うなぎを食べるだけじゃない、土用の丑の日とは?
「土用」と聞くと多くの人が思い浮かべるのが「丑の日のうなぎ」かもしれません。日本の夏の代表的な食べ物ですね。そもそも何のために「土用の丑の日」にうなぎを食べるのでしょうか?
春夏秋冬全てにある「土用」は季節の変わり目のタイミング
実は春夏秋冬全てに「土用」と呼ばれる期間があります。次の季節の四立(立夏・立秋・立冬・立春)直前の約18日間(17~19日)がそれに当たり、季節の変わり目のため体に負担がかかりやすいタイミングです。いずれの土用も、特定日を選んで「食べると良い」とされている物があります。
2021年の土用の丑の日は「7月28日(水)」、夏土用の期間は「7月19日(月)~ 8月6日(金)」で、この土用が終わると翌日が立秋で、暦上では秋となります。
夏は「う」が付く、または「黒い物」を
夏の土用は、丑の日に「う」が付く物または「黒い物」が昔から食べられてきました。うなぎの蒲焼きはこの2つの条件を満たしており、現代では「土用=夏土用の丑の日」のイメージが定着していますね。それ以外にも、黒いしじみを「土用しじみ」として食べる他、なんと卵を「土用卵」と呼んで夏土用の食べ物にしていた風習もあったとか。
夏土用の食ベ物&おすすめレシピ
土用にうなぎを食べるのが定着したのは江戸時代頃からのようですが、夏痩せにはうなぎが良いという和歌は万葉集にも収められているそうです。その他、夏の土用に食べると良いとされた物は以下の通りです。
・うなぎ
・梅干し
・瓜(きゅうり・すいか、冬瓜など)
・うどん
・土用しじみ
・土用卵
・梅干し
・瓜(きゅうり・すいか、冬瓜など)
・うどん
・土用しじみ
・土用卵
うどん
暑い時期、ごはんよりうどんの方が喉を通りやすい事を考えると「食べやすく栄養が取れる物」をピックアップされている感じがあります。冷たいうどんに合う、おいしいつゆを手作りできると心強いですね。
梅干し
うなぎが定番の現代では意外ですが「梅干し」も夏土用の行事食材です。実際に梅の栄養効果は夏バテ予防に向いています。
・豊富なクエン酸で疲労を回復
・酸味で暑い時期の食欲をそそる
・手軽に塩分補給できる
・殺菌効果が高く食中毒の予防にも
・豊富なクエン酸で疲労を回復
・酸味で暑い時期の食欲をそそる
・手軽に塩分補給できる
・殺菌効果が高く食中毒の予防にも
枝豆とひじきと梅干しの炊き込みごはん
梅しそ味のミルフィーユかつ
とろろ昆布と梅干しのお吸い物
瓜(きゅうり・スイカなど)
夏が旬の瓜類としてきゅうりも夏土用の食材です。多量の汗をかくと体から失われるカリウムを豊富に含む野菜です。家庭菜園でもたくさん取れたり、出盛りはお手頃価格になるので、土用の頃は特に意識して食べる回数を増やしたいですね。
熱中症の対策として、水分補給だけでなく塩分とカリウムの摂取が重要です。
たたききゅうり
きゅうりと豚バラの塩昆布炒め
スイカ
スイカもきゅうりと同様にカリウムを多く含みます。フルーツとしておやつに食べる事が多いですが、野菜が足りないと感じたときはサラダの代わりにしたり、水やお茶をたくさん飲むのが苦手な人は水分補給として食べるのもおすすめ。瓜類は総じて体のほてりを抑えると言われているので、旬の時期は意識して食べたいですね。
スイカのサラダ
焼きスイカ
蒲焼きのアレンジレシピ
土用の定番といえば「うなぎの蒲焼き」ですが、「うなぎはお値段が張る」「ちょっとこってりしすぎ」というときは、ベースの食材を変えたり、別の一品料理にアレンジしてみましょう。
ちくわの蒲焼き
厚揚げの蒲焼き丼
豚バラ茄子の蒲焼き
う巻き
つい忘れそうな「旬」を思い出すきっかけに
栽培や養殖技術の発展で一年中食べられる食材も増えましたが、意味や理由がある「旬」に食べる事は先人の知恵に触れるきっかけにもなります。季節を身近に感じられるイベントとして楽しんでみてはいかがでしょうか。
例えば、夏においしい「きゅうりの梅干し和え」のように、意識せずとも季節に沿った組み合わせの物が自然と食卓に並んでいる事もあるかもしれません。行事に触れる事で「体が求める物はおいしい」という再確認をして、食べる事で体を労わる「食養生」を考えてみるのも、大切な暮らしの振り返りになるかもしれませんね。
だし汁で炊き上げるシンプルなレシピの炊き込みごはんです。暑い時期は、シンプルな具材で手間のかからないレシピだとキッチンに立つ時間の短縮にもなります。枝豆はタンパク質が豊富で、疲労回復に必要なビタミンB1を含む夏バテ防止食材なので体にもうれしい組み合わせですね。