たっぷり袋詰めされた「夏野菜」。どう使い切る?

美味しく全部食べきりたい!そんな思いに救いの手を差しのべてくれるのは、料理研究家の冨田ただすけさん。余らせてしまいがちな夏野菜をふんだんに取り入れた、普段の晩ごはんにもおすすめの献立を考えてもらいました。
日の長さに、つい寄り道したくなる。今回用意した「旬」の食材は?
きゅうり、トマト、ピーマン

冨田さんが考えてくれた「本日の献立(おしながき)」
【主菜】ピーマンの肉詰め
【副菜】トマトサラダ
【副菜】きゅうりの和風ピクルス
【汁物】きゅうりのみそ汁
【主食】白ごはん
きゅうりを使った2品は、手の空いているときに事前準備

ピクルス用のきゅうりはそのままですが、おみそ汁用は皮をピーラーでむきます。このひと手間がまず、美味しく食べられるポイントのひとつ。さらに、全部むいてしまわず少し残すことで、グリーンの色味が活きて見た目がおしゃれに。
塩を馴染ませ、余分な水分を抜いてから漬け込みます

ピクルスは、きゅうりの他にスライスしたセロリと玉ねぎも合わせて。重量2%分の塩をまぶし、重しをして30分ほど置いておきます。こうして余分な水分を抜いておくことで、ピクルス液が薄まらずにしっかり漬けることができるそう。

保存容器で漬けて、そのまま約2週間美味しく食べられる!さっぱりとした夏の常備菜としても◎
半日置いたら…青臭くない!美味しい!

皮をむくことで青臭さを抑えたものの、作りたての状態ではやっぱりビミョウな味わい…。でも、一度火を通して冷蔵庫で半日ほど置いておくと、おみそ汁の味がしっかり染みこんですっかり美味しく!是非ビフォー・アフターを試してみて。手の空いた日中に、夕ごはんのおみそ汁を作っておけるメリットもありますね。
和えるだけなのに、風味がとっても豊か

トマトサラダは、なんとなく和食の献立に合わなそうなイメージですが、かつお節と刻んだ生姜を加えて調味料と和えることでグッと風味と味わいが豊かに。もちろん、和えるだけなので簡単調理です。
難しくないけど大事な工程が多い「ピーマンの肉詰め」
焼いたらお肉とピーマンがバラバラに…を防ぐコツ

半分にカットして種を取り除いたピーマンに、茶漉しなどを使って小麦粉を全体に薄くふります。打ち粉をすることで、焼くときに肉だねとピーマンがしっかり密着。はがれにくくなります。
“こんもり”詰めてジューシー&食感アップ

肉だねもしっかりと詰めて。そして、少し“こんもり”とさせるくらいにすると、焼き上がりがジューシーになり、食べ応えもでます。子どもも楽しめる作業なので、お子さんと一緒に作ってもいいかも知れませんね。
肉だねを下に⇒返す⇒蒸し焼きの3STEP

焼き方は3ステップ。まずは、肉だねを下にして焼き色がつくまで焼いたら返します。30秒ほどピーマンを焼いたら蓋をして蒸し焼きに。肉汁の状態を確認しながら火を通していきます。

十分火が通ったら先に器に盛り付け、特製ソース作りに取り掛かりましょう。
特製ソースは肉汁を活かしちゃいます!

フライパンに残ったジューシーな肉汁を、そのまま使って特製ソースを作ります。調味料はケチャップと醤油とみりん。フライパンを洗うのも少しラクになって、思わず感動!
洋食器に“ワンプレート”がよく似合う

盛り付けはピーマンの肉詰めと副菜をワンプレートに。グリーンをベースに、トマトのアカがアクセントになって彩りもきれい。

冨田さんはイッタラのプレートをチョイス。北欧食器とも相性抜群です。和食でありながら、洋食屋さんのおかずプレートみたいで食卓が楽しい雰囲気になりますね!
“今日はピーマンの肉詰めね!”歓声とともに「いただきます」

ピクルスとおみそ汁は、同じきゅうりとは思えないほど食感も味も全然違って、飽きることなくそれぞれ美味しく食べられます。調理と味付けでこんなに楽しめるんだ…改めて、料理ってすごい!
せっかくお買い得なんだから、献立を工夫して、旬の夏野菜を賢く美味しくいただきましょう。
今回ご紹介したレシピ
ピーマンの肉詰め

トマトサラダ

きゅうりの和風ピクルス

きゅうりのみそ汁

料理研究家・冨田ただすけ

大学卒業後、食品メーカー勤務や日本料理店での修業を経て2013年に料理研究家として独立。
忙しい現代の家庭環境のなかでも、作り手の心のこもった、素朴で体にしみ込むような家庭料理を大切にしてほしいという思いから、家で作りやすい和食レシピを考案し、届けている。和食レシピサイト「白ごはん.com」運営。近著に『2皿で完結!和のラクうま定食』『冨田ただすけの和定食』などがある。
【東屋】(白ごはん)花茶碗 土灰
【iittala】(おかず)Teema プレート21cm パールグレー、ドッテドブルー/(お茶グラス)Aino aalto タンブラー クリア、グレー
【SKRUF】(お茶)IA ジャグ 40cl
【SCOPE】(テーブルクロス)Fabric of the day Spring Diamond
【木屋】打ち出しフライパン 260mm
どれも手軽に手に入る、身近な「夏野菜」。濃いグリーンにアカ――つやつやとした鮮やかな見た目は元気をくれそうですよね。夏野菜には、夏バテなど暑い季節ならではの“体の不調”を和らげてくれる栄養も含まれているのだとか。