ナチュールワイン、食まわりの道具などを販売しています。おいしいものに出会えることにワクワクして旅先で市場や道の駅に立ち寄るのが大好きです。
「蒸籠(せいろ)」という文字を見ただけで、あたたかく湯気の立ちのぼる光景が浮かんできます。
中華街に行くと店の前で大きな蒸籠で蒸しあげた中華まんを売っていますが、白い湯気が立ち昇る景色がとても美味しそうでつい、買い食いしてしまいます。ホッカホカの肉まんをはふはふ食べるのは幸せなひととき。肉まんの味もさることながら湯気がごちそうなのだなと思います。点心のお店で食事をして、蒸籠に入った料理が次々と運ばれてくるのもとても楽しい。
けれど、いざ自分のキッチンに取り入れることが中々できずにいました。蒸し鶏や茶碗蒸し、焼売はもちろん、サツマイモやニンジン、大根、キャベツなどの野菜を蒸して、いろいろなタレや調味料を食卓に並べ、銘々好きな味付けにして食べたり……と、蒸し料理は好きなのですが、家族分を一度にたくさん蒸すのには大きな蒸し器の方が便利なように思い、ずっとステンレスの蒸し器を使っていました。
子供たちが家を離れ、たくさん蒸さなくても良くなったので、ずっと気になっていた蒸籠を使ってみることに。サイズは、敢えて小さな20センチに満たないものを選びました。まずは、小さいころから大好きなおやつ、マーラーカオ(中華風のカステラ?)を蒸籠に流し込んで蒸してみました。点心の本で見た蒸籠で蒸しあげたマーラーカオの写真がずっと頭に残っていて、一度作ってみたかったのです。卵と砂糖と粉とサラダ油をただ混ぜて蒸すだけの簡単なお菓子なのですが、いつもボールを使っていたところを、蒸籠で蒸して出すととってもおいしそうに見えてテンションが上がります。
中華街に行くと店の前で大きな蒸籠で蒸しあげた中華まんを売っていますが、白い湯気が立ち昇る景色がとても美味しそうでつい、買い食いしてしまいます。ホッカホカの肉まんをはふはふ食べるのは幸せなひととき。肉まんの味もさることながら湯気がごちそうなのだなと思います。点心のお店で食事をして、蒸籠に入った料理が次々と運ばれてくるのもとても楽しい。
けれど、いざ自分のキッチンに取り入れることが中々できずにいました。蒸し鶏や茶碗蒸し、焼売はもちろん、サツマイモやニンジン、大根、キャベツなどの野菜を蒸して、いろいろなタレや調味料を食卓に並べ、銘々好きな味付けにして食べたり……と、蒸し料理は好きなのですが、家族分を一度にたくさん蒸すのには大きな蒸し器の方が便利なように思い、ずっとステンレスの蒸し器を使っていました。
子供たちが家を離れ、たくさん蒸さなくても良くなったので、ずっと気になっていた蒸籠を使ってみることに。サイズは、敢えて小さな20センチに満たないものを選びました。まずは、小さいころから大好きなおやつ、マーラーカオ(中華風のカステラ?)を蒸籠に流し込んで蒸してみました。点心の本で見た蒸籠で蒸しあげたマーラーカオの写真がずっと頭に残っていて、一度作ってみたかったのです。卵と砂糖と粉とサラダ油をただ混ぜて蒸すだけの簡単なお菓子なのですが、いつもボールを使っていたところを、蒸籠で蒸して出すととってもおいしそうに見えてテンションが上がります。
使ってみてわかったのは、この小ささでありながら、かなりの許容量があること。焼売なら6個くらいは並べられます。野菜を蒸すのにも二人分くらいなら十分な量で、「なんだ、もっと早くから使ってみたらよかったなあ」と拍子抜けする思い。
また、蒸籠が優秀なのは重ねて蒸すことができるところ。小さな蒸籠だって何段も重ねたら、かなりの量を蒸すことができるのです(5段くらいはいけるらしい)。それぞれの蒸籠に違うものを入れられるので、自宅で点心屋さん気分も味わえます。
調理した後お皿に移すことを考えず、蒸籠に入ったまま熱々をテーブルに出せるというのもうれしい。家族やお友達とのご飯も盛り上がりますが、実はひとりご飯のときに活躍します。ひとりでご飯を食べるときって、ついつい料理をする気分が湧かず、コンビニご飯を買ってきたり、残り物で適当にすませてしまったりとお座なりになりがちです。
でも、出来合いのものでも蒸籠で蒸して食べたら、ほわっと温かい気持ちで食べられそう。洗い物が少なくてすむので食後もラクチン。
また、蒸籠が優秀なのは重ねて蒸すことができるところ。小さな蒸籠だって何段も重ねたら、かなりの量を蒸すことができるのです(5段くらいはいけるらしい)。それぞれの蒸籠に違うものを入れられるので、自宅で点心屋さん気分も味わえます。
調理した後お皿に移すことを考えず、蒸籠に入ったまま熱々をテーブルに出せるというのもうれしい。家族やお友達とのご飯も盛り上がりますが、実はひとりご飯のときに活躍します。ひとりでご飯を食べるときって、ついつい料理をする気分が湧かず、コンビニご飯を買ってきたり、残り物で適当にすませてしまったりとお座なりになりがちです。
でも、出来合いのものでも蒸籠で蒸して食べたら、ほわっと温かい気持ちで食べられそう。洗い物が少なくてすむので食後もラクチン。
よしながふみさんの漫画『きのう何食べた?』(西島秀俊さんと内野聖陽さんのドラマもとてもおもしろかったです!)で、主人公の勤める弁護士事務所の所長さんが、晩ご飯にひとりで肉まんを美味しそうに食べているシーンが出てくるのですが、こういうときが蒸籠の出番。
大きな蒸し器をわざわざ出すのは億劫ですし肉まんひとつには大きすぎますが、小さな蒸籠なら気軽に使えます。小ワザを利かせてレンジで温めるのもアリなのですが、蒸籠で蒸せばそのままテーブルに出すだけでご馳走に見えてきます。蒸している間にほかのおつまみを出したり、テーブルセッティングをして気分を盛り上げるのもいいのかなと思います。
レンチンに比べてフワッと仕上がって、温かさが長持ちする感じがうれしいです。
大きな蒸し器をわざわざ出すのは億劫ですし肉まんひとつには大きすぎますが、小さな蒸籠なら気軽に使えます。小ワザを利かせてレンジで温めるのもアリなのですが、蒸籠で蒸せばそのままテーブルに出すだけでご馳走に見えてきます。蒸している間にほかのおつまみを出したり、テーブルセッティングをして気分を盛り上げるのもいいのかなと思います。
レンチンに比べてフワッと仕上がって、温かさが長持ちする感じがうれしいです。