冬が旬の「かに」。シンプルな塩ゆでもいいけれど、せっかくならちょっと贅沢にかに料理を楽しんでみませんか。種類によって、味も食感も違いますので、楽しみ方もいろいろ。よりかにの醍醐味を味わうために、豆知識とともにアイデア料理をご紹介していきましょう。

「松葉がに」とは、鳥取・島根・兵庫・京都の漁港で水揚げされるズワイガニのこと。松葉がにを含むズワイガニは、うまみが強く、身が柔らかいのが特徴で、かに味噌もおいしいです。漁期は、11月上旬～3月下旬。なお、ズワイガニのメスは、山陰では親がに、こっぺがになどと呼びます。

「越前がに」は、福井県で水揚げされたオスのズワイガニのことで、ズワイガニの中でもトップブランド。黄色タグがつけられ、福井産のものとして識別されます。越前ガニを含むズワイガニの甲羅についている黒いつぶつぶはカニビルの卵で、これがついているのはおいしいズワイガニの証しともいわれます。ちなみに、北陸ではズワイガニのメスを、セイコ、香箱ガニなどといいます。

タラバガニは、じつはヤドカリの仲間。カニの脚が10本なのに対して、タラバは8本です。身が大きくて食べ応えがあるのが特徴。食感もぷりっとしていて、豪快に食べたい人におすすめ。ただし、かに味噌はありません。タラバの旬は2度あり、4～5月と11～2月。北海道、ロシア、アラスカ、ノルウェーなどが産地です。

タラバガニは、脚の身がしっかりしているので、そのまま天ぷらにするのもおいしい食べ方。くずれることもなく、思い切り頬張れる贅沢な楽しみ方です。

毛ガニ漁は、岩手県はおもに宮古沖、また北海道はオホーツク、道東、日高、噴火湾の4エリアで行われており、時期が違うため、通年どこかで獲られています。体は小さいのですが身がぎっしりと詰まっており、濃厚なかに味噌も大きな魅力。

毛蟹は、身が小さめなので、身をほぐしていろいろなかに料理に使うことも多いようです。

こちらのチャーハンはかに缶を使っていますが、かに酢やかに玉、かにチャーハンなどおなじみのかに料理を、かにのほぐし身で作るのも贅沢ですね。

おいしいかにの選び方は、持ってみてずっしりと重いこと、また脚が硬いものを選ぶのがポイントです。重いものは味噌が多く、脚が硬いものは身が詰まっています。また、ゆでたものを購入するときには、生きたままゆでられた「浜ゆで」を選ぶのがコツ。そして、生ガニをゆでるときは、水に1時間ほど置いてから、たっぷりの塩水で20～30分程度ゆでます。

さっぱりした豆腐にかにの味わい深いうまみがからむ、あつあつあんかけ。絹ごし豆腐を使って、つるりとした上品なのどごしに仕上げましょう。体が喜ぶ優しさです。

ゆでがにに、意外にもオレンジソースを合わせた洋風仕立て。コクのあるかにのうまみと、爽やかでフルーティなソースがよく調和します。ワインなどにも合いそうですね。

丁寧に作り上げる、大人気の洋食、かにクリームコロッケ。トマトソースを敷いて、おしゃれに美しく仕上げます。あつあつの衣の中には、かにのエキスたっぷりのとろとろクリームが詰まっています。