ひなまつり、卒業式etc. お祝い事が多い時期がやってきました
おめでたい日の食卓に相応しい、華やかなパーティーメニューを和食で用意するなら、どんな献立が良いのでしょうか。そこで、今回も料理研究家の冨田ただすけさんが、子どもたちも喜ぶ、『ハレの日』におすすめの“和食のご馳走”を考えてくれました。
春は、すぐそこまで。ウキウキしながら用意した「旬の食材」は?
あさり、絹さや、木の芽
冨田さんが考えてくれた「本日の献立(おしながき)」
【主食】ちらし寿司
【主菜】和風ローストチキン
【副菜】マカロニサラダ
【汁物】あさりのお吸い物
“ご馳走”だけど気負わず作れる。これ、重要です。
パーティーに向けて、前日までに作っておきたいもの
様々な具材を用意する必要があるちらし寿司は、全てを当日に…となると、冨田さんでも億劫になってしまうというほど大変な作業。そこで、作り置きできる「干し椎茸の煮物」「酢れんこん」の二品は、前日までに準備しておくのがおすすめです。「錦糸卵」も冷蔵・冷凍保存がきくので、時間があるときに作っておいても◎
コツを知れば、プロみたいな錦糸卵も簡単にできちゃった!
薄く焼いた卵焼きを刻んで作る錦糸卵は、焼き加減が難しく、焼き色がついて失敗…なんてことも。フライパンをジュッと濡れ布巾にあてて、余熱でじんわりと卵に火を通すことが、焼き過ぎないコツです。これだけで、きれいな黄色の錦糸卵になるので是非試してみて。
下味をつけたら、あとはオーブンにお任せ
お醤油としょうがで、シンプルに下味をつけた手羽元を、オーブンで焼き色がつくまで焼くだけ。調理方法もシンプルな和風ローストチキンは、冨田さんの娘さん(小学三年生)も大好物の一品。香ばしい匂いに、ご馳走へのワクワク感も高まります。
サラダとお吸い物も、作り方はとってもシンプル
マカロニに「ツナ缶」と「ピーマン」を合わせるのが、冨田さんの定番マカロニサラダ。意外な組み合わせですが、ちょっぴり和風の味付けとよく合い、新鮮な美味しさです。今回は、旬の食材の絹さやも加えて、春らしさもアップ。
お吸い物は、砂抜きしたあさりと昆布を水からじっくり煮出します。アクをしっかりとりながら、あさりのうまみをたっぷりと引き出した出汁に、調味料を少々。仕上げに三つ葉をちらせばグッと華やかな印象になります。
メインのちらし寿司は盛り付けにもこだわって!
彩り豊かに、具材を揃えて
予め用意していた、味付けのベースとなる具材+季節感や豪華さを演出する具材をバランスよく揃えると、ちらし寿司が美味しく華やかにまとまります。今回は、塩ゆでした絹さや、いくらの醤油漬け(市販品でもOK)などが後者。
酢飯を作ったら、いよいよ、ちらし寿司の盛り付けにはいります。
上手に盛り付けるには、順番があった!
ちらし寿司を作る工程の中でも、非常に重要な盛り付け。センスが問われる?いえいえ、ルールを守って順番に盛り付けていけば大丈夫。酢飯⇒きざみ海苔⇒錦糸卵⇒具材の順に重ねていきます。最後に、繊細な葉の形をした木の芽をちらせば可憐な印象に。もし、木の芽が入手できないときは、さっとゆでた菜の花や三つ葉といった、香りの強い食材で代用しても春らしく仕上がります。
子どもたちが喜ぶ!ワンプレートで“ご馳走感”アップ
ちらし寿司を盛り付けたら、おかずやサラダも一緒に「ワンプレートごはん」にすると、より華やかで、見た目を楽しませてくれます。お弁当に使う仕切りや、サニーレタスなどの葉物をちぎって、味がちらし寿司に移らないように気をつけて。マカロニサラダは小鉢に一人分ずつ取り分けて、器ごと載せても素敵です。
「おめでとう!」とともに、「いただきます」
今回ご紹介したレシピ
ちらし寿司
和風ローストチキン
マカロニサラダ
あさりのお吸い物
料理研究家・冨田ただすけ
大学卒業後、食品メーカー勤務や日本料理店での修業を経て2013年に料理研究家として独立。
忙しい現代の家庭環境のなかでも、作り手の心のこもった、素朴で体にしみ込むような家庭料理を大切にしてほしいという思いから、家で作りやすい和食レシピを考案し、届けている。和食レシピサイト「白ごはん.com」運営。近著に『2皿で完結!和のラクうま定食』『冨田ただすけの和定食』などがある。
潮干狩りでお馴染みの「あさり」は、これからの時季が旬。エンドウを若採りした「絹さや」と、山椒の若葉である「木の芽」も、春の訪れを感じさせる食材です。