特に1人暮らしさんへ贈りたい。栄養不足にならない食事のヒント
出典: 記事を執筆しているいま(2020年4月15日 作成日時点)は日本で緊急事態宣言が発出されており、全国的に外出自粛、みんなで自主的な「おこもり生活」に取り組んでいる真っ只中です。
そんな今、心配事になるのが「毎日のお家ご飯で、栄養が偏っていないか」ということ。
ささっとご飯をすませてしまう・・・栄養ちゃんと、だいじょうぶ?
出典: 特に一人暮らしさんは、自分の分だけのご飯を用意するからこそ、栄養管理が適当になりやすい傾向にあるそう。これまでたまに外食をすることで栄養を補っていたという方もいるのでは。
外出自粛要請の生活のなかで、つい冷凍食品や、レトルト食品を買い込むことが増えて・・・・一日中手抜きをしたご飯で済ませてしまう、ということもあるのではないでしょうか。
運動量が減りやすい今、そのような栄養の偏りはとても心配です。不健康に繋がることはもちろん、免疫力が弱まってしまいます。
今回は、そのような栄養の偏りを防げるセルフチェック法として、「10食品群チェックシート」をご紹介します。
簡単なので、ぜひ暮らしに取り入れてみてくださいね。
10食品群の食事を勧める「10食品群チェックシート」とは?
10食品群チェックとは、その言葉のとおり、『1日に(ご飯等の主食に加えて)この10食品を食べることを目指してみましょう』という、食生活の指針となるもの。
もともとは高齢者の低栄養(栄養失調)予防のために考案されたものですが、毎日忙しくて外食続きの方、偏食傾向にある方やダイエット中の方など、実はどの世代にも使えるものなので、基礎知識としても役立ちますよ。
この食品群とは『肉・卵・牛乳(乳製品)・油・魚・大豆・緑黄色野菜・芋・果物・海藻』。体を作るために必要な「⾁・⿂・卵・⼤⾖・牛乳(乳製品)」の5種類と調⼦を整えるために必要な「緑⻩⾊野菜・果物・海藻」の3種類、そしてエネルギーのもとになる「芋・油」の2種類に分けられます。
食品群なので、そのカテゴリに当てはまるものなら基本的には、何でもOKです。
~10食品群~
(具体例)
1.肉・・・・・生鮮・加工品、すべての肉類
2.卵・・・・・鶏卵、うずらの卵
3.牛乳(乳製品)・・牛乳、ヨーグルト、チーズなど
4.油・・・・・油を使う料理、バターなど
5.魚・・・・・生鮮・加工品、すべての魚や貝類
6.大豆・・・・豆腐、納豆、豆乳など、大豆を使った食品
7.緑黄色野菜・・にんじん、ほうれん草、かぼちゃ、トマト、豆苗など
8.芋・・・・・じゃが芋、さつま芋、里芋など
9.果物・・・・生鮮・缶詰
10.海藻・・・・生・干物
この「10食品群」は、日本の栄養指導でも使われている三色食品群や6つの基礎食品をもとにして作られたものです。この「10食品群」にくわえて、主食として米やパン、その他食材を食べることで、自然とバランスの良い食事を摂ることができるようになっています。
※きのこは、
こちらの記事のとおり免疫力を高める食材としても注目されていますので、意識的に取り入れるとよいでしょう。
※上記「10食品群」における参考文献:東京都健康長寿医療センター研究所「地域在住高齢者における 栄養の特性と課題」より
低栄養になりやすい主な原因「たんぱく質不足」に気づきやすい
出典: 卵や納豆が体によいイメージが定着していて、「それを食べていれば大丈夫」と思いがちな方が多いそう。チェックシートは、重要なたんぱく質である、お肉・お魚不足に気づかせる役割が大きいです。
ちなみに、お魚よりお肉のほうが好きな方が多いかもしれませんが、お家のおこもりが続くいま、魚類は、ビタミンDを摂れる食材としても重要。自分の肌が太陽の紫外線にあたる機会が無くなることによって、いっそうビタミンDが欠乏しがちになる為です。鮭やメカジキに、ビタミンDは多く含まれています。
「栄養の偏り・自分の食事のクセ」に気づける(とくに食事制限中の方)
いつもの食事がマンネリ化しがちの方にとって、自分の食事のクセに気づく良い機会になるでしょう。
また、ダイエットをされている方は、自分が低栄養状態に陥っていないかどうかを考える機会にも。ダイエットを熱心にしていると、鉄欠乏で貧血になったり、体力不足ですぐに疲れたりとデメリットも多いものです。バランスの良い食事を意識できるようになるといいですね。
チェックシートの使い方はとってもシンプル。
量は関係なく、10種類のうち⼀⽇すべて〇が付くことが理想。ですが、7種類以上⾷べること(7つ〇が付くこと)を⽬標(合格ライン)として、毎日〇を記入していきます。
特に何日間続けなければならないというルールはなく、毎日の食事作りにおいて、食べるべき食材の不足・過剰に気づけるチェックツールです。
毎日続けて⼀覧表を俯瞰したときに、⾃分の⾷べ癖が分かるようになるので、栄養管理に自信がつくまで、習慣化することをオススメします。食べていないものがあったら、次の食事のときに足そうと試みることもできますよね。
*補足:
この10食品は、東京都健康長寿医療センターによる食に関するガイドライン「食品摂取の多様性スコア(DVS)」を構成する10の食品群。
人間総合科学大学の熊谷修教授監修のもと作られた「10食品群チェックシート」が、NHK「ためしてガッテン」で放映されたことで全国に普及。地域の高齢者施設や、市区町村での健康づくり事業等においても、食生活指針として使われています。
・NHKためしてガッテン「10食品群チェックシート」
~【実践アドバイス】10食品群ライフが続きやすくなるひと工夫~
1.冷蔵庫の中の食材を、「10食品群」を意識して並べてみる
出典: 冷蔵庫の中を見渡してみて、どんなものが多いのか、足りないのか考えてみるのもいいですね。「10食品群」を意識した並べ方をしてみると、足りないときにちょい食べしやすくなります。
出典: 野菜室の野菜にも目を凝らして、食べ忘れているものがないか、ちょい足しできるものはないかを考えつつ、献立を組んでいきましょう。みかんやバナナなど冷蔵庫に入れない方がいい果物もあります。目のつくところに置いておくと、食べやすくなります。
大変な調理をしなくてもすぐに食べられるお手軽「10食品群」をいくつか用意しておくと、いざというときに役立ちます。
このようにリストアップしておくと、魚と肉の両方を食べるのが難しいと思っていても、ハムやベーコン、ツナ缶やしらすなどを活用してメイン料理以外で摂取できることに気づけますね。
◆すぐに食べられる・すぐ調理できる食材の例◆
肉:ひき肉の下味冷凍
卵:ゆで卵
乳製品:牛乳、チーズ、ヨーグルト
油:アマニ油(生のまま摂る)、オリーブオイル
魚:ツナ缶、冷凍ししゃも、冷凍鮭切り身、サバ缶
大豆:納豆、豆腐、枝豆
緑黄色野菜:トマト、冷凍ブロッコリー
芋:冷凍大学芋
果物:みかん、バナナ、いちご
海藻:乾燥わかめ、のり
出典: 卵はお手頃価格で調理法も豊かなので、お買い物に行ったらぜひ買っておきたい食材のひとつです。ゆで卵にすれば、管理しやすいですよね。
ほかにも、冷凍野菜などはいつもの料理に添えるといった簡単な使い方ができるので重宝します。
2.空き時間、「常備菜の作り置き」「下味冷凍などの下ごしらえ」をする
隙間時間をつかって、「常備菜のつくりおき」をすると、ぐんと品数を増やすことができます。
一度に食べる量は少なめでもいいので、「10食品群」すべてを網羅できるように頑張ってみましょう◎プチトマトのへたを取って洗っておいたり、いんげんやかぼちゃを茹でておいたりするだけでも、助かりますよ。
そして、常備菜をのせる用の「小皿」をたくさん用意しましょう。
たくさん作り置きした常備菜を、このようにして盛り付けて並べてみると・・・達成感があって、楽しい気持ちで食事ができます* モチベーションもアップするはず。
おうちで野菜をたっぷり食べるには、常備菜が欠かせません。週末のまとまった時間がある時に、ちょっと手間暇かけて常備菜を用意しておくと、平日のご飯作りが楽ちんになります。未来の自分のために、週末、ほんの少しだけ頑張ってみませんか?
常備菜については、こちらから。
生肉/生魚を多めに買ったら「下味冷蔵」「下味冷凍」を。〖おすすめレシピ2選〗
タンパク質の要となる、生肉や生魚。特売日に多めにかったら、数日冷蔵保存できる「下味冷蔵」、数週間冷凍保存できる「下味冷凍」にして、下ごしらえを済ませておくと、楽ですよ◎
*【鯵(あじ)のヨーグルト漬け】冷蔵で2週間保存可能
出典: 今免疫力アップ効果で注目されている、発酵食品のヨーグルト。こちらの「鯵のヨーグルト漬け」は、3枚下ろしにした鯵(あじ)を、ヨーグルトを漬け床として漬けこむ一品です。
鯵(あじ)は安売りされていることも多いので、このようにしておけば、野菜だけのサラダに加えたりと、使い道がいろいろ。チェックシートの「魚類」にマルがつきますね。
*【鶏むね肉のオリーブオイル漬け】冷蔵で5日保存可能
出典: 「鶏むね肉」もお手頃価格で、庶民の味方ですよね◎ 大きめの鶏むね肉を買って、使う分だけ使ったら、あとはこのように、サラダチキンにしてしまいましょう◎ オリーブオイルなので癖のある下味が付かないのが嬉しいポイント。カレーに足したりしてもいいですね。
冷凍保存可能な料理を、積極的に多めにつくって保存〖おすすめレシピ2選〗
*【節約サクサク絶品♪やみつきのり塩チキン】冷凍で3週間保存可能
出典: 上でご紹介したのは『下味冷蔵/下味冷凍』ですが、こちらは、一品作り終えてから、冷凍できる料理です。
こちらは、鶏むね肉をフライパンで焼き上げた「のり塩チキン」。のり塩の味付けがあると、多少、解凍後に食べて、むね肉がぱさついていたとしても美味しく感じられます◎
出典: 鶏チャーシューは、3週間冷凍保存が可能です。
難しそうですが、実はこちら、「鶏もも肉」を使っていて、簡単に作れますよ◎ 鶏もも肉は鶏むね肉より食べ応えがあって、好きという方も多いのでは。
出典: お昼のおひとり様ランチだとどうしても炭水化物だけでささっと済ませてしまいがちですよね。そういうときにも、「10食品群」を頭の隅におき、プラスできるものはないか探してみると、案外、いろいろな食材を足していくことができます。
こちらは、鶏むね肉で「肉類」をプラスしているリゾットに、卵をオンしていただく、具だくさんのレシピ。
うどんもトッピングが楽しいごはんのひとつです。のりやねぎといった薬味類をたっぷりのせて、さらに海老やキスの天ぷらをプラスするとよりバランスのよい食事になります。
4.食品群に含まれている、節約食材レシピをおさえておく
出典: 「10食品群」には、節約食材がいくつもありますが、それを“美味しく組み合わせられる”レシピを押さえておきましょう。
こちらは厚揚げ(豆腐)×卵を組み合わせて作る、なにかと役立つ美味しい中華炒めです。
出典: 間食には、旬の美味しいフルーツをいただくようにしませんか。旬の果物は、その果物で栄養価が最も高い時期ということもできます。
出典: こちらは、パンケーキにフルーツをトッピング。見た目も可愛らしくて、心も満たされるスイーツの完成です。パンケーキは、主食になる小麦粉のほかに、牛乳や卵なども使えるので、おすすめのおやつです。
「10食品群」で栄養の不安を払拭して、体も心も健やかな毎日を
「10食品群」を意識するだけで、毎日の食卓が確実に変わります。普段、気づいていなかった自分の食べ癖や足りないものなどを知ることで、今後の生活のビジョンも明るくみえてくるはず。
出典: バランスの良い食事は、習慣化すると、案外難しくないものです。基本を押さえて、健やかな体と心を手に入れましょう♪
※出典元の無い画像は、筆者作成、撮影したものです。
記事を執筆しているいま(2020年4月15日 作成日時点)は日本で緊急事態宣言が発出されており、全国的に外出自粛、みんなで自主的な「おこもり生活」に取り組んでいる真っ只中です。
そんな今、心配事になるのが「毎日のお家ご飯で、栄養が偏っていないか」ということ。