開花宣言!お花見の予定は決まりましたか?
「桜の木の下で食べるなら、やっぱり和食が一番!」そう思えるような、風情のあるお弁当を作って持参しませんか?そこで、今回も料理研究家の冨田ただすけさんが、お花見気分がグッと盛り上がるような和食のお弁当メニューを考えてくれました。
お花見弁当を彩る「旬の食材」は?
鯛、たけのこ、えんどう豆
冨田さんが考えてくれた「本日の献立(おしながき)」
【主食】おにぎり2種(梅ごはん、豆ごはん)
【主菜】鯛のつけ焼き
【主菜】牛肉のしぐれ煮
【副菜】たけのこのきんぴら
【副菜】さつまいものレモン煮
【副菜】いんげんのごま和え
お出かけ当日は忙しいから。事前にできるだけ準備をしておこう!
せっかく旬の食材だから、たけのこの「あく抜き」を覚えてみない?
献立のひとつ「たけのこのきんぴら」は、市販のゆでたけのこを活用しても良いですが、せっかく生のたけのこが手に入りやすい時期なので、この機会に「あく抜き」方法をおさらいしましょう。
必要なのは米ぬかと唐辛子。スーパーに行くと、生たけのこの傍にセットで売っていることも。
ぐつぐつと煮込むこと2時間。おいしく食べるため…と言い聞かせ、気長に待ちましょう。ゆで汁ごと冷蔵庫にいれておけば3~4日持つので、時間があるタイミングに挑戦してみて。
根本はいちょう切りに、穂先は繊維に沿って切ったら、フライパンで炒め、合わせ調味料で煮詰めて完成。あく抜きの手間に比べて調理はお手軽です。
あとは焼くだけの状態に。鯛も漬け込んでおこう
下ごしらえやつけだれに漬けておく時間を考えると、「鯛のつけ焼き」も前日に準備を進めておきたいところ。ポイントは、漬け込んだあとのタレを捨てずに取っておくこと!実は、焼くときにも必要になります。
保存がきくおかずは…作っちゃう!
さつまいものレモン煮、牛肉のしぐれ煮は常備菜としても便利なおかず。前日に作ってしまっても、十分美味しく食べられます。いんげんも前日の夜であれば茹でて、和えるだけの状態にしておいてOK。
当日調理は「おにぎり」と「仕上げ」
「梅ごはん」と「豆ごはん」どちらも炊飯器にセットするだけ。
豆の色が多少くすんでしまっても「こればっかりは、色を気にせず、はじめから炊き込んでほしい」と、美味しさへの冨田さんのこだわりでもあります。
仕上げの調理は、なんだか小粋
他の料理とのバランスで味付けを控えめにした和え衣といんげんを和え、下漬けしておいた鯛を焼きます。焼きあがった鯛には、予め取っておいたつけだれを上から塗って味を重ねていきます。(ちょっと小料理屋風で気分があがります。)
あとは「盛り付け」。知りたい!お重の上手な詰め方とは?
メインの料理は「奥」に
お弁当は基本的に左奥から隙間なく詰めていきますが、お重に詰めるときは、どこを手前とするか決めて、手前より「奥」にメインの料理が来るように詰めるのがポイント。開けたときにパッと目につき、印象がグンと良くなります。
また、大きな重箱は料理の品数もたくさん必要なので、そのぶん盛り付けが難しくなります。これからお重を揃えてみようという初心者には、おかず2~3品にちょうどいいサイズを選ぶと、お弁当箱に詰める感覚で使いやすく、おすすめです。
一緒に食べても美味しいものは、仕切らず隣り合わせに
汁気のあるものは、詰める前にしっかり汁を切ったり、カップに入れたりするのは基本。でも、味が混ざっても問題ないものは無理に仕切らず、隣り合わせにすれば盛り付けやすくなります。例えば、今回の献立の「牛肉のしぐれ煮」と「たけのこのきんぴら」は一緒に食べても美味しいくらいなので隣同士に詰めましょう。
お重の高さに合わせて、おにぎりを握る
おにぎりをきれいに詰めるには、お重のサイズにおにぎりを合わせるのが得策。今回のお重には俵に結ぶとバランスよく収まります。梅ごはんだけ海苔を巻いて、2種類のおにぎりにメリハリをつける工夫も見た目を楽しませてくれます。
お花見弁当を携えて、いざお花見へ!
おしゃれなお花見弁当ができたなら、お出かけスタイルにもこだわりたくなりそう!冨田さんのカゴバッグ使いや、お重の包み方…真似したいポイントが見つかりましたか?
桜の木の下で「いただきます!」
今回ご紹介したレシピ
梅ごはん
豆ごはん
鯛のつけ焼き
牛肉のしぐれ煮
たけのこのきんぴら
さつまいものレモン煮
いんげんのごま和え
料理研究家・冨田ただすけ
大学卒業後、食品メーカー勤務や日本料理店での修業を経て2013年に料理研究家として独立。
忙しい現代の家庭環境のなかでも、作り手の心のこもった、素朴で体にしみ込むような家庭料理を大切にしてほしいという思いから、家で作りやすい和食レシピを考案し、届けている。和食レシピサイト「白ごはん.com」運営。近著に『2皿で完結!和のラクうま定食』『冨田ただすけの和定食』などがある。
【TIME & STYLE】(お重)重箱(中)四角ちらし/呉須、極七宝/呉須、角松皮菱/赤絵
【COVO】(お弁当箸)MilMil Chopsticks 6膳セット
【東屋】(鯛のつけ焼き)光春 海鼠釉 6寸皿/(牛肉のしぐれ煮)光春 とり皿 柞灰/(たけのこのきんぴら)木瓜角皿 正角/(おにぎり)薬味俎板/宮島 六寸半 しゃもじ
【iittala】(さつまいものレモン煮)Kartio ボウル390ml
鯛は、産卵期直前の桜の季節が旬。今の時期に獲れるものは「桜鯛」とも呼ばれ、脂がのって美味しいという特長があります。たけのこは言わずと知れた春の風物詩。えんどう豆は、風味が良いので、できればさや付きのものを用意してください。