読者の皆さんの日々のお悩みをキナリノ的に解決する「キナリノ駆け込み寺」。第一回目のお悩みは「毎日の疲れが取れません。元気がでるリフレッシュ法は?」です。前編に引き続き、今回も疲労回復専門医の梶本修身先生にお話を伺いました。
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【お悩みNo.1】日々の疲れが取れません。元気がでるリフレッシュ法は?
教えてくれた人
「東京疲労・睡眠クリニック」院長
梶本修身
大阪大学大学院医学研究科修了。2003年より産学官連携「疲労定量化および抗疲労食薬開発プロジェクト」統括責任者に就任。ニンテンドーDS『アタマスキャン』をプログラムして「脳年齢」ブームを起こす。著書に『すべての疲労は脳が原因』シリーズ(集英社新書)等。特技は、上手に手を抜く方法を見つけること。
前編では、疲労の原因が脳、そして睡眠の質にあることが分かりました。後編では、睡眠の質をよくするストレッチや日中にできる応急処置をご紹介します。
疲れを取る一番の方法は「質のいい睡眠」
疲れを取るためにさまざまなリフレッシュ方法を試すことは、かえって疲労が蓄積してしまう恐れがあると梶本先生はいいます。あれこれするよりも、正しく脳の疲れをリセットする=休むことが一番。寝ることが疲労回復に最も効果的です。夜はもちろん、日中にお昼寝することもいいのだとか。
寝つきをよくするストレッチ
質のいい睡眠のためには、血流をよくして、いびきを防ぐことが重要です。血流の悪さといびきは、脳に酸素が行きにくくなり、自律神経が活発化して眠りを妨げてしまいます。特に日本人女性は筋肉量が少ない方や冷え性な方が多く、血液を押し上げる力が弱くて血行が悪くなりがち。寝る前に血流をよくするストレッチを行い、しっかりと脳を休める状態をつくりましょう。1分あればできるので、ぜひ試してみてください。
1つめ:太ももを緩めるストレッチ
長時間デスクワークをしたり、ソファで同じ姿勢のまま動画視聴やゲームをしたりしていると、血液の循環が滞ってしまいます。特に下半身の血液や体液は循環しにくいので、そこを重点的にケアしましょう。このストレッチは、脚の付け根の血管やリンパ管の詰まりを取り、血流を高めて疲労感を解消します。
STEP1:ベッドや布団の上で横になる。腕は力を抜いて、身体の横に置く。
STEP2:両ひざを立てる。
STEP3:太ももを左右に開いて、左右の足の裏をぴったりとつける。そのままの姿勢で10~15秒キープ。できるだけ脚が90℃になるように意識して開き、深くゆっくりと呼吸をする。
STEP4:ゆっくり太ももを閉じ、両ひざを立てた状態に戻す。
STEP2:両ひざを立てる。
STEP3:太ももを左右に開いて、左右の足の裏をぴったりとつける。そのままの姿勢で10~15秒キープ。できるだけ脚が90℃になるように意識して開き、深くゆっくりと呼吸をする。
STEP4:ゆっくり太ももを閉じ、両ひざを立てた状態に戻す。
2つめ:ひざバタバタストレッチ
睡眠中は口を枕や布団でふさがないように、気道を確保して横向き(右向きがベスト)になるのがおすすめです。このストレッチは、身体をひねる動きをすることで、寝返りをうつ習慣がつきやすくなり、いびき予防につながります。
STEP1:両ひざを立てた状態からスタート。
STEP2:両ひざを左側に倒す。上半身は上を向いたまま。
STEP3:右腕と一緒に、上半身も左側に倒す。
STEP4:両ひざを立てた状態に戻した後、右側も同様に行う。これを左右交互に3秒ずつ、5回繰り返す。
STEP2:両ひざを左側に倒す。上半身は上を向いたまま。
STEP3:右腕と一緒に、上半身も左側に倒す。
STEP4:両ひざを立てた状態に戻した後、右側も同様に行う。これを左右交互に3秒ずつ、5回繰り返す。
3つめ:全身ゆったり伸ばし
身体の関節を曲げると、そこを通る血管やリンパ管が圧迫されて、血液や体液の流れが悪くなります。全身の関節部分を伸ばして、血管とリンパ管をまっすぐにしましょう。
STEP1:ゆっくり深く鼻で呼吸しながら、両手を上に伸ばす。ひざ、そして両足をまっすぐに伸ばす。目は自然に半分まぶたが閉じるくらいがいい。
STEP2:手首、ひじ、肩、首、腰、股、ひざ、足首といった間接部分をまっすぐ伸ばすように意識する。力が入らない程度に伸ばし、リラックスする。
STEP3:この姿勢を10秒間キープする。
STEP2:手首、ひじ、肩、首、腰、股、ひざ、足首といった間接部分をまっすぐ伸ばすように意識する。力が入らない程度に伸ばし、リラックスする。
STEP3:この姿勢を10秒間キープする。
4つめ:いびき防止!舌ストレッチ
最後はいびき防止に有効なストレッチです。寝床に入った後でも前でも、好きなタイミングで行ってください。
STEP1:下あごと下くちびるをグイっと前に突き出し、元に戻す。これを3回繰り返す。
STEP2:舌を水平に前に出す。
STEP3:限界まで舌を出しきったら、上下に3往復動かす。
STEP4:左右に3往復動かす。
STEP2:舌を水平に前に出す。
STEP3:限界まで舌を出しきったら、上下に3往復動かす。
STEP4:左右に3往復動かす。
日中の疲れ“応急処置”
質のいい睡眠が疲れを取る一番の方法であることが分かりましたが、仕事や家事、育児中に仮眠を取るのが難しい方もいるはず。日中に手軽にリフレッシュできる“応急処置”を伺いました。
鼻から冷たい空気を吸う
物事に集中しているとき、脳(自律神経中枢)は熱をもってオーバーヒート状態になり疲労の原因になります。回復させるには、脳を冷やすことが重要です。外側からは冷やすことができないので、鼻から冷たい空気を吸って脳を冷ましましょう。
少しの距離でも歩く
長時間同じ姿勢でデスクワークをしている方は、血流が滞り脳に酸素が届きにくくなります。30mほどの距離でも家やオフィスの中を歩いて、血流をよくしましょう。また、15分ほどのお昼寝も効果的です。
日々の疲れと上手に生きよう
「疲れが取れない」「日々身体がだるい」と感じたら、身体ではなく“脳”が疲れているのかもしれません。寝る前のストレッチや“応急処置”をぜひ取り入れて、毎日を健やかに過ごしてくださいね。
※症状が改善されない場合や重度な場合は、かかりつけ医や専門医にご相談ください。
illustration/Shinco Uematsu
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