おしゃれとの出会い
川島さんのお母さんは洋裁が得意。ワンピースやスカートなどの洋服から、幼稚園の手提げや小学生に上がった時にも必要なものまで、お母さんの手作りの物を身につけて学校へ通っていたそうです。
「新しい洋服と言えば、やっぱり母が作ってくれる洋服でした。でも小学校高学年になり、たまに買ってもらうときには、これがほしい!こういうのを着たい!と伝えるようになっていました。」
子供の頃はずっと髪が長く、くせっ毛でカーリーヘアだった川島さん。いつもポニーテールをして、その時代は女の子っぽい物が好きだったんだとか。
「3年生の後半ぐらいのときにばっさりショートにして、そこからはわりとボーイッシュな服装が多くなりましたね。あと、習い事でミニバスを始めてからは趣味趣向が男の子っぽい感じになりました。」
子供の頃からお母さんやお姉さんの影響でファッションに興味を持てる環境に。髪型やその時々の習い事によって、服装を選ぶ楽しさを知っていったそうです。
古着との出会いのきっかけは?
「古着を初めて買ったのは中学一年生のとき。地元にいくつか古着屋さんがあって、たまたま友達と遊んでいたときに見つけたのが、古着のプリントTシャツでした。そのときは古着の良さなどは分からずに、ただプリントのTシャツが可愛いくて安いという思いで買っていました。」
限られたお小遣いの中で洋服を選ぶ時、安いけれど新しい物にはないヴィンテージの風合いや色味を感じることの出来る古着は、その当時の川島さんにとって刺激的で魅力的な存在だったようです。
flower時代の川島さんの雑誌のスナップでは、花柄のワンピースや可愛らしいブラウスなどを着られていることが多かったイメージがありますが、学生時代はどんな服装をされていたのですか?
flowerで働き始めて4年目ぐらいのとき。学生時代の親しい友人と。
様々なファッションを楽しんできた学生時代。いろいろな雑誌を見たり、お姉さんや周りのお洒落さんからたくさん影響を受け、ファッションについて勉強していったそう。
My定番アイテム
CONVERSEのハイカット
「『CONVERSE(コンバース)』のオールスターのハイカットです。特に80’sのアメリカ製を集めていて、持っていない色でサイズが合えば欲しくなってしまいますね。」
「今の物よりも形がシャープでシルエットが好きなんです。今には無い色だったりヴィンテージならではの色あせに魅力を感じています。今の物だと『CONVERSE ADDICT(コンバースアディクト)』というラインが、80’sの形を復刻させているので、新品でも可愛い色があったら購入しています。」
現在、CONVERSEのハイカットだけで15足は持っているそう。
「ヴィンテージの物は、元々古く劣化していてソールが割れやすくなっているので、自分で補強したりもしますが、それでもすぐだめになってしまうことが多いです。でも見つけるとやっぱり好きで集めてしまいます。」
ここ何年かではローカットが流行していますが、ハイカットを選ばれる理由はなんですか?
「基本、パンツスタイルが多いので、足を組んだ時に裾からちらっと見える星だったり、ハイカットのシルエットが可愛くて好きです。ローカットだと靴下の兼ね合いもあるので…ハイカットの方がオールスターという感じがしますし、履いていてなんだか嬉しいんです。」
LEVI’Sのデニム
「新品のものだと、私の求める風合いや色合い・ダメージ具合と違く、古着に合わせるボトムスとしては少し物足りない感じがしていました。そんな中で見つけたのが、『LEVI’S(リーバイス)』のデニム。モデルや型も分からないまま、色や風合いが好きだったり、形が好き、という理由で集めるようになり、後から定番の501や、ブーツカットの517などがあることを知りました。」
気に入ったものや、気になったものはとことん追求。それが何年代の物なのか?を調べるようになり、知れば知るほど奥が深いヴィンテージデニムにのめり込んでいったそうです。
「レディースのヴィンテージデニムは、なかなかぴったりのサイズと出会うことが出来ないので、今も気に入った物でサイズ・値段が合えば購入しています。」
古着は一点もので、悩んでいると次行ったときにはもう無いなんてこともしばしば。“これは!”っと感じたら、即決する決断力も大事なようです。
ベルトのはなし
「今のスタイルにベルトは、かなりの万能アイテムですよね。ゆったりとしたシルエットのワンピースでも、ウエストの高い位置でぎゅっと巻いてしまえば、今年らしくなりますし。私は洋服がシンプルな分どこかにポイントをつけたいなと思っていて、よくベルトをポイントとして取り入れています。」
スタイリングはバランスが大事。
まさにおしゃれの英才教育。楽しそうに答えてくれた川島さんの今日のスタイリングにも、エスニック柄が素敵なベルトがポイントとして使われていました。
定番コーデ
仕事で打ち合わせがある日のコーデは、タイプライターのパリっとした素材感が素敵な『JOURNAL STANDARD(ジャーナルスタンダード)』のシャツワンピで。足元はヒールを合わせきちんと感も忘れずに。
首元がすっきりと開いた『Sheta(シータ)』のトップスは、一枚で女性らしさを演出してくれます。エスニック調のヴィンテージベルトがアクセント。
ベルトの巻き方は、ぐるぐると巻くこともあれば、長めに垂らしたり、その日のコーデに合わせてアレンジしているそうです。
休日は、おどけた表情が可愛らしい『SHENERY(シーナリー)』のミッキーTシャツに、インポートの巻きスカートを合わせて。川島さんにとってヴィンテージデニムは主役にも脇役にもなるようですね。
絶妙なピンクの色合いが可愛らしいロングワンピースは、『NE QUITTEZ PAS(ヌキテパ)』のもの。甘すぎないカラーで、川島さんの肌によく馴染んでいます。明るいグリーンのワークジャケットを肩がけし、初夏の装いにぴったりなスタイル。
メンズサイズの古着のスウェットを、ワンピース風に着こなしたお家スタイル。リラックス感があって、お休みの日にお家でごろごろ過ごすのに最適です!
川島幸恵 kawashima sachie(ファッションディレクター)
著書には、「My Real Closet」(宝島社)
親戚の結婚式にて。
お姉さんとおそろいの洋服はお母さんの手作り。