“台所”って呼びたくなる。昭和香る、台所の道具たち
炊飯釜
ごはんの鍋:かもしか道具店
一般的な鍋は、蒸気穴を開け、鍋蓋と本体の隙間で蒸気を逃がす設計が多く、ご飯がすぐに固まってしまい美味しくありません。蒸気を逃がしすぎず、しっとり美味しいご飯に仕上げるために、ごはんの鍋では蒸気穴をなくし、鍋蓋の隙間から蒸気を逃がす設計にしています。蒸気穴がなくて、吹きこぼれの心配は?となりますが、鍋のフチを深くすることでそれを防いでいます。そのため、蓋は1枚でも美味しいご飯が炊けます。
かまどさん:長谷園
長谷園がかまどさん作りに費やした年月はなんと3年半。その中で作り続けた試作品は3000個にものぼるといいます。かまどさんは厚めの土鍋ですが、美味しいご飯が誰にでも炊けるよう、部分ごとに少しずつ厚みが変化している繊細な仕上げ。「作り手は真の使い手であれ!」の精神のもと、
「火加減がいらない」
「吹きこぼれない」
「手間がいらない」
この3つがすべてそろった炊飯土鍋、長谷園の「かまどさん」が誕生しました。
細かな気孔があいた伊賀の土は「呼吸をする土」と言われるほど粗めの土で遠赤外線効果が高いので土鍋にピッタリ。蓄熱力が高く、食材の芯までじっくり熱を伝えてくれます。さらに木のおひつのように呼吸するのでご飯がべたつきません。伊賀焼の炊飯土鍋かまどさんは火から下ろした後もトロ火で煮込むように保温し、食材の旨みを引き出してくれる特別な土鍋なのです。
おひつ・飯台
おひつ:東屋
炊きたてのご飯を入れると余分な水分を適度に吸い取り、ご飯本来の旨味と甘味を引き出し、香りをたたせて適度な歯ごたえに整えます。
飯台:東屋
すり鉢・すりコギ
すりバチ・すりコギ:かもしか道具店
横広のどっしりとした土台は、表面に少しザラつきがあり、滑りにくく安定感があります。いつもなら縁を押さえて使っていたすり鉢も、両手でしっかりすり潰すことができます。
盆ざる
深さがほとんどなく平らなため、
干しざるにもよく使われています。
魚屋さんなどが魚を干すために
使うざるもこの形が多いそうですよ。
編み目はシンプルなござ目編み、
縁は籐で巻いていきます。
真竹は弾力性や強度に優れており、
新潟県佐渡島では、良質な竹の産地で
竹細工が盛んです。
お菓子やパンなどをのせても素敵です。
カトラリーを乾かす、
かご代わりにもいいかも。
なにげなく置いても、
絵になるシーンが日々の暮らしに登場します。
雪平鍋
雪平鍋 :中尾アルミ製作所
アルミの表面に美しく並ぶ打ち目(槌目・つちめ)は、素材の強度を高め、
表面積を広くすることで熱伝導も高めるという実用性も伴っています。
目盛りが内側についていて、計量カップいらずなのも嬉しいところ。
かつお節削り器
かつお節削り器:台屋
現代では、真空パックに入った便利なかつおぶしがありますが、かつおぶしを削る作業自体それほどの手間ではありません。家族2人〜4人分のちょっとの量なら、一手間かけることで、家庭での食の幸せが広がりそうです。
ほうれん草のお浸しにかつおぶしを乗せて、醤油を一回し。おかかのおにぎりや、煮物、炒め物のアクセントに。削りたてのかつおぶしを一度口にしたら、きっとその美味しさの虜になってしまうはず。
一般に、かつおぶし削り器といえば桐材の箱で出来た引き出し付きのデザインを思い浮かべる方も多いかと思いますが、あえて台屋(DAIYA)の鰹節削り器はそこを外しました。それは、現代の暮らしに馴染みやすいデザインにしたいという作り手の意図。いつでもすぐに使えるところに置いてほしいとの願いから台屋の削り器はコンパクトですし、従来の引き出し型の約二分の一の高さなので、力が入れやすく削りやすい設計になっているのです。
割烹着
割烹着 ロング丈:中川政七商店
割烹着 ショート丈:中川政七商店
ふきん
花ふきん:中川政七商店
手仕事にチャレンジ
刺し子の道具:横田株式会社
もとは衣服を丈夫にしたり、繕う目的でされた「刺し子」ですが、
家族を暖かく包みたいという思いは、細やかな模様へと発展しました。
親しみの感じられる手仕事に、憧れている人も多いはず。
炊飯釜、飯台、すり鉢、盆ざる、雪平鍋…昭和の懐かしい台所道具って、今使っても便利で素敵かも。