名物店主のお買い物日記 no.211
なんでもない日が特別に。思い出のお弁当話 ―ラボラトリオ 井藤万紀子さのカバー画像

なんでもない日が特別に。思い出のお弁当話 ―ラボラトリオ 井藤万紀子さん

キナリノモールに集うストアの個性的な店主たちが、自腹を切って買ったものや愛用品をひたすら語る、徒然お買い物リレー。今回は、これからの行楽シーズンにぴったりなアイテムのお話。思い出のお弁当について、心が温かくなるエピソードも語っていただきました。

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2025年04月20日作成
井藤万紀子
ラボラトリオ 店主
井藤万紀子
2009年、長野県松本市に移住後、衣食住で好きなものを集めたショップ&カフェ「ラボラトリオ」を、2018年には松本の信毎メディアガーデン内に「MARKT(マルクト)」をオープンする。「食のクラフト」をテーマに、小さな生産者さんの作るおいしいもの、ナチュールワイン、食まわりの道具などを販売しています。おいしいものに出会えることにワクワクして旅先で市場や道の駅に立ち寄るのが大好きです。
なんでもない日が特別に。思い出のお弁当話 ―ラボラトリオ 井藤万紀子さん
なんでもない日が特別に。思い出のお弁当話 ―ラボラトリオ 井藤万紀子さん
初めてのお弁当の記憶は塗りの曲げわっぱに入ったそぼろ弁当。
……と言うととっても素敵なお弁当みたいだけれど、料理にあまり興味のなかった母の作った炒り卵は、白いところと黄色いところがあった。お肉のそぼろもホロホロではなく、小さな肉団子みたいなものがざっとご飯にのせてある。まだ幼稚園にも通っていないころの話だけれど、そのお弁当を持って出かけたことは特別な記憶として残っている。

中学生になって、最初に買ってもらったのは蓋に花の絵が彫ってある木のお弁当箱だった。汁気のあるものを入れると漏れてしまうなど、機能性にはやや難があっても気に入っていた。学校の裏庭のベンチで友達とお昼を食べた記憶が蓋の絵と一緒に浮かんでくる。
なんでもない日が特別に。思い出のお弁当話 ―ラボラトリオ 井藤万紀子さん
子どもが小さいころは、転職して引っ越しもして、まわりにまだ友達がいなくて、お休みの日にどうやって過ごそうかと考えた。お弁当を持って公園に行こうと決めた。突然の思いつきだったから材料もなくて、ご飯を詰めて、甘い炒り卵を載せて、子どもの好きなニンジンを花形にしてのせただけのそぼろ弁当。そんなささやかなお弁当でも、行き先が近くの公園でも、子どもたちは楽しそうにしていた。お弁当を持って出かけることって、スペシャルなことになるんだとうれしかった。

仕事場にお弁当を持って行くときは、タッパにご飯と昨晩のおかずの残りとか冷蔵庫のありあわせのものを詰めて行き、レンジで温めて食べる……というのが普通になってしまったけれど、なんだか味気ないなあと感じていた。新しい春を迎えたことだし、お弁当箱にきちんと詰めて食べるということを、また始めてみようと思った。
なんでもない日が特別に。思い出のお弁当話 ―ラボラトリオ 井藤万紀子さん
そして選んだのがこの竹のお弁当箱。長方形なのでおかずもご飯もきっちり詰めることができる。蓋と本体の縁が斜めになっていて、蓋がスッキリと収まるのも気持ちがいい。形がきちんとしているから、凝ったおかずでなくても残り物を詰めるだけでなんだかおいしそうに出来上がり、ちょっと得した気分。レンジで温めなくても美味しく食べられることもうれしい。

まずはやっぱりそぼろ弁当。そしてのり弁。おかかのふりかけとご飯を二段に重ねて、ちょこっとお醤油をつけた海苔を敷き詰めて。上に載せるのは磯辺揚げ。アジフライも好き。何もないときはざっくり作ったオムレツを載せるだけでもOK。おにぎりもラップで包むのではなくお弁当箱に詰めると目にも楽しい。

お天気がいい日はやっぱり外に行きたくなる。
屋上でも、ちょっと歩いて公園の芝生でも。自分で詰めたお弁当なのに、蓋を開けるときわくわくするのはなぜだろう。

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