季節と体調を考えた、夏の疲れを持ち越さない「食養生」
連日の猛暑日や熱帯夜で体力を消耗したかと思えば、朝晩は風が涼しく喉を痛めたり肌が乾燥したりと…毎年のこととはいえ季節の変わり目は、体調管理に頭が痛くなりますよね。
そんなときは「食養生」の考えを食卓に取り入れてみることを提案します。季節や体調に合った食材を献立に取り入れる食養生は、お薬のような即効性はありませんが、優しくゆっくりとあなたの心と身体を引き上げてくれます。今回は食養生の考え方やおすすめの食材、秋にぴったりの食養生レシピをご紹介します。
そんなときは「食養生」の考えを食卓に取り入れてみることを提案します。季節や体調に合った食材を献立に取り入れる食養生は、お薬のような即効性はありませんが、優しくゆっくりとあなたの心と身体を引き上げてくれます。今回は食養生の考え方やおすすめの食材、秋にぴったりの食養生レシピをご紹介します。
食養生とは
中国からやってきた中医学が日本で独自の発展をしたのが漢方。漢方というと苦い薬を思い浮かべる人もいるかもしれませんが、薬だけではありません。指圧や鍼、運動療法、生活習慣改善指導も含まれます。食養生もそんな漢方の一部。季節や体調に合った食材を食事に取り入れることで、健康の底上げをしようという考えです。栄養学はミクロの栄養素に注目するのに対して、食養生では食材そのものに重きを置きます。
秋の食養生のポイント
秋は身体にとっても収穫の時期で、夏に弱った胃腸を整え消耗した体力を養う重要な時季です。また空気が冷え湿度が下がるので、身体の冷えと乾燥にも気をつけたいところ。天気が激しく変わることが多いのでこまめに衣服の調整をすることも大切です。
五行説(ごぎょうせつ)という考え方
古代中国では万物が5つの要素の運動・変化によって成り立っていると考えていました。そして5つ全ては影響しあい、欠けてはいけない基礎になる物質だと考えられていました。これが五行説という考え方です。例えば味であれば五味として酸、苦、甘、辛、鹹(かん・塩味)。色であれば五色として青、赤、黄、白、黒。すべての食材はいずれかの性質を持ち合わせていると考えられています。
「甘」で元気に「白」で潤す
五行説で考えると、胃腸を整え体力を養うのは「甘」の食材で鮭、さつまいも、しいたけなどが当てはまります。そして乾燥を防ぎ、潤いを与えてくれるのは「白」の食材。これは白ごま、はちみつ、れんこんなどです。季節の食養生に合った食材は旬の食材が多くあります。五行説は少し難しいので旬を意識するというのも良いですよ。
秋からはじめる「食養生レシピと食材」
出典:pixabay.com
元気をくれる鮭、さつまいも、しいたけ、潤いをくれる白ごま、はちみつ、れんこん。それぞれの東洋医学的な効能とオススメレシピを紹介します。
鮭
出典:unsplash.com
胃を温め、胃腸を元気にする。身体に栄養を補給し、体を丈夫にする。
鮭のホイル焼き
鮭あらの旨煮
さつまいも
出典:pixabay.com
胃腸の働きを回復させ、丈夫にし、気力を充実させる。
鶏肉とさつまいもの煮物
さつまいものナッツチーズサラダ
しいたけ
出典:pixabay.com
夏バテを解消し体にこもった余分な熱を収める。胃腸を養い元気をつける。
しいたけの肉詰め
網焼きしいたけ
白ごま
出典:pixabay.com
身体を潤し、肌の乾燥、便秘回復に期待できる。
まぐろの白黒ごま衣焼き
にんじんのツナごま和え
はちみつ
出典:pixabay.com
保湿性があり乾燥症状の改善をする。胃腸を丈夫にし、機能を高める。
ハニーグリルマスターブレンドチキン
たことセロリのマリネ
れんこん
喉を潤し、渇きを収める。血中にこもった余分な熱をのぞき、血行をよくする。
ピリ辛甘酢の豚れんこん
れんこんのガーリックペッパー唐揚げ
食養生を食卓に取り入れて健やかに秋を迎えよう
食養生の考え方と秋にオススメの食材とレシピをご紹介しました。食材たちには薬のような強い力はありません。けれど副作用もなく、選んだものを続ければあなたの身体を健やかなものにしてくれます。献立を立てるときに食養生という視点も持ってみてくださいね。
たっぷりのキノコとバターで蒸し焼きにした鮭はふっくらとした仕上がり。ホイルを広げたときの湯気と香りが食欲を増します。くっつかないホイルを使えば油は不要です。