シベリア南部原産の植物【ルバーブ】。英語ではRhubarb、フランス語ではRhubarbe、オランダ語ではRabarber…。ヨーロッパから北アメリカにかけて、スイーツに料理に活用範囲の広いタデ科ダイオウ属の
多年草です。
出典:www.flickr.com(@Amanda Slater) 和名は【食用大黄】。生薬として便秘薬の成分にも使われています。北米では果物として扱われているとか。
ヨーロッパでは、初夏の訪れを知らせてくれる植物のひとつです。
出典: 野菜の中でもカリウム、カルシウム、食物繊維を含んでいます。
なかでも野菜の種類でありながら、ペクチンというりんごやいちご、柑橘類に多く含まれる食物繊維を多く含んでいることが特徴といえます。
ペクチンはヌルヌルとした粘性が凝固される性質により、ペクチンの多い果物はジャムに加工されたり、食品に粘性や粘着性を加える食品添加物として利用されています。またペクチンのコレステロール値や血糖値の低下、便秘・下痢の解消効果などの健康効果も期待されています。
(中略)
またアントシアニンといわれる赤色の色素成分には抗酸化作用があるため、紫外線や日常のストレスから増えてしまう活性酸素を除去し、血管や皮膚が障害されることを防いでくれますので、動脈硬化予防や肌荒れ予防などにも効果があると言われています。
野趣あふれる姿。日本での旬は、夏を除く初夏と初秋の2回!
現在、世界中で100種類にのぼる品種があり、大きなものでは高さ2メートルにもなるそう!
食用にするのは、茎のように見える“葉柄”(ようへい)部分
出典: 葉柄は、夏は柔らかく酸味が強く、秋には固くなって酸味が和らぐのが特徴です。色には《赤》《緑》《赤と緑の混じったもの》があります。
出典:www.flickr.com(@Tim & Selena Middleton) シュウ酸を多く含むため、生でかじると、梅干し並み(それ以上かな?)の強烈な酸味が…!基本は“煮る調理”です。
出典: ルバーブの花。
花が咲くと葉柄が固くなるため、早めに摘み取られてしまいます。
食物繊維が豊富で整腸作用が期待できるルバーブですが、腸がデリケートな方は食べ過ぎには注意が必要です。初めて食べられる時には、少量からスタートして様子を見てみてくださいね。また、生で食べると中毒症状が出るケースがあるので、茎の部分だけを加熱して食べるのが鉄則です。
また、体調が不安定な妊娠中はもちろん、授乳中は赤ちゃんがお腹を壊してしまうケースがあるので、食べるのを控える様にしましょう。
信州・軽井沢や野尻湖では、古くからおなじみの食材でした
画像は野尻湖。明治期以降、外国人宣教師が避暑のため滞在したことをきかっけに、ここ野尻湖や軽井沢では
明治期から栽培が続けられています。
冷涼な気候を好むルバーブは、日本では信州や北海道などが主な産地でしたが、最近では、品種改良もあり、全国各地で栽培されるようになりました。(筆者撮影)。
海外のショップや輸入食品店で【Rhubarb/ルバーブ】と表示された緑色のジャムを見たことはあっても、
味の見当がつかないので買ったことはない、という方も多いのでは?
出典: 日本では長く緑色の品種が栽培され、ピンクやオレンジのジャムを見慣れた方には、手が出しにくかったかも…。
画像は山梨県・甲斐大泉のジャムクラフト とりはた製『ルバーブジャム』。今や人気者です。
近年、葉柄が真っ赤なルバーブの登場によってファンが激増☆
私たち日本人には“赤”いジャムの方がイメージがわきやすいようです。
基本のつくり方は、小さめにカットしたルバーブに、ルバーブの半量の砂糖(てんさい糖・三温糖・
グラニュー糖など、お好みで)を加え,アクを取りながら煮ていきます。動画をご参考に。
砂糖を振りかけて、しばらく放置することがポイント。固かった葉柄も、熱を加えるとすぐに柔らかに。数本なら15分でジャムになります。煮沸消毒した瓶に入れて、できあがり!
❢ドロドロになるため、煮つめ過ぎに注意しましょう。
❢保存瓶を鍋で煮沸消毒する際、お湯が沸いていない段階で瓶を入れましょう。いきなり熱湯に入れると割れることがあります。
色は違っても、香りと酸味に大きな違いはありません♪
出典: 出典: 出典: 元気をもらえる酸味、時にはお弁当にも連れていって☆
出典: シナモントーストにルバーブジャムを塗って…まるでお菓子みたい♪酸味が疲れをやわらげてくれます。
出典: 自家製ジャムをたくさん作った時には、冷凍保存するのがおすすめ。一般的にお家で作ったジャムも冷凍なら半年程度保存できるとされていますが、出来るだけ早く消費する様にしましょう。念のため、作った日付をラベリングしておくのが良さそうですね。
出典: レシピを書いた方は、ノルウェー在住。パリで見つけて気に入ったピエール・エルメ製ジャムの再現にトライしたそう。
北欧で手軽に手に入る初夏を伝えるルバーブでHerméを目標に作ってみました♪
出典: ルバーブといちごの組み合わせは、ピエール・エルメのコンフィチュールでも知られていますね。
はなやかな香りが加わるのも魅力♪つぶつぶ感を残して仕上げるのがポイント。
出典: りんごの蒸留酒・カルヴァドスならではの強い香りにも負けない、大人のジャムができあがります。
出典: はちみつで作るルバーブジャムは、ほんのり優しい甘さが魅力。はちみつ量はお好みで調節してみてくださいね。
出典: 赤ワインを使えば、香り豊かなジャムに♪赤ワインが変わると風味も変わるので、違い楽しむのも◎。
出典: ヨーグルトやアイスクリームにトッピングするだけ♪爽やかな酸味がやみつきになりそう。
出典: ジャムを使って作れるフローズンヨーグルト。材料を混ぜたら、後は冷凍庫に入れるだけでとっても簡単なので、一度チャレンジしてみてくださいね。赤いルバーブを使えば、鮮やかな色も楽しめそうですね。
出典: ジャム×生クリームで簡単に作れるアイスクリーム。ルバーブとキウイのジャムで作ったアイスクリームは、その爽やかさが魅力です。ご飯の後のお口直しにも◎。
出典: ルバーブジャムを、ケーキのフィリングにした上、いちごとともにトッピングして、しっとりさわやかなひと皿に。
ベイクドチーズケーキと焼きプリンの
間のような仕上がりになります☆
出典: ルバーブジャムをクッキー型に敷き、断面が層になるようにしたのがポイント。くちの中に広がるチーズと酸味のハーモニーが◎
ジャムの層は
クッキー型の高さ1/3くらいまでにすると
見た目も味も
ちょうどいいと思います♪
クッキーやパイを作るのはちょっと面倒、という時に。
さくさく香ばしいクランブルにルバーブの酸味が溶け合うイギリスの伝統スイーツの作り方。
〈グルテンフリー、ヴィーガン派向け〉ルバーブプディングケーキ
出典: 米粉やココナッツミルクを使用。小麦粉・卵・乳製品にアレルギーを持つ方にもおすすめのレシピです。
出典: ルバーブの赤さが見た目にもカワイイ、ルバーブ入りのマフィン。メープルシロップの甘味×ルバーブの酸味がたまらないレシピです。
出典: 濃厚なファッジブラウニーの中に、ルバーブの酸味がアクセントに。ルバーブ以外のジャムでも作れるので、マスターしておくとアレンジも楽しめそうですね。
出典: 「ルバーブサフト」とは、スウェーデンに伝わる濃縮シロップジュースのこと。
3日間寝かせ、砂糖となじませるのがポイントです。
濃縮シロップなので甘いです。
飲むときは水や炭酸水で5倍くらいに薄めます。
ルバーブとレモンを取り除いて冷蔵庫で1週間くらい保存できます。
出典: ルバーブの酸味はウォッカとの相性抜群。作業は5分もあれば終わってしまうので、梅酒はちょっと手間だし...という方もチャレンジされてみてはいかがでしょうか。ロック、ソーダ割など、飲み方も色々楽しめそうですね。
出典: 爽やかなルバーブ×ソーダ水の、夏には絶対に美味しい一杯。グリーンはもちろん、赤のルバーブジャムでも、見た目から美しい色合いのドリンクが出来上がりそうですね。ミキサーにあけてスムージーにしても美味しそう♪
出典: お砂糖はジャムよりかなり少なめ。スペアリブの下味に、ステーキを焼いた肉汁と合わせてソースづくりに、さまざまに活用できます。
煮つめる作業をはぶいて、超簡単に!ピューレにしました!^^
これ、大好きです~~~♪♪
ジャムと同じ使い方でも全然OKなので、火力の削減になりますね。^^
なんといってもすぐにできるのがうれしぃ~~。
出典: スペアリブをルバーブジャムに漬け込んで焼き上げると、お店で食べる様な本格的な一品に。ジャムの甘さによって仕上がりの味が変わるので、量はお好みで調節してくださいね。
出典: スペアリブの様にちょっと手の込んだお料理を作った日には、ゆっくりとお食事を楽しみたいですよね。そんな時には、ジャムやチーズをのせたクラッカーでちょっとパーティー気分を楽しんでみてはかがでしょうか。もちろんルバーブジャムを載せて♪お家でまったりお酒を楽しみたい日にもおすすめです。
出典: 生のルバーブを、たまねぎやにんにく、しょうがや鷹の爪と炒めたチャツネ。
下記のように、さまざまな場で活用させて* ↓↓
これはインドカレーだけにとどまらないです。
肉料理にも合うし、チーズをのせたクラッカーにも合う。
カナッペ用にお持たせで持って行こうと決めました。
ルバーブの酸味、たまりません。
味が気に入ったなら…自家製ルバーブを栽培してみませんか?
ルバーブを食べてみて気に入った方は、せっかくならお家でルバーブを栽培されてみてはいかがでしょうか。
ルバーブの苗を選ぶ時には、色がポイント!あの真っ赤な色は、小さな苗の頃から変わらないそうですよ。
出典: ルバーブは多年草なので、一度植え付けると根が残っていれば翌年芽を出してくれます。20~22度で発芽するので、種から育てる場合には3~5月にポットに種を撒きます。本葉が2~3枚になったら元気の良いものだけをポットに残し、3~4枚になったら土に植え替えて育てましょう。苗から育てる場合には、3~6月に植え付けます。
実は根腐れしやすいルバーブ。毎日お水をあげるのではなく、土が乾いたタイミングでたっぷりあげる様にしましょう。雨が続いた時には、水やりをする必要はありません。
ルバーブは、株を大きくするために出来れば1年、少なくとも半年は収穫をしなければなりません。また、4月頃に出てくる花茎は、根株から栄養を奪ってしまうので摘み取らなければなりません。もしも花から種を取りたい場合には、種を取る様の株を決める様にしましょう。
出典: ルバーブは5~10月の間で、2、3回収穫できます。春先に収穫すると酸味が強く、秋になると色は赤く酸味がマイルドになると言われています。収穫する時は、ハサミで根本から茎をカットします。
真っ赤なルバーブを目指すなら、酸性の強い土壌で育てる必要があります。日本では酸性が強い土壌は少ないので、ピートモスを加えて酸性土壌を作ってあげてくださいね。
出典: 実はルバーブはとても強い植物。シソやバジルなど、比較的強い多年草のハーブでもルバーブの近くだと負けてしまう事があります。出来ればルバーブを植えるエリアを区切って、他の植物とあまり近くならない様にするのがおすすめ。どうしてもスペースが狭い方は、大きめのプランターを使うのも◎です。
最近は、首都圏の野菜直売所でも販売されるようになってきた【ルバーブ】。“りんごのような酸味”“あんずのような香り”に魅せられる人びとが増えています。筆者もその一人。りんごやあんずと比べると、ちょっとクセのある独特な風味が魅力ですが、言葉で表すのは難しい!見かけたら、まずは手に入れて、ジャム作りからお試しあれ♪簡単に作れる上、応用できるお料理の幅広さにもきっとびっくりされるはず☆
甘酸っぱくて夏の香り♡
夏の果物が続々とお店に並ぶと
何を作ろうかワクワク♪
軽井沢にセカンドハウスをお持ちのlindyisoさんのインスタグラムから。
和名は【食用大黄】。生薬として便秘薬の成分にも使われています。北米では果物として扱われているとか。