冨田ただすけさんの「旬の献立」
【連載】冨田ただすけさんの「旬の献立」
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冨田ただすけさんの「旬の献立」
Vol.5-風情があるね!桜の木の下、お重弁当

献立作成・調理・写真:冨田ただすけ(白ごはん.com) 文:キナリノ編集部

旬の食材を使った和食の献立を紹介する、料理研究家・冨田ただすけさんの『旬の献立』。連載第五回目は、春の訪れを皆で祝う一大イベント「お花見」におすすめの和風弁当が登場します。日本ならではの、桜を愛でるひととき――ピザやサンドイッチも良いけれど、お重に詰めた彩り豊かな和食があれば、より風情を楽しむことができるはず。今の時季ならではの食材もたっぷり取り入れて、春満開の今回の献立。どうぞ、みなさんでご賞味ください。

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2017年03月23日作成

開花宣言!お花見の予定は決まりましたか?

【連載】冨田ただすけさんの「旬の献立」
Vol.5-風情があるね!桜の木の下、お重弁当
今年もお花見シーズン到来!「年に一度のお楽しみ」と、開花予想をチェックしながら計画を立てている方は多いのではないでしょうか。限られた時期しか開催できない宴なだけに、準備はしっかりと行いたいところ。いついく?どこにいく?…そして、なに食べる!?

「桜の木の下で食べるなら、やっぱり和食が一番!」そう思えるような、風情のあるお弁当を作って持参しませんか?そこで、今回も料理研究家の冨田ただすけさんが、お花見気分がグッと盛り上がるような和食のお弁当メニューを考えてくれました。

お花見弁当を彩る「旬の食材」は?

桜の花と同じように、今の時季にしか食べられない食材を取り入れると「春」という季節をより強く感じることができます。

鯛、たけのこ、えんどう豆

鯛は、産卵期直前の桜の季節が旬。今の時期に獲れるものは「桜鯛」とも呼ばれ、脂がのって美味しいという特長があります。たけのこは言わずと知れた春の風物詩。えんどう豆は、風味が良いので、できればさや付きのものを用意してください。

鯛は、産卵期直前の桜の季節が旬。今の時期に獲れるものは「桜鯛」とも呼ばれ、脂がのって美味しいという特長があります。たけのこは言わずと知れた春の風物詩。えんどう豆は、風味が良いので、できればさや付きのものを用意してください。

冨田さんが考えてくれた「本日の献立(おしながき)」

お弁当の献立を考えるときには、「色合い」や「味」のバランスを気にすることが大事!甘いもの、しょっぱいもの、酸っぱいものなどバランスよく組み合わせて、彩も意識しましょう。

【主食】おにぎり2種(梅ごはん、豆ごはん)

塩味とだし味の、味付けの違う2種類のおにぎり。どちらも、冨田さんのご家族が大好きな炊き込みご飯。おにぎりにすると、なぜかより美味しく食べられるそうです。

【主菜】鯛のつけ焼き

旬の鯛を使った、贅沢な焼き魚。満開の桜に似合う、おめでたい雰囲気を演出してくれる一品

【主菜】牛肉のしぐれ煮

ごはんにも、酒の肴にも合うシンプルおかず。保存もきくのでお弁当のおかずにも便利です。

【副菜】たけのこのきんぴら

たけのこは煮物や炊き込みご飯などが定番ですが、実はシンプルにきんぴらにしても美味。今回は、生たけのこの「あく抜き」方法もご紹介。

【副菜】さつまいものレモン煮

箸休み的な一品。レモンの酸味を効かせた甘煮で、常備菜にもおすすめ。

【副菜】いんげんのごま和え

こちらも箸休み的な一品。他の料理を食べたあとの口をさっぱりさせるために、今回は少し控えめな味付けに。

お出かけ当日は忙しいから。事前にできるだけ準備をしておこう!

みんなで食べるお花見弁当とだけあって、今回の献立は少し多め。これを全部、当日の朝に作るとなるとかなり大変です。でも、大丈夫!前日に準備をある程度進めておけるので、気が滅入るくらい早起きをする必要はありません。

せっかく旬の食材だから、たけのこの「あく抜き」を覚えてみない?

献立のひとつ「たけのこのきんぴら」は、市販のゆでたけのこを活用しても良いですが、せっかく生のたけのこが手に入りやすい時期なので、この機会に「あく抜き」方法をおさらいしましょう。
必要なのは米ぬかと唐辛子。スーパーに行くと、生たけのこの傍にセットで売っていることも。

献立のひとつ「たけのこのきんぴら」は、市販のゆでたけのこを活用しても良いですが、せっかく生のたけのこが手に入りやすい時期なので、この機会に「あく抜き」方法をおさらいしましょう。
必要なのは米ぬかと唐辛子。スーパーに行くと、生たけのこの傍にセットで売っていることも。

ぐつぐつと煮込むこと2時間。おいしく食べるため…と言い聞かせ、気長に待ちましょう。ゆで汁ごと冷蔵庫にいれておけば3~4日持つので、時間があるタイミングに挑戦してみて。

ぐつぐつと煮込むこと2時間。おいしく食べるため…と言い聞かせ、気長に待ちましょう。ゆで汁ごと冷蔵庫にいれておけば3~4日持つので、時間があるタイミングに挑戦してみて。

たけのこのあく抜きの方法
根本はいちょう切りに、穂先は繊維に沿って切ったら、フライパンで炒め、合わせ調味料で煮詰めて完成。あく抜きの手間に比べて調理はお手軽です。

根本はいちょう切りに、穂先は繊維に沿って切ったら、フライパンで炒め、合わせ調味料で煮詰めて完成。あく抜きの手間に比べて調理はお手軽です。

あとは焼くだけの状態に。鯛も漬け込んでおこう

下ごしらえやつけだれに漬けておく時間を考えると、「鯛のつけ焼き」も前日に準備を進めておきたいところ。ポイントは、漬け込んだあとのタレを捨てずに取っておくこと!実は、焼くときにも必要になります。

下ごしらえやつけだれに漬けておく時間を考えると、「鯛のつけ焼き」も前日に準備を進めておきたいところ。ポイントは、漬け込んだあとのタレを捨てずに取っておくこと!実は、焼くときにも必要になります。

保存がきくおかずは…作っちゃう!

さつまいものレモン煮、牛肉のしぐれ煮は常備菜としても便利なおかず。前日に作ってしまっても、十分美味しく食べられます。いんげんも前日の夜であれば茹でて、和えるだけの状態にしておいてOK。

さつまいものレモン煮、牛肉のしぐれ煮は常備菜としても便利なおかず。前日に作ってしまっても、十分美味しく食べられます。いんげんも前日の夜であれば茹でて、和えるだけの状態にしておいてOK。

当日調理は「おにぎり」と「仕上げ」

前日にここまで準備を進めておけば、あとは「おにぎり2種」と仕上げの調理、そしてお重に盛り付ければ完成。おせち以来の重箱の登場にテンションも上がってきそう!

「梅ごはん」と「豆ごはん」どちらも炊飯器にセットするだけ。

【連載】冨田ただすけさんの「旬の献立」
Vol.5-風情があるね!桜の木の下、お重弁当
だしベースの梅ごはん、塩ベースの豆ごはんともに、具材と調味料を入れて炊飯器で一緒に炊き込む簡単レシピ。
豆の色が多少くすんでしまっても「こればっかりは、色を気にせず、はじめから炊き込んでほしい」と、美味しさへの冨田さんのこだわりでもあります。

豆の色が多少くすんでしまっても「こればっかりは、色を気にせず、はじめから炊き込んでほしい」と、美味しさへの冨田さんのこだわりでもあります。

仕上げの調理は、なんだか小粋

他の料理とのバランスで味付けを控えめにした和え衣といんげんを和え、下漬けしておいた鯛を焼きます。焼きあがった鯛には、予め取っておいたつけだれを上から塗って味を重ねていきます。(ちょっと小料理屋風で気分があがります。)

他の料理とのバランスで味付けを控えめにした和え衣といんげんを和え、下漬けしておいた鯛を焼きます。焼きあがった鯛には、予め取っておいたつけだれを上から塗って味を重ねていきます。(ちょっと小料理屋風で気分があがります。)

あとは「盛り付け」。知りたい!お重の上手な詰め方とは?

メインの料理は「奥」に

お弁当は基本的に左奥から隙間なく詰めていきますが、お重に詰めるときは、どこを手前とするか決めて、手前より「奥」にメインの料理が来るように詰めるのがポイント。開けたときにパッと目につき、印象がグンと良くなります。

また、大きな重箱は料理の品数もたくさん必要なので、そのぶん盛り付けが難しくなります。これからお重を揃えてみようという初心者には、おかず2~3品にちょうどいいサイズを選ぶと、お弁当箱に詰める感覚で使いやすく、おすすめです。

お弁当は基本的に左奥から隙間なく詰めていきますが、お重に詰めるときは、どこを手前とするか決めて、手前より「奥」にメインの料理が来るように詰めるのがポイント。開けたときにパッと目につき、印象がグンと良くなります。

また、大きな重箱は料理の品数もたくさん必要なので、そのぶん盛り付けが難しくなります。これからお重を揃えてみようという初心者には、おかず2~3品にちょうどいいサイズを選ぶと、お弁当箱に詰める感覚で使いやすく、おすすめです。

一緒に食べても美味しいものは、仕切らず隣り合わせに

汁気のあるものは、詰める前にしっかり汁を切ったり、カップに入れたりするのは基本。でも、味が混ざっても問題ないものは無理に仕切らず、隣り合わせにすれば盛り付けやすくなります。例えば、今回の献立の「牛肉のしぐれ煮」と「たけのこのきんぴら」は一緒に食べても美味しいくらいなので隣同士に詰めましょう。

汁気のあるものは、詰める前にしっかり汁を切ったり、カップに入れたりするのは基本。でも、味が混ざっても問題ないものは無理に仕切らず、隣り合わせにすれば盛り付けやすくなります。例えば、今回の献立の「牛肉のしぐれ煮」と「たけのこのきんぴら」は一緒に食べても美味しいくらいなので隣同士に詰めましょう。

お重の高さに合わせて、おにぎりを握る

おにぎりをきれいに詰めるには、お重のサイズにおにぎりを合わせるのが得策。今回のお重には俵に結ぶとバランスよく収まります。梅ごはんだけ海苔を巻いて、2種類のおにぎりにメリハリをつける工夫も見た目を楽しませてくれます。

おにぎりをきれいに詰めるには、お重のサイズにおにぎりを合わせるのが得策。今回のお重には俵に結ぶとバランスよく収まります。梅ごはんだけ海苔を巻いて、2種類のおにぎりにメリハリをつける工夫も見た目を楽しませてくれます。

お花見弁当を携えて、いざお花見へ!

おしゃれなお花見弁当ができたなら、お出かけスタイルにもこだわりたくなりそう!冨田さんのカゴバッグ使いや、お重の包み方…真似したいポイントが見つかりましたか?

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桜の木の下で「いただきます!」

【連載】冨田ただすけさんの「旬の献立」
Vol.5-風情があるね!桜の木の下、お重弁当
見上げれば満開の桜、手元には春らしい食材をふんだんに取り入れたお花見弁当。見た目の華やかさと美味しさに、きっと笑顔も満開になるはず。今年のお花見は、風情のある宴を楽しんでみてはいかがですか?

今回ご紹介したレシピ

梅ごはん

【連載】冨田ただすけさんの「旬の献立」
Vol.5-風情があるね!桜の木の下、お重弁当
梅ごはんの作り方

豆ごはん

【連載】冨田ただすけさんの「旬の献立」
Vol.5-風情があるね!桜の木の下、お重弁当
豆ごはんの作り方

鯛のつけ焼き

【連載】冨田ただすけさんの「旬の献立」
Vol.5-風情があるね!桜の木の下、お重弁当
鯛のつけ焼きの作り方

牛肉のしぐれ煮

【連載】冨田ただすけさんの「旬の献立」
Vol.5-風情があるね!桜の木の下、お重弁当
牛肉のしぐれ煮の作り方

たけのこのきんぴら

【連載】冨田ただすけさんの「旬の献立」
Vol.5-風情があるね!桜の木の下、お重弁当
たけのこのきんぴらの作り方

さつまいものレモン煮

【連載】冨田ただすけさんの「旬の献立」
Vol.5-風情があるね!桜の木の下、お重弁当
さつまいものレモン煮の作り方

いんげんのごま和え

【連載】冨田ただすけさんの「旬の献立」
Vol.5-風情があるね!桜の木の下、お重弁当
いんげんのごま和えの作り方

料理研究家・冨田ただすけ

大学卒業後、食品メーカー勤務や日本料理店での修業を経て2013年に料理研究家として独立。
忙しい現代の家庭環境のなかでも、作り手の心のこもった、素朴で体にしみ込むような家庭料理を大切にしてほしいという思いから、家で作りやすい和食レシピを考案し、届けている。和食レシピサイト「白ごはん.com」運営。近著に『2皿で完結!和のラクうま定食』『冨田ただすけの和定食』などがある。

大学卒業後、食品メーカー勤務や日本料理店での修業を経て2013年に料理研究家として独立。
忙しい現代の家庭環境のなかでも、作り手の心のこもった、素朴で体にしみ込むような家庭料理を大切にしてほしいという思いから、家で作りやすい和食レシピを考案し、届けている。和食レシピサイト「白ごはん.com」運営。近著に『2皿で完結!和のラクうま定食』『冨田ただすけの和定食』などがある。

白ごはん.com:おもてなしから基本まで いちばん丁寧な和食レシピサイト
おもてなし料理のレシピから和食の基本(定番ごはん・おかず)の作り方まで紹介。いちばん丁寧な和食レシピサイトです。
■食器類クレジット
【TIME & STYLE】(お重)重箱(中)四角ちらし/呉須、極七宝/呉須、角松皮菱/赤絵
【COVO】(お弁当箸)MilMil Chopsticks 6膳セット
【東屋】(鯛のつけ焼き)光春 海鼠釉 6寸皿/(牛肉のしぐれ煮)光春 とり皿 柞灰/(たけのこのきんぴら)木瓜角皿 正角/(おにぎり)薬味俎板宮島 六寸半 しゃもじ
【iittala】(さつまいものレモン煮)Kartio ボウル390ml

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