物語に登場した「おいしそう!」なお菓子や料理が忘れられない...
小さな頃は手の込んだ調理も、ちょっと風変わりな材料の調達も難しかったかもしれません。でも、今ならきっと……
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児童文学に登場するお菓子・料理の再現レシピ9集
1.『ぼくらのなまえはぐりとぐら』(中川 李枝子・作/大村 百合子・絵)のカステラ
ぼくらの なまえは ぐりと ぐら
このよで いちばん すきなのは
おりょうりすること たべること
ぐり ぐら ぐり ぐら
たまごとお砂糖をかきまぜ、牛乳と小麦粉を入れます。バターを塗ったおなべに流し入れたら、黄色くてふんわりしたカステラが焼けました。
2.『ハイジ』(ヨハンナ・シュピーリ作)の白パン
「新訳版ハイジ1」作:シュピーリ 訳:若松宣子 出版社:偕成社
「それから、ほら、これよ、ハイジ!」
クララははしゃぎながら、かごをひとつ、高々とさし上げました。ハイジは中をのぞきこみ、うれしさのあまりとび上がりました。なぜって、きれいなまるい白パンが1ダースほども入っていたのです。みんな、おばあさんへのおみやげです。
山へ戻る時のお土産は、もちろんかごいっぱいの白パンでした。
こちらはレンジで生地を発酵させ、こねる作業要らずでふわふわの白パンが焼けるレシピ。
「焼きたてのパンは食べたいけれど、こねたり発酵させたりするのに時間がかかるから……」とためらっている人にもおすすめです。
3.『不思議の国のアリス』(ルイス・キャロル作)でハートのジャックが盗んだパイ
法廷のちょうどまんなかにテーブルがあって、それには大きなパイの皿が乗っています。パイはとてもおいしそうなので、見ているとアリスはおなかがぺこぺこになりました。
さまよううちにたどり着いたのは、トランプの王と女王の法廷でした。
テーブルにはなぜかおいしそうなパイが……。
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白ウサギは羊皮紙に書かれた訴状を読み上げます。「ハートの女王、女王はパイをこしらえた、夏の日に。ハートのジャック、ジャックはパイをぬすみ取り、すっかりさらっていっちゃった!」
4.『若草物語』(オルコット作)のライムのピクルス
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メグにお金を借りて意気揚々と2ダースものライムを買い込んだエイミー。エイミーの茶色い紙包みに、皆が釘付けです。でも先生に見つかってこっぴどく叱られ、せっかくのライムを窓から捨てなければなりませんでした。
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西インド諸島から輸入され、キャンディストアのガラス瓶で売られていたこのライム。免税品で子供がお小遣いで買えるほど安かった事も、大流行の一因かもしれません。
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・ライム1個
・塩15g
・水200ml
①アルコール消毒したガラス瓶に、1/4のくし切りにしたライムを入れます。(※ライムは無農薬のものを)
②そこへ7.5%の塩水をライムがひたひたになるよう注ぎ入れます。
③冷蔵庫で保管を。3週間後からおいしく食べられます。
5.『ハリー・ポッター』(J・K・ローリング作)のバタービール
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五分後に、ロンが大ジョッキ3本を抱えてやってきた。泡立った熱いバタービールだ。
「メリー・クリスマス!」ロンはうれしそうに大ジョッキを挙げた。
ハリーはグビッと飲んだ。こんなにおいしいものはいままで飲んだことがない。体の芯から隅々まで暖まる心地だった。
6.『大草原の小さな家』(ローラ・インガルス・ワイルダー作)のひきわりとうもろこしのパン
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うすく切ったブタ肉は、脂がたっぷりあって、歯ごたえよくカリッと焼けていて、ひきわりトウモロコシのパンもとてもおいしくできていました。
馬車のむこうの闇のなかで、ペットとパティーも、おなかいっぱい食べています。草をかみちぎる音が、パリパリきこえてきます。
ローラのかあさんが焼く「ひきわりトウモロコシのパン」は、もはや主食といってもいいほど。作中に度々登場します。
7.『長くつ下のピッピ』(リンドグレーン作)のミートボール
「長くつ下のピッピ」 作:リンドグレーン 訳:下村隆一 出版社:偕成社
岩だなにひろげられたごちそうを見たとき、ふたりは思わず、わあっと歓声をあげました。
ミートボールやハムののっかったオープンサンドイッチ、砂糖をまぶしたパンケーキがひとやま、茶色いソーセージ。おまけに三人前のパイナップルプティングまであります。
ピッピはおとうさんの船で、コックさんじきじきにお料理をならったのです。
バスケットの中には「ミートボールやハムのオープンサンドイッチ」。
9月の休日、きらきらしたお日さまの光の下で食べるごちそうは、さぞ美味しかった事でしょう。
8.『くじらのオムレツ』(寺村輝夫作)のオムレツ
国じゅうで一ばんいばっていて、国じゅうで一ばんわがままで、国じゅうで一ばんたまごのすきな、王さまです。
王さまは、自分でオムレツをつくってみたくなりました。
王さまはこう言います。「あまくって、ふーわりしたオムレツがうまいんだ。」
9.『赤毛のアン』(モンゴメリ作)の「さくらんぼのさとうづけ」
「赤毛のアン(上)」 作:モンゴメリ 訳:茅野美ど里 出版社:偕成社
「とんでもない、バラのつぼみの茶器だって。何をいい出すか知れやしない、この子は。あれは牧師さんがみえたときか慈善会のときしか使わないの、わかっているでしょ。古い、茶色いのを使いなさい。そのかわり、サクランボのさとうづけが入った黄色いつぼをあけてもいいよ……もう食べごろだと思うから。それからフルーツケーキとショウガクッキーとビスケットも食べていいよ。」
バラのつぼみの茶器は使えなかったけれど、たくさんのお菓子を取り揃え、質素ながらも楽しいお茶会になる予定でした。
思い出がよみがえる楽しい食卓を
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こねたり、まぜたり……お子さまと一緒に思い出の本を読みながらつくってみるのも、きっといい思い出になるはず。
思い出よみがえる食卓を囲んで、楽しい時間をお過ごしくださいね。
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