おいしく、毎日続けられるおうちごはんを
- 寒さに負けない体を目指す!ゆらぎがちな冬のご自愛ケアキナリノ編集部
「だし」は取らなくてもいい?野崎洋光さんに教わる「勘どころ」
例えば野崎さんは「家庭料理では、だしをとらなくていい」と言われます。かつお節や昆布からとる「だし」は、“うまみがある”ということ。例えば、野菜を煮たとき、素材からでる味にうまみがあればいいのだそうです。「お野菜からうまみをだし、味が足らなければ煮干や昆布を直接加えてうまみをだす。」そんなふうに言われたら、ぐっと調理のハードルが下がる感じがしませんか?
「水」こそ偉大!
シラス水飯
びっくりするほどシンプルなこの料理。お米、水、シラスのおいしさをそのまま味わう逸品です。食欲がないときにもいただけそう。
【作り方】
・炊きたてのごはんをざるに入れ、冷水にさらして軽くぬめりを取ります。
・茶碗に盛り、シラスをのせる。
・冷やしたミネラルウォーターをかけ、氷を浮かべる。
「ごはん粒が水を吸ってぶよぶよにならないうちに、さくっとかき込んでください。」とのこと。お米の甘さを味わえる、シンプルな逸品です。
だしなし巻き卵
こちらはなんと、だしではなくお水を加えて作る「だしなし巻き卵」。すっきりとして、卵本来の味が楽しめるそうです。
【材料】(作りやすい分量)
卵…3個、水…50ml
{A 砂糖…大さじ1、薄口しょうゆ…小さじ2}
サラダ油…適量
【作り方】
・卵に水を加えて軽く溶きほぐし、{A}を加え混ぜる
・卵焼き器を強火で熱し、油を薄くひく。だし巻き卵を作る要領で同じように焼き上げ、巻きすで巻いて形をととのえる。
ポイントはお塩でなく薄口しょうゆを加えることだそう。砂糖の甘さが引き立ち、わずかなしょうゆのコクが隠し味的効果を果たします。
野菜は「鮮度」が大事
そして、調理の前に水に浸してたっぷりの水を吸わせてから調理をはじめると、鮮度のいい状態に近づけられるということです。
ほうれん草のごまあえ
新鮮なほうれん草が手に入ったらぜひ作りたい「ごまあえ」。野崎さんの教えてくれるゆで方をぜひ試してみてくださいね。
【材料】(作りやすい分量)
ほうれん草…1束(約250g)、薄口しょうゆ…小さじ1
{あえごろも 炒り黒ごま…大さじ4、砂糖…大さじ1、薄口しょうゆ…小さじ1}
【作り方】
・たっぷりの熱湯を沸かし、2~3株ずつほうれん草をゆでる。根元を20秒入れ、しんなりしたら茎と葉の部分を20秒入れる。葉を泳がせ、火が通ったことを確認して冷水に取り、しっかりと水けを絞る。
・ほうれん草の根元を揃え、4cm長さに切る。ボウルに入れ、しょうゆを加えて手で軽くもむ。
・あえごろもを作る。すり鉢にごまを入れて半ずりにし、砂糖、しょうゆを加え混ぜる。ほうれん草を絞って加えてあえる。
昆布はうまみを「調和」させる
大根とごぼうのみそ汁
【材料】(2人分)
大根…100g、ごぼう…30g、しめじ…20g、長ねぎ…1/4本、水…400ml、昆布…5cm、みそ…30g
【作り方】
・大根は拍子切り、ごぼうはささがき、しめじは石づきを落として小房に分け、熱湯に大根、しめじをくぐらせて霜降りにする。
・鍋に水、昆布、大根を入れて火にかけ、沸騰したら弱火にして大根がやわらかくなるまで煮る。ごぼう、しめじを加え、アクをすくいながら煮る。
・野菜に火が通ったらみそを溶き入れ、小口に切った長ねぎを加えて椀に盛る。
「ごぼうやきのこは味がよくでる素材。汁ものに入れると確実のおいしくなります。」皮に香りがあり、水につけるとおいしさが損なわれてしまうごぼうは、霜降りをせず、泥も洗い流したらたわしで軽くこすくるらいでよいそうです。
「卵」は熱の加え方ひとつで味わいが変わる
味つけ卵
ゆで卵はあまり日持ちしませんが、味つけ卵にすると冷蔵で1週間ほど保存ができるのがうれしいですね。忙しいときの作り置きや、お弁当にも助かるメニューです。
【材料】(作りやすい分量)
卵…5個
{A 水…400ml、しょうゆ、みりん…各100ml、昆布…5cm}
【作り方】
・鍋に{A}を入れ、ひと煮立ちさせて冷ます。
・室温に戻しておいた卵を熱湯に入れ、7分ゆでたら冷水にとり、殻をむく。
・冷ましておいたAに、卵を一晩以上つける。
野崎さん曰く、「ごはんにのせ、塩かしょうゆ、しょうが、さわびを添えてどうぞ。」
「香り」がおいしさのポイント
豆乳スープ
おなかにも心にもやさしそうなスープ。香りを楽しむのも“勘どころ”です。
【材料】(4~5人分)
長ねぎ(白い部分)…200g、ベーコン…40g
{A 豆乳(成分無調整)…200ml、水…400ml、塩、小さじ1弱、薄口しょうゆ…少量}
こしょう…適量
【作り方】
・長ねぎはぶつ切りにして鍋に入れ、{A}を加えてやわらかくなるまで煮る。
・鍋から長ねぎだけを取り出し、ミキサーにかける。なめらかになったら再び鍋に戻し入れる。
・ベーコンは食べやすい大きさに切り、熱湯にくぐらせ鍋に入れる。鍋を火をかけ、あたたまったら器に盛り、こしょうをふる。
引き立ての黒こしょうでスパイシーな香りをプラスします。やさしい甘さのスープと黒こしょう、試してみたい組み合わせです。
「乾物」をいまどきの味に
切り干し大根のうま煮
【材料】(4人分)
切り干し大根(戻したもの)…100g、豚ばら薄切り肉…50g、にんじん・きぬさや…各25g、長ねぎの青い部分…1~2本
{A 水…80ml、しょうゆ・みりん…各15ml、砂糖…大さじ1と1/2}
【作り方】
・切り干し大根は食べやすい長さに切る。豚肉は2cm幅に切り、にんじんは細切りにする。
・湯を沸かし、切り干し大根を入れて1分ゆで、ざるに取って水けをしぼる。きぬさやは色よくゆでて斜め半分に切る。豚肉は熱湯にくぐらせて霜降りにする。
・鍋に油を熱し、切り干し大根を炒める。火が通ったら{A}、長ねぎを加えて煮る。煮汁が半分になったら、長ねぎを取り、豚肉とにんじんを入れて煮つめる。仕上がりにきぬさやを加える。
おかずとしてのボリューム感が出る、豚肉入りのうま煮。冷めても動物性脂肪のしつこさがなく、肉のうまみが感じられるように、霜降りをして余分な脂肪を落としてから煮るのがポイントです。
料理は、「自由」で「楽しい」
さらにレシピでは、炒めもの、煮もの、ドレッシングやタレまでたっぷり紹介されています。バターやチーズを使わないグラタンや、クリームチーズの入ったポテトサラダ、和風のマーボー豆腐、豚汁、肉じゃがなど、定番家庭料理もこの本で教えてもらえますよ。気にしたい“勘どころ”が添えてあるレシピもあるので、心強い!
(素敵な写真のご協力ありがとうございます)
料理を作るとき、まずレシピを探して、そのレシピどおりに作ろうと思いながらも、あの材料がない、調味料がない、手順が大変…と思ったことはありませんか。だしがないと、手順どおりにてをかけないと、おいしくできない。そんな経験が重なると、料理自体を難しく感じてしまうこともあります。