食欲を刺激する魅惑のかほり「カレー」
前回の連載が公開され、次回は…というタイミングで、料理研究家の冨田さんから『カレーうどん』のご提案とともに、こんな一文が添えられていました。
その頃は夏の真っ盛りで、食欲も減退気味。意外なメニューに少し驚きましたが、街なかでカレーの匂いが漂ってくると、確かに食欲をそそられる…。しかも、冨田さんによると「暑いときは麺を冷たくして、熱々のカレーうどんつゆをかける“冷やあつ”がおすすめ」とのこと。(名古屋エリアではメジャーな食べ方だとか)
そこで今回は、暑くても食べやすい『カレーうどん』と夏野菜を使った副菜で献立を作っていただきました。
ある意味、コレもそうだよね。今回用意した「旬」の食材は?
夏野菜(なす、ピーマン)、カレー粉
冨田さんが考えてくれた「本日の献立(おしながき)」
【主食】カレーうどん
【副菜】なすの煮びたし
【副菜】ピーマンの塩昆布和え
すきま時間を活用!副菜は、あらかじめ作って冷蔵庫にスタンバイ
なすは切り方にひと工夫
なすの下ごしらえのポイントは、皮目に浅い切れ込みを2~3mm間隔で細かく入れること。味が染みこみやすくなるだけでなく、食べるときに皮が噛み切りやすくなります。
油は多めに、まずは皮から炒めて
今回は揚げずにフライパンで手軽に調理するレシピ。しかし、なすの色をきれいに仕上げるには、多めの油で皮をしっかりコーティングしてあげることが大事です。油と相性が良い食材なので、味わいもコクが出て美味しくなりますよ。
皮面が全体的にきれいな紫色になったら返し、残りの面も軽く焼き、出汁やしょうゆなどで合わせた調味料を加えます。ぐつぐつと3分ほど煮たら、保存容器に煮汁ごと移しておきましょう。
冨田さん式「無駄のないピーマンの切り方」は覚えるべし
レシピと一緒に〈白ごはん.com〉で紹介されている「ピーマンの切り方」。ピーマンの頭部分を切り落とさずに、へただけをポロリと取って、種やワタを手で取り除く方法です。捨てる部分がほんの少しで済むので是非試してみて!
簡単&時短で完成!茹でて冷やして合わせるだけ
シャキッとした歯ごたえを楽しむため、ピーマンの茹で時間はわずか30秒程度。茹で上げたら、冷水にとってすぐに冷やします。
キッチンペーパー等でピーマンの水気をしっかりふき取り、塩昆布と千切りした生姜を合わせて完成。合わせる分量は味を見ながら好みで調整すると良さそうです。生姜が加わることで格段と風味が良くなります◎
盛り付けをして、冷蔵庫へ
すぐに食卓に出せるように、器に盛り付けた状態で冷蔵庫に入れておきましょう。「ピーマンの塩昆布和え」は小鉢に、つゆをたっぷりかけたい「なすの煮びたし」は少し深さのある器に盛り付け、最後に刻みねぎを散らして彩りも美しく。
意外と新鮮!?改めて「カレーうどん」を作る
具材はシンプルに4種類
カレーとはまた違い、カレーうどんに用意したい食材は「ねぎ」「油あげ」「豚バラ肉」「かまぼこ」の4種類。それぞれ画像のように切って下ごしらえします。
カレー粉登場!とろみ付けの材料を用意。ポイントは?
一般的なとろみ付け=片栗粉のみを使うことが多いですが、小麦粉を併用することがポイント。カレーうどんのつゆに適度な“ドロっと感”が出て、食べ応えがアップします。ただし、小麦粉はダマになりやすいので、だし汁などでしっかりと溶いておくことも忘れずに。とろみ付けの材料は、火を使う調理に入る前に用意しておきましょう。
調理はフライパンが便利です
調理にはお鍋よりフライパンの方がおすすめ。ねぎと豚肉を炒めて塩でほんの少し下味をつけたら、だし汁を加えて油あげとかまぼこを投入します。アクを取りながら、うどんつゆの調味料を加えて1~2分煮込み、具材にしっかり火を通していきます。
とろみ付けの前に、うどんを茹でて「冷や」に
今回は“冷やあつ”で食べるカレーうどんなので、「冷やしたときにしっかりとコシが出る“生うどん”がおすすめ」と冨田さん。一般的にスーパーで売られている袋入りのゆでうどんよりも、茹でる時間はかかりますが、せっかくなら麺にもこだわりたいところ。
仕上げのとろみ付けは大きく混ぜて
とろみ付けの材料は、投入前に再度しっかり混ぜて。火を少し強めて、フライパンの中を底から大きく混ぜながら加えていきます。ドロっとしてくると同時に、食欲を刺激するスパイシーな香りが立ち込めてきました。
カレーうどんのつゆをかけたら…とにかくすぐに食卓へ
氷水で冷やした麺の上から、熱々のカレーうどんつゆをかけます。時間が経つと、うどんもつゆもぬるくなってしまうので急いで食卓へ。副菜は冷蔵庫から出すだけなので、あらかじめ盛り付けておいて正解でしたね!
ぬるくなる前に「いただきます!」
熱々のカレーうどんつゆと、冷たいうどんのコラボレーションは想像以上に絶品。なにより、暑いときでも食べやすいから嬉しい!
この“冷やあつ”という食べ方、実は名古屋にあるカレーうどんの名店として知られる「鯱乃屋(しゃちのや)」と、冨田さんがかつて一緒に仕事をしたときに教えてもらったそう。
辛さ控えめ、家族みんなで楽しめる“冷やあつ”カレーうどんを暑い季節の定番メニューにしてみませんか?
今回ご紹介したレシピ
カレーうどん
なすの煮びたし
ピーマンの塩昆布和え
料理研究家・冨田ただすけ
大学卒業後、食品メーカー勤務や日本料理店での修業を経て2013年に料理研究家として独立。
忙しい現代の家庭環境のなかでも、作り手の心のこもった、素朴で体にしみ込むような家庭料理を大切にしてほしいという思いから、家で作りやすい和食レシピを考案し、届けている。和食レシピサイト「白ごはん.com」運営。近著に『2皿で完結!和のラクうま定食』『冨田ただすけの和定食』などがある。
【東屋】(カレーうどん)丼鉢 薫
そろそろ食べつくした感もある「夏野菜」。レシピの幅を広げれば、まだまだ美味しく楽しめます。そして、暑い季節と相性の良いスパイス「カレー粉」も旬の食材に仲間入り。今回は、お馴染みのヱスビー『赤缶カレー粉』を使います。なんと30種類以上のスパイスがブレンドされているそう。