その疲れ、もしかしたら“脳の疲れ”かも
体は疲れているのに、気が高ぶって眠れない。仕事は山のようにあるのに、集中力がもたない。楽しいはずの予定なのに、ワクワクしない……。こんなことはありませんか? 忙しい毎日に追われ、気が付けば脳が24時間フル回転している状態が続き、「もう限界!休んで!」とサインを発しているのかもしれません。
体よりも脳が疲れているわけ
わたしたち現代人は、体を動かす機会が減り、そのぶん頭を使う時間が長くなっています。通勤は満員電車で常にストレスフル、オフィスに着けば退社まで閉じこもったまま。疲れがピークに来たら、栄養ドリンクやエナジードリンクでもうひと頑張り……。こんな風に、いつも気が張り詰めた状態になっているのです。
“脳の疲れ”をとるには?
“脳の疲れ”をとるいちばんの方法は、良質な睡眠をとること。とはいえ、夜はよく眠れないし、日中は眠いし……と負のスパイラルに陥っている方も多いでしょう。まずは、脳が疲れにくい状態を整えること。そのための新習慣をこれからご紹介していきます。
脳を疲れさせる悪習慣をストップ!
脳が疲れるのには原因があります。仕事をしていれば避けられないファクトもありますが、自分の脳は自分自身でしか守ることができません。脳を疲れさせる悪習慣に気付き、遠ざけるだけでも効果が感じられるはずです。日常生活に取り入れやすい小さなところから、始めていきませんか。
・ひとつの作業に長時間集中する
・ランチは自席でぱぱっと済ませる
・ハードな運動で汗を流す
・疲れたときは焼肉でパワーチャージ
・褒められるために頑張りすぎる
“脳の疲れ”をとる小さな新習慣
どうにかしたい、不快な疲れ。ただ、今の生活習慣のままでは、劇的な変化は期待できません。日常に潜む脳を疲れさせる悪習慣をやめ、“脳の疲れ”をとる新しい習慣に少しずつ切り替えていきましょう。どんなときに何をすればいいの? 何をどうするのが効果的? そんな疑問を解消するヒントをご紹介します。
仕事や家事の合間に
仕事や家事、人間関係での役割や責任が増えるにつれ、忙しさやストレスも比例して増すもの。息つく暇もないと嘆く前に、今できることを試してみませんか。ポイントは、変化を促すこと。同じことを続けたり、情報のインプットばかりをするのではなく、意識的にぼんやりしたり、適度に体を動かしたりするのです。
・1時間集中したら、5分の小休止をとる
・行き詰まったら、場所を変えてぼんやりする時間をもつ
・ひと区切りごとに、デスクの上を整理する
・移動時間は休憩時間と割り切って、頭を休める
・座りっぱなしが続いたら、ストレッチで血行を促す
ランチタイムや休憩時間に
ランチタイムや休憩時間返上で、仕事や家事をこなそうとしていませんか。どんなに集中力がある方でも、そこには限界があるというもの。ひとつひとつの作業を効率よく、クオリティを下げることなく全うするためにも、しっかりと休憩することです。その際には、情報や刺激を増やして脳を疲れさせないことが大切です。
・外に出て、そよ風や木洩れ日など自然のゆらぎに触れる
・新しいお店を探すよりも、なじみのお店でランチをとる
・食事をじっくり味わい、“ながらスマホ”をしない
・水分補給はカフェインよりもスポーツドリンクが◎
・仕事とは関係のないおしゃべりを楽しむ
負担をかけない食習慣
疲れているとき、パワーチャージにと焼肉を食べたり、疲れを解消するためにお酒を飲んだりしていませんか。その食習慣、実は疲れに拍車をかけているかもしれません。
焼肉はカロリーが高いのはもちろん、脂肪が多く消化器官に負担がかかります。さらに、飲酒はアルコール成分が脳の機能をマヒさせ、疲れがとれたような錯覚を起こさせているだけなのです。
・疲労回復成分が含まれている鶏の胸肉がおすすめ
・レモンや黒酢、梅干しなどでクエン酸をとる
・さっぱり味でたっぷりの葉野菜が消化に良い
・できるだけ旬のもの、地元でとれたものを食べる
・米麹甘酒は飲む点滴といわれ、腸内環境を整える
おやすみ前の小さな新習慣
ぐっすりと眠ることは、“脳の疲れ”をとるいちばんの方法です。「それができないから疲れがとれない」「布団に入っても気がかりなことで頭がいっぱいになる」そんなお悩みを持つ方も多いですよね。ここでは、おやすみ前に“脳の疲れ”をとる新習慣をご紹介します。無理なくできそうなところからお試しくださいね。
ぐっすり眠るためのおうちヨガ
ゆったりとした動きと、深い呼吸がリラックス効果をもたらすヨガ。副交感神経を優位にさせ、凝り固まった筋肉をほぐし、血行を促します。睡眠の質を高め、“脳の疲れ”をとることで、翌日のパフォーマンスを高める効果も期待できるのです。
ジャーナリングで心のデトックス
布団に入ってから眠りにつくまで時間がかかるという方は、脳が“1日の反省会”をしている可能性があります。脳を休めるためにも、寝る前には“心のデトックス”をすることです。有効な方法は、書く瞑想ともいわれるジャーナリング。考えるよりも先に手を動かす感覚で、心の中にあることを書き出すのです。
おひとり様の時間
寝る直前までSNSで誰かとつながっていたり、仕事のメールをやり取りしたりしていませんか? そんな状態は、朝起きてから夜眠るまで、ひとりになる時間がないのと同じです。常に情報が流れ込んでくるため、脳はずっと働き続け、疲労が蓄積する原因になります。
“おひとり様”になれる時間と場所をもち、脳をリセットする習慣をもちましょう。
寝る姿勢も大切
ぐっすりと眠るには、寝る姿勢も大切です。疲れているときにあおむけで寝ると、喉や舌の付け根の筋肉がゆるみ、気道が圧迫されてしまいます。その結果、いびきをかきやすくなり、酸素不足による“脳の疲れ”が増すことに。気道を確保するために横向きに寝るのがおすすめです。
“脳の疲れ”をとる新習慣で、健やかな毎日に*
“脳の疲れ”をとる新しい習慣のヒントをご紹介しました。毎日疲れが抜けない、いつもダル重い。それは脳からのSOSかもしれません。脳を疲れさせない小さな習慣の積み重ねが、疲れにくい健やかな毎日につながります。ご紹介した内容でできそうなものがあれば、ぜひお試しくださいね。
仕事や家事、人間関係をはじめ、テレビやインターネット、SNSから受け取る過剰な情報など、わたしたちのまわりには“ストレス”が氾濫しています。絶えず情報を処理して指令を体に送り続けている脳は、働きすぎによるお疲れモードに陥ってしまうのです。脳を疲れさせる悪習慣をやめ、心も体も健やかになれる新しい習慣を始めてみませんか。