社会マナーとしてだけじゃない。「あいさつの大切さ」を知ろう
そのように、子供の頃、親や先生から教え込まれたという方は多いのではないでしょうか。
悪気はないのに、ときどき億劫になる「あいさつ」。どうして?
「あいさつ上手」な人ほど、愛される!
ですが、あなたにとって“素敵な人”を思い浮かべてみてください。“自分からあいさつができる人”では、ありませんか?
時に自分のプライドを試す「あいさつ」ですが、あいさつをする相手(周囲の人)の視点で捉えてみると、意識が変わります。
「あいさつ」は、好感度が高い人に共通して、できていることなのです。
「あいさつ」は、あなたが変わる、チャンスにも。
周囲を見渡せば、いつも好感度が高い愛され女性がいらっしゃるものです。では、あなたはどうでしょう。
そんな彼女たちに憧れるものの「でも自分は、心地よい人間関係づくりが苦手で・・」「本当は、誰とでも楽しく会話したいけど、いまさら無理・・」と、ちょっと卑屈になっていませんか。
そんなあなたを変えるきっかけを作るのも「あいさつ」です。なぜなら「あいさつ」こそ、ナチュラルに“コミュニケーションのきっかけ”を作れる言葉です。
もちろん、あいさつされた相手も、嬉しい*
それではもう少し、あいさつ本来の「意味」を再確認してから、「正しいあいさつの仕方」と、「あいさつ言葉」をおさらいしていきましょう。
あいさつ本来の魅力をしっかり理解すれば、あなたもきっと、自分も相手も幸せにできる「あいさつ美人」「マナー美人」になれるはずです。
知っているようで知らない!「あいさつの意味」をおさらい
挨拶とは
「あいさつ」はどれも簡単な言葉。儀礼的と捉えられがちですが、家族、学校、職場、ビジネス、コミュニティなどの「人と接する場」において、基本的なマナーとして、とても大切な役割があります。
“あいさつ=あなた(相手)の存在をちゃんと認めていますよ”というサイン。
そのような大切な意味も含むため、あいさつは『相手の心に近付くための、大切なコミュニケーションの第一歩』になるのです。
先ほどご紹介したように、「人間関係をより心地良く、スムーズにするための円滑油」としての役割も果たします。しっかり心に留めておきましょう。
正しいあいさつの仕方 <基本の3ポイント+α >
心地よいあいさつをするためには、「シーンや相手に合ったことばをきちんと身に付けていること」が大前提。
その前提を踏まえたうえで、あいさつの基本となる「3つのポイント」を心得ておくことが大切です。どのポイントも簡単にできることなので、気軽に実践してみましょう。コミュニケーションのきっかけを掴むこともできるはず。
ポイント①:相手に伝わる適度な声のボリューム
幼い頃は、明るくはっきりとした声を出せていたのに・・。社会人になるにつれて、次第に相手に聞き取れないほどの小さな声になっていったり、口のなかだけでつぶやいたりと、適当なあいさつになっていませんか。
あいさつは、年齢に関係なく「明るい声で、はっきりとした口調」が基本中の基本です。“はっきり”というのは、大声という訳ではなく、“相手にとってはっきりと聞き取れる”声のことです。
静かな場所やシーンの場合は、相手にだけ聞こえるような小さな声で手短に済ませたりと、時には、その場所の雰囲気に合わせる必要もありますが、基本的には、相手にしっかり伝わるあいさつを心掛けましょう。
ポイント②:相手の目を優しく見る
あいさつは、アイコンタクトも大切なポイント。例えばスマホの画面やパソコンを見ながら、視線を相手に合わせることなくあいさつしてしまうと、“相手への関心が薄い”という印象を与えてしまいます。意外に、あいさつする側よりも、あいさつされる側のほうが印象に残りやすいものなんですよ。
「あいさつする相手に優しく視線を向ける」。ただそれだけで、貴女の印象はグッとアップします。
ポイント③:柔らかい「笑顔」を忘れずに
気持ちよいあいさつには、必ず笑顔がついてきます。
無表情なあいさつだけは、言葉だけの印象となってしまうので、あいさつする時は「笑顔」をプラスするようにしましょう。
笑顔といっても、いつもよりちょっと口角を少し上げた「微笑み」程度でよいでしょう。
誰からも愛されて品が漂う、あいさつ美人になることができます。
さらにもう一工夫の+α :品格を添える、軽いお辞儀を。
あいさつ基本の<基本の3ポイント>ができるようになったら、さらに「あいさつ美人」になるための簡単な秘訣を伝授いたしましょう。
それは、そっと軽く、お辞儀をすること。
一般的に、「会釈であれば約15度」「お辞儀であれば約30度」「より深いお辞儀であれば約45度」上体を前に倒すのが良いとされています。約10度程度のお辞儀でも、日常的なあいさつに取り入れるだけで、相手の印象が変わります。
相手への敬意と品格をもってあいさつしていることが、より明確に伝わりやすくなりますよ。
再確認!シーン別に見る、適切な「あいさつ言葉」(種類)
あいさつ言葉の種類は、すごく多いですよね。これは、シーンや立場、場所、相手、コミュニティによって、あいさつを使い分ける文化がある、という意味でもあります。
言い変えれば、「古来より、日本人は感性豊かな文化の中であいさつを続けてきた」という証でもあるのです。
あいさつをする習慣が薄らぎつつある現代において、あまりにも多すぎる「あいさつ」を使い分けることに難しさを感じる方もいるかもしれません。でもそれでも、私たちは無意識のうちに「あいさつ」が染み付いているから、不思議ですよね。
それでは、シーン別に「あいさつ言葉」を再確認してみましょう。
家庭内でのあいさつ
家庭はもっとも小さなコミュニティで、家族は、もっとも身近存在といえるでしょう。
親や兄弟の一言のあいさつだけを聞くだけでも、それぞれの想いや感情、体調、気遣い、愛情など・・。さまざまな情報を感じ取れるのも、家族ならではです。
【生活リズムを育むあいさつ】おはよう、おやすみなさい
【出発や見送りのあいさつ】行ってきます、いってらっしゃい、気を付けて、ただいま、おかえり
【食事のあいさつ】いただきます、ごちそうさま
「家族なんだから、改めてあいさつなんて照れくさい…」と思う必要はなく、逆に家族がお互いに気持ちよいあいさつをすれば、より良い家族関係を築いていくことができるのです。
外で人と出会ったときのあいさつ
家から一歩外に出ると、ご近所さんと会ったり、馴染みのスーパーで店員とやりとりしたりと、一気に社会と接する機会が広がりますよね。特に、気軽にあいさつが交わせられるご近所さんは、住んでいるコミュニティや学校との大切な接点。
“必要に迫られて”というよりは、ちょっとだけ“社会との接点”を意識して、あいさつする習慣を身に付けるのもありです。明るい声と笑顔で、自分の手の届く範囲の世界を、より心地よく。
【基本的なあいさつ】おはようございます、こんにちは、こんばんは、ありがとうございます、いってきます、いってらっしゃい、お久しぶりです、など
【天気・季節のあいさつ】今日はいいお天気ですね、寒くなってきましたね、暖かいですね、桜が咲き始めましたね、など
日頃から交わすあいさつは、気持ちの良い人間関係やご近所関係へと導いてくれます。
また、交友関係が広がり、顔見知りが増えることで、その土地で心地よく暮らしやすくなるだけでなく、地域の防犯に繋がることも。ぜひ「あいさつの輪」を広げていきたいですね。
ビジネスシーンでのあいさつ
ビジネスシーンでのあいさつは、日常生活でのあいさつとは異なるうえ、職場によっては、あいさつに対する意識が異なり、戸惑うこともあるかもしれません。
しかし、あいさつは、仕事をしていくうえでの大切なマナー。ワンランク上の「マナー美人」を目指すなら、しっかり押さえておきたいあいさつばかりです。
おはようございます、いらっしゃいませ、お世話になっております、ありがとうざいました、お疲れさまです、お先に失礼します、など
ビジネスシーンでのあいさつは、同じ職場でも、上司、先輩、同僚、後輩、取引先、お客様など、相手によって使い分けが必要となってきます。社内のあいさつからしっかりマスターしていきましょう。
ビジネスは、相手とのコミュニケーションが基盤です。クライアントと良い取引関係を築いていくために欠かせないマナーであり、ツールなのです。
常套句にならないように。相手を気遣う言葉も「あいさつ」です
「お元気ですか?」「体調を崩されたと聞きましたが、お加減はいかがですか?」「大丈夫?」
大切な家族や彼氏、知り合いの人を心配するとき、自然に、気遣うことばが出てきますよね。実は、そのような相手への思いやりも、大切な「あいさつ」。あいさつの定義の根底にある「あなたのことを、大切に思っていますよ」ということを、アピールできる言葉でもあります。
相手への気遣い・思いやりから発せられるあいさつほど、常套句らしさは全くなく、スムーズな人間関係を築くために重要なもの。「印象美人」を目指すのなら、この「気遣いのあいさつ」が自然とできるように、心掛けてみましょう。
緊張する・・と悩みずぎないで。あいさつは「気持ち・慣れ」です
最初はちょっと緊張して、思うようにあいさつができず、疲れてしまうことがあるかもしれません。でも、悩みすぎないで。
「あいさつしなくちゃ・・」ではなく、「こんなあいさつをしてもらったら、心地いいよね」をモットーに、あいさつを実践してみましょう。気持ちを込めてあいさつすることを心掛ければ、あいさつの仕方も変わってきますし、自然と相手を気遣うことにも慣れてきます。そして、日々の習慣になっていきますよ。
焦らず、気負わず、気軽に。「あいさつ」は、毎日心掛け続けることが大切なのです。
終わりに。
いかがでしたでしょうか。「あいさつ」は、⼼地良い⼈間関係を整えるきっかけになると同時に、毎⽇の⽣活を充実させるためにも⼤切なきっかけになります。あなたの人生を好転させるきっかけも、可能性も、「あいさつ」次第かもしれませんよ。
あいさつの⼤切さや意味、種類をもう⼀度おさらいできた今、いまこの瞬間から、あなたの「あいさつ」を変えてみませんか。誰もが憧れる「品のあるマナー美⼈」への第一歩を踏み出せます。
それなのに、子供時代よりもマナー・礼儀を重んじる社会人生活を送る今のほうが、あいさつが“適当”になっている方が多いようです。
モゴモゴと小さな声であいさつをしたり、すれ違っても会釈だけで終わらせたり・・・。
悪気はないのに、無意識のうちに「挨拶をしても、相手から返ってこなかったら嫌だな」「相手が挨拶してきたら、挨拶を返そう」「声をかけやすい人だけに挨拶しよう」と考えがちに。
プライドが傷つけられるのを恐れてしまって、だんだん「あいさつ」が億劫になってしまうようです。