名物店主のお買い物日記 no.8
保存瓶と、酸と、「幸せの味」の話 ―わざわざ 平田はる香さのカバー画像

保存瓶と、酸と、「幸せの味」の話 ―わざわざ 平田はる香さん

キナリノモールに集うストアの個性的な店主たちが、自腹を切って買ったものや愛用品をひたすら語る、徒然お買い物リレー。今回はロングセラーの保存瓶と、酸と、「幸せの味」についてのお話です。

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2022年02月28日作成
平田はる香
わざわざ
平田はる香
1976年東京生まれ静岡育ち、長野県在住。20代はクラブDJとWEBデザイナーをしながら生きながらえる。長野に移住後、パン焼きにハマり、趣味の日用品収集を掛け合わせ、2009年に「パンと日用品の店 わざわざ」を一人で開業する。2018年にnoteで書いた『山の上のパン屋に人が集まるわけ』をきっかけに、特徴的な経営が広く知られた。2019年に長野県東御市の芸術むら公園内に2店舗目「問tou」を開店。ものを選ぶまでの執着心はあるが、変わることも手放すことも厭いません。
保存瓶と、酸と、「幸せの味」の話 ―わざわざ 平田はる香さん
保存瓶と、酸と、「幸せの味」の話 ―わざわざ 平田はる香さん
わざわざでは愛媛県中島の無農薬レモンを毎冬販売していますが、大量に購入してレモンシロップを仕込みました。セラーメイトガラス製保存瓶で漬け込むのが定番です(写真は4L瓶)。フォルムよし、機能よし、分解して洗えるので清潔に使えるところもお気に入り。

シロップ+レモン果汁+焼酎+炭酸水で風呂上がりに自家製レモンハイを作って飲むのが至福の時間です。ああ、思い出しただけでうまい。スライスしたレモン(写真右)はオーブンで100度で2時間ほど焼いて、セミドライにして瓶に。一緒にカットしたキウイもセミドライにして入れてます。幸せのポイントが分解できてきたので、自分のご機嫌をとることもちょっと上手になっています。複雑性が高く味わい深いものを、いつも自分の隣に置いておけばよろしい。
保存瓶と、酸と、「幸せの味」の話 ―わざわざ 平田はる香さん
複雑性といえば、酸。何かを食べるとき、「酸はどこにあるの?」と口の中で探しにいってしまうほど、酸が好きです。

複雑性を伴いながら調和している「甘酸っぱくておいしい」が自分にとっての最適解。たとえば、甘いみかんよりも甘酸っぱいみかんをおいしさを感じ、ちゃんとキャラメリゼして苦味を伴ったカラメルだと「おいしい!好き!」となりますが、そうでないと、ゆるくてちっとも心に届かないといった具合です。鮎も同様にして複雑性が高く、味わい深く好きです。だいたい伝わりましたでしょうか?上の写真は前回書いた焚き火での副産物。ティエールのナイフと、ジャンデュボのカトラリーで食す焼きりんごです。こちらも焼くと食感と味に複雑性が増して、個人的に非常においしい部類に入ります。

正直いうと、こだわりがちょっと強めなのでいろいろ生きづらい部分もあるのですが、今日もわたしは元気です。

今回紹介したアイテム

次回の“名物店主”は3/3更新予定です。お楽しみに!

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