幼児食、と一言で言っても実際は年齢によっても違いが出てきますし、摂りたい栄養素を効率よく摂るにはどうしたらいいのかと悩むものです。子どもによっても好き嫌いがあったり、食べムラがあるので、毎日の幼児食を決めるのに疲れてしまっているママやパパはたくさんいます。
難しく考えすぎると食事内容がワンパターンになりがちです。年齢別の注意点や栄養について理解しておくと、意外にレシピの応用は可能になっていきますよ。
幼児食時期に摂取しておきたい栄養素の大きなポイントのひとつに「鉄分」が挙げられます。鉄分は、脳の活動を促すために非常に重要だと考えられており、子どもの脳は3歳までには大人の8割程度の脳重量に達するのだそう。鉄分が不足すると脳の成長が低下し、運動機能や免疫機能に影響がある可能性が高いと言われているようです。
1日の食事の中で、最も大事なのは朝食です。たんぱく質を朝食に取ることで、成長ホルモンの分泌が促される効果が期待できます。しっかりとした体づくりの基本として必要な栄養素だといえます。
食事を開始したと同時に、なんでも食べてOK!というわけでもないんです。アレルギーなどの確認も必要ですし少しずつ年齢に合わせた食材を選んだ方が安心なので、年齢別にNG食材を知っておいてくださいね。
お刺身などで食べる生魚は消化が悪く、まだ消化機能が発達していない時期には適していません。また、食中毒の不安もあるので基本的には3歳以降に少量ずつ食べさせましょう。えびやかになどの甲殻類はアレルギーが出やすいので、NGです。
2歳〜3歳は生卵ではなくゆでたまごに!ちくわなど加工食品にも注意が必要
朝食の定番である生卵は、ついつい子どもにも食べさせたくなりますが、3歳を過ぎないと体の免疫力や消化機能が未熟なため避けてください。また、ちくわやウィンナーなどの加工食品は塩分も多いので、使用の際は茹でてから使うなど配慮が必要です。
初めての食品を食べた時、子どもがどんな症状を起こすとアレルギーなのか判断つかないこともあります。下痢やじんましんといった症状をイメージするかもしれませんが、他にも色々あるのです。
・目が痒くなったり充血する
・口の周りが赤くなる
・咳が出たり声が枯れる
このような症状もアレルギー症状です。アレルギー食品というのは食べてから2時間以内に症状が現れます。症状の重さは個人差があるので、疑わしい場合はすぐに病院を受診するようにしてください。
ビタミンやカルシウムをとり、ちょっとずつ体内の機能を整えていく時期です。まだまだ食事に慣れない子どもが多いので、焦らずに少量ずついろんな食材を試してみてください。ナッツ類やそばなどアレルギーが出やすいと懸念される食品はこの時期には与えずに様子をみましょう。
出典: かぼちゃにはビタミンが豊富に含まれていて、アレルギーも出にくいので小さな頃から食べてもらいたい食材です。1歳未満からも裏ごしして与えられますし、1歳からなら煮物にして小さくカットしてあげましょう。煮物は時間がかかって面倒に感じますが、レンジを使うと時短が可能です。
出典: うどんはたんぱく質が豊富で、消化に良いので小さくても安心して与えられます。うどんは小さめにカットして、薄めの味付けにするといいですよ。
自分で簡単にブールマ二エができる!じゃがいもやコーンを入れて「シチュー」
出典: シチューは刺激が少ないので子どもの体の負担が少なく、カルシウムやミネラルなど多くの栄養素が一気に摂れます。とろみつけになるブールマニエは、無塩バターと小麦粉があれば簡単に作ることができちゃいます。
出典: とろっとした餡にたっぷりの野菜を入れることで、子どもでも手軽に食べることができます。ご飯の上にかけても良し、うどんにかけても良しで万能です。
1歳半頃になると、だいぶ固形の食材を食べられるようになります。手先の感覚が成長していく時期なので、手掴みで食べることも多く、食事の際は基本的に子どもがいかに食べやすいかを考慮しながら作ることが大事です。まだまだ消化機能は未熟なので、肉であれば脂肪が少ないものを選ぶなどしたほうがよさそうです。
えのきやしいたけ…きのこたっぷりの「炊き込みご飯」
出典: きのこ類はビタミンやミネラル、食物繊維が豊富で1歳から1歳半の時期にありがちな便秘にも効果が期待できます。ご飯と一緒に食べるので、自然に取り入れられますし、小さなおにぎりにしてあげると一層食べやすいですよ。ただ、きのこ類は不溶性の食物繊維なので、大きいと消化しにくいので、1歳半のうちは小さくカットしましょう。
出典: 厚みがないささみは油で揚げずにフライパンで作ることができます。手軽ですし、子どももつかんで食べられるのでパクパクと食べてくれますよ。ささみには適度な脂肪と豊富なたんぱく質が含まれているので、理想的な食材です。
出典: ちょっと甘じょっぱい味が子どもでも食べやすく、味付けの調整もきくので小さな頃から食べさせてあげられます。ごはんにかけるだけで立派なおかずになりますし、冷凍しておくこともできるので、たくさん作って置いてもいいですよ。冷凍であれば1ヶ月程度は持ちます。
白身魚の王道・たらはふわふわになるのでおすすめ「酒蒸し」
出典: あっさりとして食べやすい白身魚は酒蒸しにすることで、ふんわりとした食感になります。酒蒸しといってもアルコール分は飛ばされるので子どもが食べてもOKですが、心配な場合はお水を少し足して蒸しましょう。
【2歳】大人と一緒に楽しめる味付けへステップアップ♪
だんだんと大人が食べている食事を食べたがったり、みんなで一緒に食事をすることに楽しさを覚える頃です。塩分や油分に気を付けさえすれば、そんなにNGな食材も無くなってくる時期でもあります。
定番のカレーをちょっとアレンジ!「ドライカレー 」
出典: 家庭の味とも言えるカレーは、2歳くらいから少しずつ与える家庭も多いです。まだまだ食べムラがある時期なので、カレーに慣れてきたら変わり種でドライカレー にしてみるのも1つの手です。細かに刻んだ野菜をたくさん入れることができるので、栄養もとりやすくなります。
ハムやキャベツ、レタスを入れて美味しい!熱が出た時にもおすすめな「野菜スープ」
ビタミンやカルシウムが多く、甘みがあるので子どもでも食べやすくて人気の野菜であるキャベツはスープにすると栄養を余すところなく食べることができます。キャベツがない時はレタスで代用してもOKですし、味付けのポイントとしてハムを使うと美味しいですが、使いすぎると塩分が多くなるので量は少なめにしましょう。
小さいうちから取り入れたい!鉄分豊富な「レバーの甘辛煮」
出典: 鉄分、ビタミン、たんぱく質が豊富に含まれていて子どもに食べさせたい!と思う人も多いレバーですが、調理方法も煮る時間などはかかりますが、簡単なので時間のない方でも取り入れやすいです。味付けも調整が効くので、ごはんのおかずに最適ですよ。
出典: たんぱく質と鉄分が豊富な牛肉を手軽に摂れて子どもにも大人気なメニューです。子ども用に甘めに作ってあげると、より食が進みます。
ほとんどNG食材がなくなる時期です。大人と同じものを一緒に食べることもできたり、ちょっと冒険した味付けも楽しめる頃なので、食事をする楽しさを教えやすいといえます。
出典: メインのおかずとして大人気の生姜焼きですが、豚肉はビタミンが豊富で幼児食にもおすすめです。子ども向けに甘めのタレで仕上げることによって、食べやすさがアップします。
出典: 天津飯は、あんの中にたくさんの野菜を入れることにって、子どもも食べやすくなります。卵のタンパク質と野菜の栄養素が組み合わせられるので、一石二鳥なメニューです。
出典: DHAが豊富で取り入れていきたい食材の鮭ですが、そのままだと食べない子どもも多いので、海苔巻きにするとおにぎり感覚でぱくぱく食べられます。一緒にチーズや野菜を入れても美味しいです。
出典: 揚げ物もOKになってくる時期なので、パリパリな春巻きは子どもが食感を楽しめておすすめです。具材も子どもの好きな食材を巻いても基本的に美味しく食べられるので、色々試してみてくださいね。
出典: キャベツたっぷりを入れることで野菜も摂れて、ソースの甘味で抵抗感なく子どもでも食べられます。ホットプレートで一緒に焼きそばなどと焼くと、目でも楽しめます。
出典: 牛肉に含まれている鉄分や豆腐のたんぱく質、その他野菜の栄養素など1つの鍋で多くの栄養が食べられるメニューです。甘いタレなので子どもでもパクパク食べられますし、親子で鍋を囲むということで食事の時間が楽しくなります。
意外な組み合わせ!「食パンとチンジャオロースのトースト」
出典: ビタミンCやカロテノイドなど、栄養素豊富なピーマンですが、子どもが苦手な野菜NO.1でもあります。そこで、子どもに人気のある食パンとチンジャオロースを組み合わせてトーストにすると意外に苦みが薄れ、食べやすくなるんです。少量のマヨネーズをかけてから焼くと、一層美味しいです。
【4歳】お弁当が必要なことも!作り置きレシピが便利で人気
幼稚園に通っている子も増えてくる年齢なので、場合によってはお弁当が必要になります。そこで、日々の食事にも役立つ作り置きや1品でもメインになるレシピがおすすめです。
お弁当の定番!ミートボールにもできちゃう優れものな「ハンバーグ」
出典: メインでもお弁当でも使い勝手の良いハンバーグは、タネの使い方によって色々変身させられるのも魅力の1つです。ミートボールにしてもよし、小さく形を整えて冷凍しておけばすぐにお弁当のおかずになります。
出典: 丼にすると美味しいマーボー豆腐ですが、辛さが気になって子どもには食べさせられないと思っている人も多いです。豆板醤を入れずに作ったり、量を調整することで子どもでも安心して食べることができます。豆腐のタンパク質は、必要な栄養素でもあるのでおすすめです。
市販のホワイトソースで楽ちん「なすのミートグラタン(ムサカ)」
出典: 野菜があまり得意じゃない子どもでも、グラタンにしてしまえば人気のメニューに早変わりです。ボリュームたっぷりに食べられるので大人も一緒に楽しめる1品です。
出典: ピラフ、と聞くとちょっと難しいイメージを持っている人も多いですが、炊飯器で簡単に作ることができます。エビやイカはもちろんのこと、ホタテを使ってもダシが出て美味しいです。
出典: 大人も子どもも大好きな丼物の豚丼は、手軽に作ることができますし、具材もバリエーション豊かに対応できるので忙しい親には持ってこいのメニューです。
離乳食だけでは不足しがちな栄養素をおやつで補う時期です。子どもが大好きなメニューをおやつであげると、適度に栄養が摂れてお奨めなので、参考にしてみてくださいね。
出典: 栄養満点のバナナは、筋肉を増やすのに欠かせないカリウムや、幸せホルモンとも呼ばれるセロトニンが豊富に含まれています。子どもが大好きなプリンと組み合わせることによって、なめらかな食感が楽しめます。
出典: カリウムや食物繊維が豊富で、腸内の働きを良くしてくれる効果が期待できます。子どもの好きな果物でもあり、そのまま食べるのに飽きてきたら蒸しパンにしてみると、違った味わいを楽しめます。
出典: 牛乳とゼラチンでつくるゼリーは、簡単だけどキレイな仕上がりになるので失敗知らずです。おやつに牛乳を使うことでカルシウムを自然に摂ることができておすすめです。
【3歳、4歳~】一緒に作るのもあり?噛んで味わうおやつ
歯が生え揃ってくることなので、しっかりと噛むことができる時期です。おやつもバリエーションが広がるので、色々試してみてくださいね。
手軽に作れて優しい甘ささつまいもの「スイートポテト」
出典: さつまいもは栄養もあって甘いので、子どものおやつとして魅力的な食材です。スイートポテトにすると香ばしさもプラスされますよ。
出典: 餅は、お腹を満たすことができるのでおすすめなおやつです。少し焼いてみたらしをつけて食べる団子は、初めての餅として取り入れやすいといえます。喉に詰まらないよう、小さめに作って食べさせてあげてくださいね。
出典: 生魚が食べられるようになったら、ひな祭りにはちらし寿司を食べましょう。マDHA豊富なマグロと春の魚である真鯛を組み合わせると、栄養も摂れて季節も感じられます。生魚がNGな年齢の場合は、フレークや錦糸卵、枝豆などで彩りを添えると良いです。
出典: 春らしいピンク色がひな祭りにぴったりのおやつです。滑らかな食感なので、食べやすくて土台になっているビスケットとの相性も抜群です。
鯉モチーフが可愛い!ちょっと変わり種の「いなり寿司」
出典: デコレーション、と聞くとちょっと難しそうと思っちゃいますが、くるっと巻くだけのいなり寿司の上に野菜を乗せるだけでOKなので簡単です。鯉のぼりの型をしているので目にも楽しめるメニューですよ。
出典: こどもの日といえば柏餅ですが、自宅で手作りすると餅の大きさも子どもに合わせて作ることができるので便利です。レンジの加熱で簡単に作ることができるので、試してみてくださいね。
出典: キラキラの星の大群である天の川をたっぷりの野菜と豚ひき肉で表現したビビンバは、食事として満腹感があります。野菜が苦手な子どもでもかわいらしい盛り付けでテンションが上がりますよ。
出典: 牛乳の寒天や果物を星型にして、ソーダと一緒にしたポンチです。甘さのあるソーダを使うと味の調整が不要で簡単です。
出典: ハロウィンといえばかぼちゃです。1口コロッケにすると食べやすいですし、カレー粉を加えることによって味にアクセントが出ておかずにもなりますよ。
出典: おばけやかぼちゃで飾り付けられることが多いハロウィンですが、お菓子もハロウィン仕様にするともっと雰囲気が出ます。立体的なクッキーは、生地を型抜きするわけじゃないので子どもも一緒に形を作ることができます。
出典: クリスマスはチキンやケーキでお祝いするのが一般的です。から揚げやグリルチキンもおいしいですが、手羽元でフライドチキンにすると豪華な雰囲気を演出することができます。
出典: クリスマスといえばケーキが定番ですが、ホールのケーキだと残してしまうことも多いです。1人ずつ食べられるようなトライフルがおすすめです。親子で一緒に作ることもできるので、クリスマスを楽しめますよ。
何かと悩みがちな幼児食ですが、1つのメニューでも具材を変えるだけでガラッと印象が変わりますし、年齢問わず食べることができます。年齢によって意識したいNG食材だけ注意していただけたら、メニューの幅が広がるので、試してみてくださいね。
幼児食時期に摂取しておきたい栄養素の大きなポイントのひとつに「鉄分」が挙げられます。鉄分は、脳の活動を促すために非常に重要だと考えられており、子どもの脳は3歳までには大人の8割程度の脳重量に達するのだそう。鉄分が不足すると脳の成長が低下し、運動機能や免疫機能に影響がある可能性が高いと言われているようです。