読者の皆さんの日々のお悩みをキナリノ的に解決する新企画「キナリノ駆け込み寺」。Instagramストーリーズのアンケートでは、日々のさまざまなお悩みを投稿していただき、ありがとうございました!記念すべき第一回目のお悩みはこちらです。
【お悩みNo.1】日々の疲れが取れません。元気がでるリフレッシュ法は?
仕事や家事、育児…新しい年度に向けて、色々と忙しくなりますよね。「しっかり寝ているのに疲れが取れない」「マッサージに行っても次の日には元通り」なんて方も多いはず。今回は、疲労回復専門医の梶本修身先生に解決法を伺いました。前編と後編に分けてご紹介します。
教えてくれる人
「東京疲労・睡眠クリニック」院長
梶本修身
大阪大学大学院医学研究科修了。2003年より産学官連携「疲労定量化および抗疲労食薬開発プロジェクト」統括責任者に就任。ニンテンドーDS『アタマスキャン』をプログラムして「脳年齢」ブームを起こす。著書に『すべての疲労は脳が原因』シリーズ(集英社新書)等。特技は、上手に手を抜く方法を見つけること。
そもそも、疲れる原因は?
仕事や家事・育児、運動後に感じる「疲れ」の原因は、身体ではなく“脳”にあると梶本先生はいいます。脳には私たちが生きていく上で欠かせない「自律神経」のコントロールセンターがあり、24時間365日休まず働き続けています。例えば、体温調節をしたり、心拍や血圧をコントロールしたり。そこに、さらに過度な負担がかかれば、脳が疲れてしまうのは当然です。脳が疲れると自律神経が乱れがちになり、そうすると身体に気になる症状が出てきます。これが、皆さんが抱えている疲労感の正体です。
疲れが取れないのは、しっかり寝られていないから
疲れを取るには、脳を正しく休めることがなりよりも大切だそうです。それには「質のいい睡眠」が必要です。
コロナ禍でテレワークになったり、家で過ごす時間が増えたりして、眠る時間が十分あるのに、寝ても疲れが取れない方が増えているかもしれません。以前は、通勤・通学するために歩いたり、アウェイな空間に長時間身を置いたりと身体と自律神経に適度な負荷がかかっていました。適度な負荷は睡眠を促してくれますが、それがなくなったことにより、生活リズムが狂ってしまったのが原因の一つです。他にも、自粛期間中に流行したゲームや動画配信サービスを夜中に見てしまうことで、睡眠時間がどんどんずれてしまったことも要因です。
もう一つの原因は、長時間家にいることで日光を浴びる機会が減ったこと。睡眠と日照時間には大きな関係があります。日光を浴びると自律神経を調整する物質「セロトニン」が発生し、16~18時間後に自然に眠気を促してくれる「メラトニン」という物質に代わります。以前は通勤などで1日合計15~20分くらいは日光を浴びていましが、それが減ったことにより、自然と寝つきにくくなり、睡眠の質も低下してしまったと考えられます。
コロナ禍でテレワークになったり、家で過ごす時間が増えたりして、眠る時間が十分あるのに、寝ても疲れが取れない方が増えているかもしれません。以前は、通勤・通学するために歩いたり、アウェイな空間に長時間身を置いたりと身体と自律神経に適度な負荷がかかっていました。適度な負荷は睡眠を促してくれますが、それがなくなったことにより、生活リズムが狂ってしまったのが原因の一つです。他にも、自粛期間中に流行したゲームや動画配信サービスを夜中に見てしまうことで、睡眠時間がどんどんずれてしまったことも要因です。
もう一つの原因は、長時間家にいることで日光を浴びる機会が減ったこと。睡眠と日照時間には大きな関係があります。日光を浴びると自律神経を調整する物質「セロトニン」が発生し、16~18時間後に自然に眠気を促してくれる「メラトニン」という物質に代わります。以前は通勤などで1日合計15~20分くらいは日光を浴びていましが、それが減ったことにより、自然と寝つきにくくなり、睡眠の質も低下してしまったと考えられます。
質のいい睡眠のために、改善するべき生活習慣
疲れる原因は、脳、そして睡眠の質にあることが分かりました。では、どのようにしたら疲れを取ることができるのでしょうか?日々の中で改善するべき生活習慣をご紹介します。
起きる時間から逆算して、寝る時間を決める
夜眠くならず、なんとなく深夜までずるずるとスマホや動画を観てしまい、結局朝遅く起きてしまう…なんて方も多いのではないでしょうか?先ほど述べたように、自然に眠くなるためには日光を浴びることが大切です。つまり、夜眠くなる時間は朝起きて陽の光を浴びた時間で決定するのです。日光を浴びた16~18時間後に眠くなることを考えると、7時に起きたいのであれば、23時には寝るようにしてみましょう。
部屋の温度を18℃以上に保つ
冬は特に、寒さで目覚めることはありませんか?朝起きたとき、室内の気温が18℃を下回ってしまうと、健康面に悪影響を及ぼすことがさまざまな論文で証明されているそうです。また、この時期は空気の乾燥にも注意が必要です。肌にも悪影響がありますが、乾燥した空気を吸うと喉の湿気が奪われて粘膜がくっつきやすくなり、いびきをかいてしまいます。特に女性は肺活量が小さく、小さい寝息がいびきに代わる方も多いです。そうすると寝ている間、脳に酸素が行きにくくなり、自律神経が活発化して眠りを妨げてしまいます。
暖房が強すぎると部屋が乾燥してしまうので22℃±1℃くらいに室温を保ちましょう。
暖房が強すぎると部屋が乾燥してしまうので22℃±1℃くらいに室温を保ちましょう。
スマホをお風呂場に持ち込まない
疲れた日は湯船に浸かって、ゆっくり…と思ってしまいがちですが、長風呂は厳禁。実は、鼻から温かい空気を吸い続けて脳がオーバーヒートし、熱中症になってしまう恐れがあります。ついスマホを持ち込んで、ネットサーフィンや動画を観てしまいがちですが、湯船に浸かる時間は5分。お湯の温度は41℃未満にして入浴しましょう。冷え性の方は特に自律神経の機能が低いので、長風呂は気を付けてくださいね。
毎日の睡眠でしっかり脳を休めよう
日々の生活の中で、リフレッシュしようとして行っていることが、かえって疲れる原因を生み出していることがあるかもしれません。毎日しっかり脳を休めて、明日からも元気に過ごしてくださいね。後編では、睡眠の質を上げるための寝る前のストレッチや日中にできる応急処置をご紹介します。
illustration/Shinco Uematsu