冬の食卓の定番…「鍋料理」。そろそろ、飽きていませんか?
でも、その気軽さゆえに、ついつい今夜も鍋…という家庭も多いのでは。マンネリしないためにも、レパートリーを増やしてみませんか?今回も、料理研究家の冨田ただすけさんが、『白ごはん.com』の中でも人気の高いレシピ「鶏だんご鍋」を中心に、献立を考えてくれました。
凍える寒さが続くなか、春を待ちわびて用意した「旬の食材」は?
旬の野菜・果実(菜の花、せり、ゆず)
冨田さんが考えてくれた「本日の献立(おしながき)」
【主菜・主食】鶏だんご鍋(自家製ポン酢・たまご雑炊)
【副菜】菜の花のおひたし
【副菜】かぶの浅漬け
お鍋=手抜きじゃないよ!じっくり丁寧に作りましょう。
お鍋の用意の前に、作っておきたいもの
かぶの浅漬けは、最低6時間ほど漬け込むことで、葉っぱの青臭さがなくなり美味しく仕上がります。皮を剥く手間が要らない、小かぶを使うのがおすすめ。冷蔵庫で3〜4日持つので常備菜としても◎。
お鍋のつけだれにするポン酢は、お好みの濃さで醤油から作っておくと便利ですが、ゆずを絞って、果汁を市販のポン酢に加えるだけでも香りが良くなるので、お鍋の用意と併せて作っても大丈夫。(その場合は、塩気が薄まるのでお好みで醤油を少しだけ足してみてくださいね)
ゆで時間が重要!でも、ゆで汁も大切!
菜の花は、茎がしっかりしているわりに、とてもゆであがるのが早い野菜。食感を損なわないために、ゆで時間に注意して、すばやく冷水で冷やすことがポイントです。ただし、今回のレシピは「だし汁」を使わず、代わりに「ゆで汁」を使うレシピ。ゆで時間に気をとられて、せっかくの、昆布だしのようなうまみのある菜の花のゆで汁を、うっかり流してしまわないように注意しましょう。
お好みの野菜をたっぷりと。ポイントは「香り」
お鍋だと野菜類もたくさん摂れるのが嬉しいですよね。豆腐、しいたけ、えのき、ねぎ、くずきりといった、鍋料理のレギュラーメンバーに加えて、香りの強い「せり」を取り入れると春らしさも感じられます。徐々に出回り始める新ごぼうの香りも、さりげなくアクセントになり、鍋全体が香り豊かな大人好みの味に。
鶏だんごとごぼうに火を通してから、お野菜を投入
最近は、スーパーでも鍋用に加工された鶏だんごが売っていますが、鶏ひき肉から簡単に作れるので、迷わず手作りを。余った鶏だんごはゆでて保存しておけば、色々なお料理にアレンジできます。
昆布を入れたお鍋に、まずは、ささがきにしたごぼうと、ひとつひとつ団子状にした鶏だんごを入れてコトコト炊きます。鶏だんごに火が通ったら、いざテーブルへ。他の具材を投入して、鍋タイムスタートです!
準備完了!みんなでワイワイ「いただきます!」
ほろ苦い菜の花のおひたしや、ほんのり甘酸っぱいかぶの浅漬けがあることで、お鍋の単調な味に飽きることなく永遠に食べ続けられそう…。
薬味で味の変化を楽しんで
メインの鶏だんごには、刻みねぎ、大根おろし、刻んだゆずの皮、一味唐辛子、粗びき黒こしょうなどを、お好みでトッピング。薬味を多種用意するのは手間ですが、専用の小さいまな板があると便利&気分も上がります。
鶏だんごは薄く味付けされているので、小さいお子さんはそのままでも美味しく食べられますが、冨田さんの小学3年生になる娘さんも、最近薬味の美味しさに目覚めつつあるそうなので、勧めてみてもいいかも知れませんね。
鍋のあとのお楽しみ…〆は『たまご雑炊』でほっこり!
鍋料理の醍醐味といっても過言ではない、〆の雑炊。お酒とともに食べることの多い鍋料理。〆の頃には酔いも回り、あらゆる具材から滲み出た、うまみたっぷりの汁を使った雑炊は、体に沁み入る贅沢な一品ですよね。
今回ご紹介したレシピ
鶏だんご鍋
自家製ポン酢
菜の花のおひたし
かぶの浅漬け
たまご雑炊
料理研究家・冨田ただすけ
大学卒業後、食品メーカー勤務や日本料理店での修業を経て2013年に料理研究家として独立。
忙しい現代の家庭環境のなかでも、作り手の心のこもった、素朴で体にしみ込むような家庭料理を大切にしてほしいという思いから、家で作りやすい和食レシピを考案し、届けている。和食レシピサイト「白ごはん.com」運営。近著に『2皿で完結!和のラクうま定食』『冨田ただすけの和定食』などがある。
冬と春、それぞれに旬を迎える食材が混在する時期。今回は、なかでも「香り」の強い食材を用意してみました。菜の花、せり、ゆずの各食材が、一体どのようにお鍋と関わってくるのでしょうか。