実は、同じ物が複数あってもいい。本当に大切な「ミニマリスト」のこと
スッキリとしたインテリア、探し物とは縁のない生活―― そんな毎日を実現しているミニマリストさん。憧れを抱いている方は多いのではないでしょうか。
ただ、もしも身の回りの物をせっせと減らすことが、憧れの「ミニマリスト」への道だと思っているのなら・・・ちょっと待って!
その行動は、ミニマリストの根底にある「ミニマル」ではなく、「ミニマム」に近づいているのかも。
混同されやすいこの2つの言葉、実は意味が違うんです。
【ミニマム】は絶対量として「最小限」を意味するのに対し、【ミニマル】はあくまでも「可能な限り少ない量」を意味します。
つまり、ミニマリストさんがポリシーとする「ミニマル」は、「生活の質を維持・担保できる最低限の量を所有している」ということになります。
例えば、もしかしたら同じモノを複数所有している状態も、あり得るというわけです。
もしもあなたが、憧れのミニマリストになる為に、ただひたすら減らし続ける「ミニマム」を目指さなくちゃと思っているのなら・・・たどり着くゴールは「暮らしやすいミニマルライフ」ではなく、「ただモノの少ないミニマムライフ」。
「とことんモノを減らしたのに、なんだか暮らしにくい」ということになったら、本末転倒ですよね。
ぜひこの機会に一度冷静になって、《あなたにとって暮らしやすいモノの持ち方》を、見つめ直してはいかがでしょう。
見直しpoint1:大サイズ1コより、普通サイズを複数持ってみる
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お風呂上がり=バスタオルを使うのが日常だとしたら、試しにフェイスタオル2枚に置き換えてみませんか?
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1枚は濡れた髪に巻いて、もう1枚で体を拭けば、効率よく水滴を拭うことができますね。(髪が短ければ、頭からつま先まで、むしろフェイスタオル1枚で済んでしまうかもしれません!)
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洗面所やキッチンのタオル掛け分に併用したりもできますし、使いきったものを雑巾にしていくのにも便利なサイズ。
タオルのヘタり具合に合わせて気持ちよくローテーテョンしながら、最後まで使い倒すことができるので、まさに《暮らしやすさ》では理に適うものになるのではないでしょうか。
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使うたびに洗えば足りるから・・・と菜箸を一組だけ用意している方は多いかもしれません。
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でも、例えば毎朝、忙しい時間に家族の分のお弁当や朝食を同時に作る家庭だとしたら・・・。
菜箸をその都度洗って使い回すよりも、料理別に並行して使えるだけの十分な量のお箸を準備しておけば、効率よく調理を進めることができます。
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必ずしも、菜箸のような長いお箸を、いくつも揃えなくてOKです。
たとえば普通サイズの「竹箸」は、結構リーズナブルに買い置きできて、おすすめです。もちろん普段の盛り付け、食事でも万能。古びてきたら気軽に交換しやすくて、揃えやすいですよね。
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運動会や大人数のピクニック、あるいは災害時の避難など想定して、「大は小を兼ねる!」と、ついつい大きめのシートを用意しがち。
ですが、実際のところそういったシーン、年に何回あるでしょう?
よくよく考えてみると、ちょっと一休みするときやテーマパークのパレードの場所取りなど、大きなシートをフル活用せず、むしろ小さめに畳みながら使っているということも少なくないのでは…。
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レジャーシートも小さめのものを複数枚用意しておけば、「普段は1枚で」「大人数なら2、3枚で」と、自在に組み合わせて使うことができますよね。
シーンに合わせて調整できるので、荷物の量も減らせますし、使用後のシートを拭いたり洗ったり…という手間も最小限のパワーで済みます。
さらに、シートを組み合わせて置くことができるので、「四角」以外にも場所や用途に合わせていろいろな形にレイアウトできるというメリットも。
気に入ったデザインのものを見つけたらまとめて購入しておけば、複数枚組み合わせるときも見た目がスッキリしますよ!
2Lよりも、500mlタイプをストックしておくのが吉!
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備蓄も兼ねて、ペットボトル入りの飲料水(ミネラルウォーター)を多めに常備しているご家庭も多いはず。
ゴミの観点や保管スペース、コストの面で考えると、2L入りのペットボトルを選んでいる方が多いかもしれませんが・・・ちょっと見直してみましょう。その一部を小さめの500mlのペットボトルにかえてみるのがオススメです。
一度開封してしまったお水は意外と傷みやすいもの。
例えば断水などの非常時に関しては、小さめのペットボトルの方が衛生面で安心なうちに確実に使い切れたり、手などを洗うときにボトルが軽く扱いやすかったり・・・というメリットが。
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また、冷凍庫で凍らせれば保冷剤としても使いやすいのが小さめのペットボトル。保冷剤代わりにつかいつつ、キンキンに冷えたお水を持ち歩けるので、外出のときには便利ですよね。
見直しpoint2:使うシーンに合わせて、あえて数か所に分けて置く
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文房具を一箇所で管理するのではなく、使うシーンに合わせて、管理してみてはいかがでしょう。
例えば日常生活で「ハサミ」を使うシーンを想像してみて。「封書を開封するとき」はダイニングテーブルでハサミを使い、「ゴミに出すダンボールをまとめて紐をカットするとき」は玄関でハサミを使うのではないでしょうか。
同じ「ハサミ」も使う場所はシーンによって異なりますよね。
こういった場合は、「ダイニングテーブルに1個」「玄関に1個」と、使う場所それぞれにハサミを設置しておいた方が、作業も思い立った時にスムーズに行えるはず。
便利なだけでなく、無駄な動線が発生し、時間を無駄することを防げるメリットも。
人は何かをしようと思い立ったら「20秒以内」にアクションに移せる環境にないと、たちまち億劫になる生き物だという研究結果もあります。
モノが減っても、必要なものを取りに行くのが面倒でタスクが貯まっていくのだとしたら・・・それはかえって生活の質を落とす結果になりかねません。
家庭の中に存在する「量」だけに捉われず、使用頻度の高い場所に必要な文房具を揃えてみましょう。
ゴミ箱は、1個ではなく、レイアウトや家族構成に合わせて設置。
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ミニマリストさんの中には、ゴミ箱は家の中に1つだけ・・・という方も。でも、それが"本当の理想形"かどうかは、家庭によってさまざま。
ゴミ箱は、家の広さや間取り、家族構成などによっても柔軟に考えていいものの一つです。
例えばトイレのサニタリーボックス一つとっても、色んな捉え方ができます。
「女性は自分だけだから他の方法で汚物は処分する」と考えて、置かない派という方がいるかもしれません。
しかしその考え方は、来客が多い家庭ならば、お客様に知らず知らずのうちに不便な思いをさせていることも・・・。
出典:www.instagram.com(@chairsandmiki) また、お子さんがいる家庭の場合、生活の動線を考えると、ゴミ箱を増やしたほうがお片づけが効率的という場合も。
お子さんのスムーズなお片付けの習慣にもつながるかもしれませんよ。
そのほか、ティッシュBOX(リビング、キッチン、脱衣場)、爪きり(リビング、寝室)なども、数か所に分けて置くと役立つアイテム。自分の生活の導線を重視して、考えていきたいですね。
見直しpoint3:あえて「便利なもの」の力に頼ってみる
モノの管理を超えたメリットを与えてくれる、新開発の洗剤商品。
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住宅のお掃除やお洗濯などで用途別に多くの洗剤がありますが、ミニマルライフを目指すなら極力その種類も減らして、「重曹」、「セスキ水」や「酸素系漂白剤」など、汎用性の高い洗剤を活用したいと思いますよね。
でも、その一方で家事の手間を減らす、優秀な洗剤が続々と登場していることも確か。
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例えば、最近人気の「こすらなくても汚れが落とせるお風呂洗剤」。
シュッと吹き付けて1分経ったら流すだけでOKなので、待っている間に洗面台の拭き上げなどをしてしまえば1分で2か所キレイにできます。
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例えば子どもが大好きな「唐揚げ」。ママならではの味を大切にして、毎回いろいろな粉や調味料を配合して作っているという方も多いのではないでしょうか。
ですが、ある忙しい日に、市販の水を混ぜるだけの「唐揚げ粉」で揚げたら家族に大絶賛!「今度からこれにして!!!」というリクエストが・・・。
実はこれ、筆者の家庭での実話です・・・!
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料理が苦手ではない人こそ、「普段家にあるものを組み合わせ、無駄なく料理がしたい」という気持ちを持ちやすいもの。
しかし、「汎用性のあるもの」にこだわりすぎると、かえって食材や調味料を増やし管理の手間が増えたり、使い切ることができなかったり、という場合も。
忙しい方にとっては、このような便利な調味料、検討する価値は有りですよ。添加物などが気になる場合もありますが、そこは使用するバランスを見極めればOK。
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超簡単な工程で家族が喜び、さらにいろいろなモノを揃えなくてもOKという手軽さ・・・。
「特定のモノにしかつかえないから」と、便利な調味料を除外するのではなく、柔軟に判断したいですね。
モノの数を減らせば暮らしがシンプルになる、というのは、概ね間違いではありません。
でも、今回ご紹介したように、一見モノの数は増えても暮らしやすくなる面があるのも確かです。
「モノの管理」という観点だけではなく、自分の「ストレス」を減らし、「よりよい時間の使い方」を実現できるようにするにはどうしたらよいのか――。
そんな本質的な部分を見失わずに、あなたならではの「ミニマルライフ」を形にしていきましょう*
スッキリとしたインテリア、探し物とは縁のない生活―― そんな毎日を実現しているミニマリストさん。憧れを抱いている方は多いのではないでしょうか。
ただ、もしも身の回りの物をせっせと減らすことが、憧れの「ミニマリスト」への道だと思っているのなら・・・ちょっと待って!
その行動は、ミニマリストの根底にある「ミニマル」ではなく、「ミニマム」に近づいているのかも。