コーデのポイントとして欠かせない帽子。数年前まではキャップが主流でしたが、今支持されているのは断然「バケハ」です。カジュアルスタイルやアウトドアコーデはもちろん、女性らしいコーデの崩しアイテムとしても活躍してくれる帽子です。

ただ、ちょっとクセのアイテムでもあるため、おしゃれに見せるためには少しだけ工夫が必要です。おしゃれ見えするかぶり方やコーディネート例など、大人かわいいバケハの取り入れ方をご紹介しますね。

「バケハ」の正式名称はバケットハット。バケットとは英語でバケツという意味があり、バケツを逆さにしたような形に下向きについたツバがついた帽子のことをバケットハットといいます。

そもそもバケハは、80〜90年代に有名なヒップホップアーティストがかぶり始めたことでヒップホップシーンで火がついたファッションアイテム。ここ最近、Y2Kファッション（2000年前後のにトレンドとなったファッションスタイル）が注目されるようになったことで、「セリーヌ」や「プラダ」、「ディオール」などのハイブランドがバケハをこぞって打ち出し人気が再燃。ファストファッションでも取り扱われるようになり、気軽に取り入れられるようになっています。

アウトドアやストリートスタイルで使われることが多かったのですが、コーデに程よいカジュアル感とヌケ感をプラスできることから、女性らしいコーディネートにあえてプラスする人も増加中。

コンパクトに折り畳むことができ、持ち運びしやすい点もウケている理由です。

初めて取り入れるアイテムだと何が正解かがわからず、おしゃれに見えているかどうかが心配になってしまいますよね。特にバケハはクラウンと呼ばれる頭にかぶる部分が深いうえ、マチが下向きになっていて顔が隠れてしまい、野暮ったかったり暗い印象になりがちです。それらの問題をクリアしながら、おしゃれ見せするかぶり方のヒントをお教えします。

ツバが短いタイプなら、目がキリギリ出るくらいの目深にすっぽりかぶるのが正解。クールでおしゃれな雰囲気に見えます。

ツバが長いタイプを目深にかぶってしまうと顔が暗くなってしまいます。そのため、浅めにかぶって少し後ろに倒すくらいがベスト。おでこが少し出るように調整してください。

基本的にはすっぽりかぶることが前提のバケハですが、顔まわりが重くて暗い印象になってしまうことも多いのでサイドの毛を耳にかけてすっきりさせて。特にロングヘアの場合は重い印象になりがちなので注意が必要です。髪を後ろで束ねてアレンジすると良さそうです。

ショートカットやボブの場合も、基本的にサイドの毛は耳にかけてみて。ボブは毛先を外ハネさせると動きが出て、より今っぽく見えます。

バケハはヒップホップアーティストの間で人気だったアイテムだけあり、オーバーサイズのスウェットやパーカ、ハイカットスニーカーといったB系アイテムとの相性が抜群。

パンツを合わせるとボーイッシュすぎるため、ロングのタイトスカートで女性らしさをプラスして。ホワイトやライトグレーを多用して、ハードにならないように仕上げているのもポイントです。

リラックスモード全開のTシャツとカーゴパンツの組み合わせにラフさのあるバケハが絶妙にマッチ。小物を全て黒でまとめることで統一感を出しています。シンプルなコーデなのにおしゃれに見えるのは、トップスもパンツも個性的なデザインを選んでいるから。

サンダルを合わせてキレイ系にまとめることが多いティアードワンピースも、バケハとハイテクスニーカーを合わせることでこなれた雰囲気に。小物で遊び心を加えたぶん、モノトーンでまとめることで大人っぽい仕上がりに。スニーカーを白にすることで足元に軽やかさも加わります。

ドローコード付きのバケハと半袖パーカを合わせたアウトドアな装いも、センタープレスパンツやヒール付きサンダルを合わせることでキレイ系コーデにシフト。

ドローコードとフードで顔まわりがカジュアルになるため、シルバーの大きめピアスで華やかさをプラスすることも忘れずに。

ピンク色のシャツワンピースを使ったレイヤードスタイル。そのまま一枚で着ると甘い雰囲気のワンピースですが、ベストや黒縁メガネといったおじさんアイテムやバケハを合わせてテイストMIXにした上級者スタイルです。

さまざまなテイストがミックスされていますが、色をピンク、ホワイト、ブラックの3色に収めているのでごちゃついた印象になりません。

バケットハットのストリートっぽさやカジュアル感が苦手な人には、ツバ広でサイドにリボンがついたタイプがおすすめ。リボンは顎下でゆるく結んでもいいのですが、大人っぽく見せるのならそのまま垂らしたほうがいいでしょう。

白やベージュでまとめた大人のワントーンコーデでも、主張あるデザインのバケハを投入することで個性的なコーデに仕上がります。

コットン素材のロングワンピースとデニムのバギーパンツを合わせたナチュラルな着こなしには、ブラックよりも優しい表情に仕上がり、色合わせもしやすいカーキのバケットハットを合わせるのが正解。ドライな手触りのコットンツイールのバケハなら、シーズンレスで使えて優秀。シンプルなデザインで合わせやすいのもポイントです。

ニットとセンタープレスパンツで作る定番オフィススタイルも、レオパ柄のバケハを合わせることでひとクセあるコーディネートに変わります。コットン素材のバケハは、フェルトのハットよりもかっちりしすぎず、気軽に合わせられるのがポイント。

ロングジャケットとバギーパンツを合わせたマニッシュな着こなしのハズしアイテムとしてバケットハットをプラス。ブラックだと重い印象を与えてしまうため、インナーのブラウスに合わせてベージュをセレクト。

バケハのストリート感やカジュアル感がちょっと苦手……という人はラフィア素材を選択するのもいいかもしれません。バケットハットであっても品があり、大人の女性が取り入れやすいところが魅力。ナチュラルな色合いで、ピンクやホワイトといった優しい色合いとも馴染みます。

「バケハを購入したいけれど自分に似合うものがわかない」「まず1つ目に買うならどんなデザインがいい？」と迷っている人のために、失敗しないバケハ選びについてお教えします。

初めてバケハを買うのなら、シンプルな黒を選ぶといいでしょう。カジュアルコーデにもキレイめにも合い、どのような色の服にも合わせやすくて汎用性が高いのがおすすめの理由です。ロゴが付いたものをよく見かけますが、ロゴなしか主張しすぎないもののほうが合わせやすいです。

黒は日本人の髪色ともマッチしてハットが浮いて見えることもありません。もし黒が苦手ならネイビーを選んでもいいでしょう。髪色が明るい人にはブラウンやカーキ、ベージュもおすすめです。

バケハは目深にかぶるのが基本。そのため、適度に余裕があって目深にかぶれる選んでください。頭の上に乗っているように見えてしまうとバランスが悪く、顔が大きく見えてしまう可能性もあります。

基本的にバケハはどんな顔型の人でも似合うのですが、エラが張っていたり、ベース型フェイスの人は「似合わない」と感じることもあるようです。それは、横長のバケハをかぶることでフェイスラインが横に強調されてしまうため。当てはまる方は、フェイスラインを上手にカバーできるツバ広タイプを試してみましょう。

色や素材はもちろん、クラウンが深いタイプと浅いタイプ、ツバが広いタイプと短いタイプ、ツバが真っ直ぐとウェーブがかかっているものなど、バケハといえども商品ごとに特長が異なります。その中から自分にぴったり合うものを見つけるためにも、とにかくたくさん試着してみること。徹底的に試着して、納得できる1点を見つけてください。

80〜90年代に多くのヒップホップアーティストから支持されていたのが、まさにこの「KANGOL（カンゴール）」のバケットハット。洗いをかけたコットン素材がカジュアルで、抜け感のある雰囲気に仕上がります。

深すぎず浅すぎずほどよいクラウンの高さは誰にでも似合う絶妙なつくり。また、サイズが複数展開あるのも嬉しい。

「コカゲル」は、”かぶるだけで木陰にいるような感覚”をコンセプトにした帽子ブランド。紫外線はもちろん、肌老化の原因といわれる近紫外線や熱もシャットアウトしてくれます。頭を入れる部分の素材には遮熱素材が挟み込まれているため、帽子の中の温度が上がるのを防いでくれ、体感温度がマイナス10度になるのが特長です。

丸洗いできるのでたくさん汗をかいたらすぐに洗濯機へ。常にクリーンな状態をキープできます。

こちらのアイテムの最大の特長は撥水加工が施されている生地。多少の雨なら跳ね返してくれ、濡れても軽く拭き取るだけでOKです。装飾のないシンプルなデザインですが、素材自体に光沢感があるので上品で女性らしい印象です。

ツバが広めなので、デイリーはもちろんアウトドアシーンでもしっかり紫外線ができます。

フランス発のワークブランド「DANTON（ダントン）」のコットンツイル素材を使ったバケハです。ポイントはサイドに配されたブランドロゴの刺繍とナチュラルにウェーブした幅広ツバのおかで、カジュアルなアイテムですがフェミニンな表情に仕上がります。

サイズ調整ができるマジックテープつきで簡単にサイズを大きくしたり小さくしたりできるため、パートナーとのシェアも可能。

写真のベージュの他、アイボリー、ペールカーキ、ライトグリーン、スモーキーブルー、カーボンネイビー、ブラックなど合わせやすい色が揃っています。

「Minich（ミューニック）」のバケハは、深めのトップにほどよいツバ周りで被りやすいデザイン。キレイ系からアウトドア、ストリートまでどのようなスタイルにも対応します。

コットンツイールを使ったしっかりしたつくりですが、小さく折りたためるので普段使いにはもちろん、旅行やキャンプなどのシーンにもぴったりです。

黒よりも重くならず、ホワイトやベージュよりも主張し、服装を選ばずに合わせられるといえば、デニム生地。サイドのブランドロゴがポイントになった「ORCIVAL（オーシバル）」のバケハは、軽量で柔らかなデニム生地を使っているので持ち運び用にぴったりです。

ストラップは取り外しができ、シンプルなバケハとしても使えます。色は写真のブルーインディゴの他、少し暗めのネイビーインディゴの用意もあります。

柔らかでしなやかなラフィアを透かし編みした涼しげなバケットハットです。ナチュラルテイストやフェミニンなコーディネートと相性抜群です。

前のツバは広め、後ろは狭めに設定されていて、横から見た姿も美しい。後ろが狭くなっていることで襟足がすっきり見える効果があります。

シンプルに編まれたラフィア素材のバケハは意外とどのようなコーディネートもマッチする優れもの。幅広のツバと少し丸みを帯びたシルエットが女性らしさを引き立ててくれます。

写真のブラックとナチュラル、ブラウンの3色がラインナップ。

イタリア発の帽子ブランド「BENELLIMONTACONE（ベネリモンタコーネ）」のアイテムは、イタリアにある自社工場で職人によって手作りされているこだわりのアイテム。

こちらのバケハも天然素材のラフィアを使っていますが、ツバ周りの黒パイピングのおかげでナチュラルさの中にもノーブルな雰囲気があります。１点でしっかり個性があるため、シンプルなワンピースなどにさらりと合わせるのがおすすめです。

暖かみのあるシャギー素材でコーデにプラスするだけで秋冬らしく仕上がるバケハです。コロンと丸みのあるフォルムがかわいらしく、短めのツバなのでコーデ問わずバランス良く合わせられるところが最大の魅力。

明るい白ならもこもこ素材でも軽やかで、ダークトーンになりがちな秋冬コーデを明るく仕上げてくれます。

毛足の長いミンクフリースでできたぬいぐるみのようにもこもこなバケハは、ベースボールキャップで有名な「NEW ERA（ニューエラ）」のものなので、スポーティさがあって甘すぎません。

帽子自体にボリューム感が出るため、髪はタイトにまとめたほうがバランス良く仕上がります。

デニムブランド「EDWIN（エドウィン）」の定番バケットハットは、UVカット効果があってカラバリ豊富なのが人気の理由。ブラックやベージュといった定番カラーの他に、写真のサックスブルー、グリーン、ピンクといった明るい色も揃っています。

ツバにはタグがついていて、シンプルすぎないところもおしゃれ。

ギンガムチェック柄とシャギーの縁取りがインパクト大。色合いが落ち着いているので派手になりすぎず、スタイリングのほどよいアクセントになります。

実はこちらのアイテム、ひっくり返すと無地のオフホワイトになるリバーシブルタイプ。コーディネートやその日の気分によって使い分けられるのが嬉しい。

カラー配色と頭をぐるりと包むように巻かれたテープがかわいい「L.L.Bean（エルエルビーン）」のバケハは、ナイロン100%製で耐水性があるうえ、かぶっているのを忘れてしまうほど軽量。さらに、紫外線を約97.5%もカットし、UPF50+で肌を太陽の光からしっかり守ってくれます。

色をたくさん使っていてぱっと見は派手ですが、意外にも色合わせがしやすく、コーディネートのちょうどいいアクセントになります。ポケッタブルタイプでコンパクトに持ち運べるところも優秀です。

スナップボタンで取り外しができるグログラン素材のリボンがついたアイテムです。リボンは細く主張しすぎないため甘さ控えめ。

リボンを取り外せばシンプルなバケハになるため合わせやすく、幅広いテイストのコーディネートに合わせられます。

日本が世界に誇る帽子ブランド「KIJIMA TAKAYUKI（キジマ タカユキ）」の幅広リボンつきのバケットハットは、ツバがかなり広めでドラマティックな見た目ですが、紫外線をしっかりカットしてくれ実用性も抜群。手洗いができるうえ、丸めて持ち運べるので旅行などにも重宝します。

シンプルなデザインながら、フェイクレザーの艶やかさがクールに主張するバケットハットです。ジャケットやシャツと合わせてマニッシュに決めたり、あえてワンピースやフリルつきブラウスとコーデして甘辛に仕上げたり。

黒はハードすぎると感じたら、色違いのベージュがおすすめです。

女性のためのエレガントな帽子セレクトショップ「Chapeau d' O（シャポード オー）」の新作は、合皮のキルティング生地が使われていて存在感あり。シンプルなコーデに合わせても今っぽく仕上げてくれます。

しっかり目深にかぶれるつくりですが、全体的に小ぶりにできていて、小柄の女性でもバランス良く合わせられます。

ジュエリーブランド「IRIS 47（イリス フォーセブン）」のバケットハットは、型押しエコレザーを使用しているためストリート感やアウトドア感はなく、モードでクラシックな雰囲気が作れます。素材のツヤ感がコーディネートのほど良いアクセントにもなります。

個性が強いアイテムですが、ツバが絶妙な広さでどんな顔の形の人にも似合います。

バックスタイルには、弓矢の形をしたシルバーのプレートつき。そしてサイドにはブランド名が刻印されたゴールドのプレートがついています。

実用的でほどよくカジュアル感があって、今の気分にぴったりなバケットハット。投入するだけでコーデが今っぽくなるから積極的に取り入れたいですよね。

今回ご紹介した内容を参考にして、バケハを使ったコーデをいろいろ楽しんで見てくださいね。